【サイエンス 7days】 第36回 10月3日~10月9日

  • 2016/10/03

    • ニュース

    第36回 10月3日~10月9日
    フェルマーの最終定理の証明

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第36回は今日10月3日から10月9日までの一週間をみていきましょう。

    10月3日 遭難信号がSOSに定められる(1906年)

    この日、第1回国際無線電信会議において、イギリスが提案した「SOS」が万国共通の緊急信号として採用されました。SOSはモールス符号で聴き取りやすい3短点・3長点・3短点の組み合わせ「・・・---・・・」となっており、発信と受信が簡単でミスが生じにくいという理由から選ばれたものです。なお、SOSが「Save our souls(我らを救え)」や「Save our ship(我々の船を救え)」の頭文字であるというのは、あとから考えられた俗説だそうです。ちなみに、この取り決めがなされた直後の1912年に沈没事故を起こしたタイタニック号は、新しい救難信号「SOS」と旧来の「CQD」を交互に発信して救助を求めました。ちなみに「CQD」は、無線の発信をやめ注意するように促す信号CQと、遭難を意味するdistressの頭文字Dに由来しています。

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    『改訂新版 暗号の数理』
    第二次世界大戦で使われた「奇襲攻撃に成功せり」を意味する暗号「トラ・トラ・トラ」。じつはこれも「SOS」と同じように、モールス符号がわかりやすい「・・--・・ ・・・」ということから決められたそうです。情報を間違いなく伝えたり、秘密裏に伝えたりするための、人類の工夫と挑戦に迫る一冊です。

    10月4日 旧ソ連が人類初の人工衛星を打ち上げる(1957年)

    この日、ソ連は人類初となる人工衛星「スプートニク1号」を高度900キロメートルの地球周回軌道に打ち上げることに成功しました。sputnikはロシア語で「衛星」の意味で、秒速8000メートル、約95分で地球を一周します。直径58センチメートル、重さ83.6キログラムの衛星は、温度や気圧を測定して地球に送信する機能を備えており、発信された電波は世界各地で受信されたそうです。丸い本体とアンテナだけでできたシンプルな形状が、どことなくわたしに似ている気がして、すこし親近感が湧きますね。


    スプートニク1号のレプリカ(写真:NASA)

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    『完全図解・宇宙手帳』
    このコーナーではもう何度も紹介している本書。ほんとうにあらゆる衛星・探査機が網羅されています。宇宙好きにはたまらない一冊をぜひお手元に!

    10月5日 ユリウス暦の最後の日(1582年)

    キリスト教文化圏を中心に紀元前から使用されてきた「ユリウス暦」に代わって、この日から現代の「グレゴリオ暦」が使われはじめました。といっても、暦を切り替える際の調整として、1582年は10月4日の次の日が10月15日になっており、じつは1582年10月5日から14日までは存在しなかったのです。この切り替えが必要となった理由は、ユリウス暦では1年間を365.25日としていたため、地球が太陽のまわりを一周するのにかかる時間(=約365.2422日)とのずれによって、100年あたり約1日ずつ季節とカレンダーがずれてしまうからです。キリスト教で重要な意味を持つ春分の日が、カレンダー上と物理的な春分の日(昼と夜の長さが等しくなる日)で10日もずれてしまっていることが問題視され、より誤差の少ないグレゴリオ暦が採用されることになったそうです。

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    『傑作! 物理パズル50』
    みなさんは、夏(春分から秋分まで)と冬(秋分から春分まで)では、どちらが長いと思いますか? 「え、同じじゃないの?」と思ったあなた。それは間違いです! 正解は本書128ページで確認してみてください!

