カラー図解 進化の教科書 第2巻

カラー図解 進化の教科書 第2巻

著者 Carl Zimmer(カール・ジンマー)
著者 Douglas J. Emlen(ダグラス・J・エムレン)
訳者 更科功(さらしな・いさお)
訳者 石川牧子(いしかわ・まきこ)
訳者 国友良樹(くにとも・よしき)

進化の理論

はじめに

 本書は、カール・ジンマーとダグラス・J・エムレンの著書『進化(Evolution)』の翻訳である。ジンマーとエムレンの原書はかなり厚い本なので、ブルーバックスでは3分冊にして出版することになり、本書はその2冊目にあたる。先に出版した第1巻の副題は「進化の歴史」で、生物がどのように進化してきたか、つまり昔の出来事がテーマであった。一方、第2巻である本書の副題は「進化の理論」である。進化とはどういう仕組みで起こるのか、つまり進化のメカニズムがテーマである。

 進化のメカニズムの中で、もっとも強力なのは自然選択と遺伝的浮動の2つだ。形態レベルでは主に自然選択が働き、遺伝子レベルでは主に遺伝的浮動が働くとよく言われる。しかし、本書を読めば、遺伝的浮動が形態の進化にも大きな影響を与えていることがわかるだろう。また、ダーウィンが唱えたことで有名な自然選択は、実はかなり「難解」な理論だということも「やさしく」解説されている。「進化の歴史」にくらべると「進化の理論」は読みにくいことが普通である。ところが本書は、体の長さよりも両目の間隔の方が長い昆虫など、楽しい例がふんだんに紹介されており、読んでいて飽きさせない。そして、本書の白眉は、理論そのものの解説だろう。著者らの軽快な語り口は、教室で講義を聞いているのではなく、コーヒーショップでおしゃべりをしているような気分にさせてくれる。このような優れた本を翻訳する機会に恵まれたことは、訳者として大変うれしいことであった。

 2017年1月

訳者を代表して 更科 功

著者 Carl Zimmer(カール・ジンマー)

イェール大学卒業。アメリカでもっとも人気のあるサイエンスライターの一人で、イェール大学講師も務める。ニューヨークタイムズ紙、ナショナルジオグラフィック誌、サイエンティフィックアメリカン誌などに頻繁に寄稿し、いくつもの賞を受けている。著書も多く、『水辺で起きた大進化』、『大腸菌』、『パラサイト・レックス』など邦訳も多数出版されている。

著者 Douglas J. Emlen(ダグラス・J・エムレン)

プリンストン大学でPh.D.を取得後、デューク大学を経て、現モンタナ大学教授。動物の発生の進化を研究している。若手科学技術者大統領賞をホワイトハウスから送られたほか、いくつもの賞を受賞している。一方、科学の宣伝活動にも積極的で、ニューヨークタイムズ紙やラジオを通じて、科学の情報を発信し続けている。

訳者 更科功(さらしな・いさお)

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。専門は分子古生物学。著書に『化石の分子生物学』(講談社現代新書、講談社科学出版賞受賞)、『宇宙からいかにヒトは生まれたか』(新潮選書)など。現在、東京大学総合研究博物館研究事業協力者、明治大学・立教大学兼任講師、早稲田大学・東京学芸大学・文教大学非常勤講師。

訳者 石川牧子(いしかわ・まきこ)

東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、博士(理学)。研究分野は海洋無脊椎動物の進化、生態、古生物学。日本学術振興会特別研究員などを経て、現在、ヤマザキ学園大学動物看護学部准教授。

訳者 国友良樹(くにとも・よしき)

筑波大学生命環境科学研究科卒業、同大学院博士課程を単位取得退学。専攻は地史・古生物学。現在は出版関係の企業に勤務。

[B1991]

カラー図解 進化の教科書 第2巻 進化の理論

著=カール・ジンマー,
著=ダグラス・J・エムレン,
訳=更科功,
訳=石川牧子,
訳=国友良樹

進化の知られざるメカニズムがDNAから見えてくる。21世紀の進化研究の行き先を示す人類必読の一冊。人類はどこへ向かうのか。

定価 : 本体1,600円 (税別)

ISBN : 978-4-06-257991-9

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