『卒論執筆のためのWord活用術』

『卒論執筆のためのWord活用術』

著者 田中幸夫(たなか・ゆきお)

美しく仕上げる最短コース

はじめに

■「本来しなくても済む作業」に追われる
 毎年、卒業論文の締め切り時期が近づくと、多くの学生が不眠不休で仕上げの作業に追われます。筆者は大学の教員時代に、そうした学生を何人も見てきました。彼らのほとんどは、卒業研究に真面目に取り組んでいます。決してサボっていたわけではないのに、締め切り前に大慌てすることになってしまうのです。原因は、論文を執筆するという作業自体に不慣れなまま「本来しなくても済む作業」に労力を費やしていることにあります。「本来しなくても済む作業」とは、たとえば次のようなものです。
・見出しの書式を1ヵ所ずつ設定している
・図表の番号を入力している
・各見出しのページ番号を調べて目次を作成している
 実は、これらの作業は、ソフトの機能を使えば、短時間で処理できるものばかりです。見出しの書式はまとめて設定できますし、図表の番号は自動的に連番で挿入できます。目次はページ番号を調べなくても自動的に作成できます。
 また、こうした機能を使わずに作業すると、あとで修正する際も「本来しなくても済む作業」に追われることになります。卒業論文は、最後の最後まで何かと修正が発生するものですから、「あれもこれも修正しなければならない」という半ばパニック状態を引き起こす原因ともなるのです。

■卒業論文の執筆に必要となるWordの使い方を学ぶ機会がない
 学生の多くは、卒業論文の執筆にWordを使います。この選択自体は問題ないのですが、論文を執筆するために有用なWordの機能を知らないまま作業を進めてしまうケースが多いようです。Wordというソフトは、直感的な操作が可能であるがゆえに、あらためてその使い方を勉強する機会は多くありません。卒業論文の執筆時も多くの人は自分の知っている操作方法の範囲で作業を進めてしまい、「本来しなくても済む作業」をしてしまいがちです。
 大学での教育内容は学術的なものが中心となるため、卒業論文の執筆で必要となるWordの機能について体系的に教えるカリキュラムを公式に用意している大学はほとんどありません。教員の中には、学生向けにウェブページ上でWordの使い方について公開している人もいますが、日頃の雑務に忙殺されている大多数の教員はそこまで手が回りません。
 筆者が本書を執筆するに至った理由はここにあります。

■本書の特徴
 本書で解説の中心となるのは、卒業論文を執筆するのに使うべきWordの機能です。初めて論文を執筆する人でも効率的に進められるように、論文の目次案の作成から解説しています。以降、見出しの書式管理や図表の挿入、図表番号の作成、目次の作成など、「本来しなくても済む作業」をせずにひと通り卒業論文を仕上げる手法を4つの章に分けて学んでいくことができます。本書の性質上、ソフトの操作方法に関する説明が多くなっていますが、それらを読みながら作業の流れを把握し、「こういったことができる」というポイントを理解してください。
 また、卒業研究を進める中で集める文献などのデータをExcelで管理する手法と、卒業論文の発表で必ず役立つPowerPointの使い方も収録しています。これまで知らなかったOfficeの活用法に触れながら、卒業論文の執筆を中心とした卒業研究全体を効率的に行えるはずです。
 なお本書は、基本的には卒業論文を執筆する大学生向けの内容ですが、初めて論文やレポートなど長文の文書をWordで執筆する必要に迫られている社会人の方でも十分活用できます。
 本書が、皆さんの卒業論文執筆作業を少しでも楽にするお力になれると幸いです。

著者 田中幸夫(たなか・ゆきお)

農学博士。独立行政法人国際協力機構(JICA)所属。東京大学生産技術研究所連携研究員。二〇〇四年、東京大学大学院農学生命科学研究科生物・環境工学専攻修了。民間コンサル、国際機関勤務等を経て、二〇〇七年東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻助教。二〇〇八年~二〇一二年は、東京大学総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座特任助教、特任講師。「持続可能な地域開発とは何か」という深遠な問いに学問と実務の双方向からアプローチする傍ら、次世代の育成にも心血を注ぐ。

[B1791]

卒論執筆のためのWord活用術

著:田中 幸夫

Wordの機能を活用し卒論を体系的に仕上げる手法を指南。Wordの作業に費やす労力がほぼゼロになり、卒論の質向上に力をそそげる。

定価 : 本体880円 (税別)

ISBN : 978-4-06-257791-5

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