【サイエンス 7days】 第41回 11月7日~11月13日

  • 2016/11/07

    • ニュース

    第41回 11月7日~11月13日
    レントゲンがX線を発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第41回は今日11月7日から11月13日までの一週間をみていきましょう。

    11月7日 フランスの物理学者マリ・キュリーが生まれる(1867年)

    放射線の研究で知られる物理学者マリ・キュリーが、この日、ポーランドに生まれました。キュリーはウランの化合物から放射される光線を研究し、それが原子そのものから放射されていることを突き止めました。これは人類がはじめて発見した放射線で、「放射能(Radioactivity)」という名称も、このときキュリーによってつけられたものです。さらに、夫のピエール・キュリーと共同で、ウラン鉱石からラジウムとポロニウムという別の放射性物質も発見しています。これらの業績によって、マリ・キュリーは1903年にノーベル物理学賞を、1911年にノーベル化学賞をそれぞれ受賞しており、女性としてはじめてノーベル賞を受けただけでなく、物理学賞と化学賞を両方受賞した唯一の人物となりました。キュリーの娘夫妻も放射線の研究者であり、この一家は合計で5回もノーベル賞を受賞しているというから驚きです。

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    11月8日 X線の発見(1895年)

    この日、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・コンラート・レントゲンは、放電実験中に、目に見えない何かが、黒い紙や木片などを透過してシアン化バリウム板を発光させていることを発見し、この未知の放射線を、謎(X)の放射線という意味の「X線」と命名しました。同年の12月28日には、手の骨の透視写真を添えた論文が発表され、それからわずか数ヵ月後には、骨折患者の診断に用いられるようになったそうです。原子構造の解明のきっかけとなったこの歴史的な発見の業績によって、レントゲンは1901年に第1回のノーベル物理学賞を受賞しています。


    レントゲンが論文に載せた最初の透視写真

     

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    11月9日 細菌学者野口英世が生まれる(1876年)

    1000円札の肖像画としておなじみの、細菌学者野口英世が、この日、福島県に生まれました。幼いころの大やけどで動かなくなった左手の指が、15歳で受けた手術によって回復したことに感銘を受け、医学の道を志したというエピソードが有名です。20歳という若さで医師の試験に合格し、23歳からは渡米して海外で研究をはじめた野口は、梅毒の研究などで世界的に名が知られるようになります。そのご、南米やアフリカで黄熱病の治療・研究に尽力し、自身もその病にかかって命を落とすことになったのは51歳ときでした。野口は生涯で約200編の論文を発表していますが、じつは、その成果の中には現在の目から見れば科学的な誤りを含むものも少なくないそうです。ロックフェラー医学研究所という権威ある研究所の花形研究者だった野口の論文は、厳しい査読を受けずに発表されており、そのことが多くの誤りを生んだ原因だったのかもしれません。

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    野口が唱えていた黄熱病の細菌説は間違いで、ウイルスが原因であることが現在では明らかになっています。当時の顕微鏡では見ることができなかったウイルスはどのように発見されたのか。どんな形をしていて、どんな種類があり、どんな働きをしているのか。その全体像をわかりやすく解説します。

    11月10日 営業用原子力発電がはじまる(1965年)

    この日、茨城県東海村の日本原子力発電会社東海発電所は、日本ではじめての営業用発電に成功しました。この発電所の原子炉は、天然ウラン-炭酸ガス冷却型の原子炉で、実用規模の営業用原子力発電炉としてイギリスGE社から輸入されたものです。着工から5年余りをかけて各種のテストを繰り返し、この日ようやく出力5000kWの営業用発電に成功しました。この原子炉は1998年まで運転が続けられましたが、現在は運用が停止され廃炉作業がすすめられています。原子炉や建屋は2025年までに撤去が完了する予定ですが、これにともなって発生する放射性廃棄物は数百年にわたって管理する必要があり、その保管場所などについてはいまだにめどが立っていない状況です。

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    11月11日 ティコ・ブラーエが超新星を発見(1572年)

    この日、デンマークの天文学者・占星術師ティコ・ブラーエが、カシオペヤ座に突然現われた「新星」を発見しました。この星は金星よりも明るく輝いていたと記録されており、いわゆる超新星爆発を起こしていたものと考えられています。なお、ティコが詳細な観測記録を残したことから「ティコの星」と呼ばれていますが、11月6日ごろから他の数名の天文学者もこの星には気づいていたそうです。当時、天空の星空は未来永劫不変であると考えられていたため、この新しい星の登場は大きな驚きをもって迎えられました。1574年3月にこの星は肉眼では見えなくなりましたが、1960年代に大型の望遠鏡によって、超新星爆発の残骸が確認されています。


    最新の望遠鏡でとらえられた「ティコの星」の姿

    (写真:NASA/CXC/Rutgers/J.Warren & J.Hughes et al.)

     

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    11月12日 探査機がはじめて彗星に着陸(2014年)

    この日、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙探査機ロゼッタが着地機フィラエをチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着地させることに成功しました。2004年3月2日に打ち上げられたロゼッタは、10年かけてターゲットの彗星に接近し、着地機フィラエを分離しました。フィラエは予定していた着陸地点を外れてしまったため、発電に必要な太陽光を十分に受けられず、数時間で休眠モードに入ってしまいましたが、その間に彗星表面の写真などを撮影しています。彗星が太陽に近づいた2015年6月13日には、ふたたび通信機能が回復しデータのやり取りが行われましたが、7月9日を最後に通信は途絶えてしまいました。チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星には生物が存在する可能性も考えられていましたが、残念ながら、電池切れで動けなくなったフィラエを助けてくれるような生き物はいなかったようです。


    フィラエがとらえた彗星表面(写真:ESA/Rosetta/Philae/CIVA)

     

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    11月13日 ジープが完成(1940年)

    この日、輸送・連絡・偵察・攻撃用の小型四輪駆動自動車「ジープ」がアメリカのウィリス社によって開発されました。排気量は2200cc、60馬力、重量は980キログラム。最高速度は時速88.5キロメートルで、水深46センチメートルの川を渡ることが可能です。また、登坂能力は、通常の乗用車では tanθ = 0.5~1(勾配にして25~45度)ほどのところ、ジープ型の強力なものでは1.5~1.75もあり、約60度の勾配の坂を登ることができます。ちなみに、ジープという名称は、多目的を意味する general purpose の頭文字GPと、漫画映画『ポパイ』に出てくる犬のJeeeeepという鳴き声にひっかけたものだそうです。意外な由来ですが、それでもちゃんと考えられた名前があっていいなあ、なんて名無しのわたしは思ってしまいました。

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