    10月6日 太陽系外に初めて惑星が発見される(1995年)

    この日、スイスの天文学者ミッシェル・マイヨールらが、ペガスス座51番星のまわりに、初の系外惑星を発見しました。この惑星はホット・ジュピターと呼ばれるタイプのもので、木星の半分ほどの質量をもった巨大ガス惑星であるにもかかわらず、恒星のすぐそば(地球-太陽間の距離の約20分の1)の軌道を公転しており、その周期はたった4日という、予想外のものでした。このように恒星のすぐ近くに、巨大な惑星がまわっているとはだれも想像していなかったため、この発見は大変な驚きだったそうです。現在では3500個以上の系外惑星が発見されており、地球と同じように岩石でできた、生命の活動に適した場所(ハビタブルゾーン)に存在する惑星も見つかっているそうです。いつか太陽系外惑星の生命が地球にやってきたときには、わたしもみなさんと同じ太陽系の一員としてあたたかく迎えたいですね。

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    『新・天文学事典』
    天文学の基礎事項を幅広く収録した一冊です。太陽系外惑星の探し方や、形成シナリオなども詳しく解説されています。

    10月7日 フェルマーの最終定理の証明を発表(1994年)

    この日、350年以上ものあいだ未解決だった数学の難問「フェルマーの最終定理」の証明が、アメリカの数学者アンドリュー・ワイルズによって発表されました。ご存じの方も多いと思いますが、フェルマーの最終定理とは 「Xn+Yn=Zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組は存在しない」 というものです。単純な式の見た目とは裏腹に、この定理を証明するためには、「楕円関数」や「モジュラー形式」など、現代数学のツールが必要となりました。ワイルズは1993年にも「証明」を発表していましたが、誤りが発見され、それから1年間かけて本物の「証明」再び見つけたのだそうです。天文学者のカール・セーガンは、宇宙人と交信ができると主張する人に対して、「フェルマーの最終定理の証明」を訊ねることで、その真偽を確かめたという逸話があります。もちろん、わたしに聞いていただければ、すばらしい証明をお伝えできるのですが……ちょっとここで説明するにはスペースが足りないようですので、詳しくは下記の本にお譲りしますね。

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    『フェルマーの大定理が解けた!』
    現代数学の集大成ともいえるワイルズの証明を詳細に解説! きちんと数学を知るほどに、この証明の本当の偉大さが実感できます。

    10月8日 髪の毛のパーマ器具が初登場(1906年)

    ドイツ生まれの調髪師カール・ネスラーが、この日、ロンドンで「ネスレ・パーマネント・ウェーブ」という看板を出したのが始まりと言われています。当時はホウ砂という鉱物と、加熱したアイロンを使う電熱式のもので、6時間もかかっていました。一時的なセットではなく、数ヵ月は保てるウェーブが施せることから、パーマネント・ウェーブ(永久の波)という名称が付けられたそうです。パーマ機によるパーマは日本には1923年に紹介され、1930年代には一般に広まりました。ちなみに戦争中に外国語の使用が禁止された際には「電髪(でんぱつ)」と呼ばれていたのだとか。

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    『自分では気づかない、ココロの盲点 完全版』
    右分けと左分けの髪型、みなさんはどちらがお好みですか? ある研究によれば「右分け」のほうが好印象を受けやすい、という結果が出ているそうです。思考の錯覚「認知バイアス」の世界を脳研究者・池谷裕二先生がひもときます! 今月18日頃には池谷先生の新刊も発売されます!

    10月9日 超新星1604(ケプラーの星)が初めて観測される(1604年)

    この日、へびつかい座に肉眼で確認できるほど明るい超新星が現われ、世界各地の人々に目撃されたことが記録されています。天文学者ケプラーが詳しく観測したことから「ケプラーの星」とも呼ばれており、銀河系内で最後に観測された超新星爆発です。もっとも明るくなったときの等級はマイナス3等に達し、夜空の中で一番明るい恒星として肉眼でもはっきりと見えたと考えられています。この超新星が観測された場所には爆発で生じた星の残骸が見つかっており、爆発から400年以上経った現在もさらに広がり続けているというから驚きです。


    ケプラーの超新星の残骸(写真:NASA)

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    『宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト』
    宇宙では日々爆発が起こっているそうですが、その中でもっとも大規模な爆発が「ガンマ線バースト」です。ひとつの星が数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く、信じられない爆発現象の姿に迫ります。

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