【サイエンス 7days】 第46回 12月12日~12月18日

  • 2016/12/12

    • ニュース

    第46回 12月12日~12月18日
    ライト兄弟が動力機で初飛行

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第46回は今日12月12日から12月18日までの一週間をみていきましょう。

    12月12日 マルコーニが大西洋横断無線通信に成功(1901年)

    この日、イタリアの電気技術者グリエルモ・マルコーニが、大西洋の両岸に位置するイギリスとカナダのあいだで無線通信の実験に成功しました。発信されたのは、モールス信号で「S」を表す符号「・・・(短点が3つ)」でした。当時、地球の丸みによって相手が水平線の下に隠れてしまうような長距離での無線通信は不可能と考えられており、この実験結果を疑う声もあったそうです。しかし、1920年代になると大気の上層にある電離層が発見され、電磁波がこの層で反射されることで水平線の向こう側まで届いていたことが明らかになりました。マルコーニは無線通信の業績によって、1909年にノーベル物理学賞を受賞しています。

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    ただの1本の金属棒や、1つの箱が、見えない電波を生み出し、捉える。現代社会を支える重要なツールのとてもシンプルな原理と、意外に複雑なはたらきをやさしく解説します。

    12月13日 多胎児の兄弟姉妹順に関する布告(1874年)

    「政府ハ双生児、三ツ子出生ノ場合ハ前産ヲ兄姉ト定ム」という取り決めが、この日、政府から布告されました。先に生まれた方が兄・姉となる、というごく当たり前の内容ですが、地方によってはこの逆にする場合もあったそうです。

    当たり前のことを言われるとよくわからなくなってしまうことが、人間にはよくありますよね。たとえば、次の文章を読んでみてください。

    3人の客が旅館に泊まり、仲居さんに1万円ずつ、合計で3万円の宿代を払いました。帳場にもっていくと、女将が「5000円だけまけてやりましょう」といって、客に5000円返すように言いました。仲居さんは、5000円は3等分できないと勝手に考え、2000円くすねて、客には3000円だけ返しました。
    この結果、客は一人9000円ずつ合計で2万7000円を払い、仲居さんがくすねた2000円を足しても2万9000円にしかなりません。残りの1000円はどこに消えたのでしょうか?

    むむむ。みなさんはこの謎、わかりますか? (答えは下の関連書籍でご覧ください)

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    12月14日 プランクが量子論を発表(1900年)

    この日、ベルリンで行われたドイツ物理学会において物理学者マックス・プランクが、量子仮説を発表しました。量子仮説とは、電磁波を放射・吸収する物質の構成単位(振動子)がもつエネルギーは、振動数νに比例する「エネルギー量子」の整数倍しかとれないというもの。1905年にアインシュタインが光量子(光子)に適用し、1913年にはボーアが「ラザフォードの原子模型」に応用することで、水素の原子構造やスペクトル構造を解明するなど、輝かしい成果を挙げました。エネルギーがとびとびの値しかとれないというのは、それまでの物理学の考え方とは反するものでしたが、この矛盾から量子力学が誕生することになったのです。

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    12月15日 惑星探査機「ベネラ7号」が金星に軟着陸(1970年)

    この日、ソ連の打ち上げた惑星探査機「ベネラ7号(金星7号)」が金星に到達し、人類初の地球以外の惑星への軟着陸に成功しました。ベネラ計画は1961年から始まった金星探査計画で、1983年の「ベネラ16号」まで20年以上にわたってさまざまな宇宙探査機が金星へと送り込まれました。人類ではじめて他の惑星の地表に探査機を送り込み、大気の状態を測定し、地表から地球に向けてデータを送信するなど、宇宙開発における重要なステップがこの計画によって成し遂げられました。「ベネラ7号」は、着陸から23分間にわたって観測データを送信し続け、地球の100倍近い大気圧や、秒速100メートルにも達する大気上層の強風「スーパーローテーション」の存在を明らかにしました。金星の表面温度はなんと500度にも達します。地球のすぐお隣の惑星なのに、こんなに環境が違うというのは驚きですよね。地球人のみなさんにとっては、わたしの故郷の火星のほうがずっとが過ごしやすいと思いますので、お正月の旅行先にはおすすめですよ。

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    『完全図解・宇宙手帳』
    JAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力によってつくられた宇宙開発データブックの決定版。豊富な図解で宇宙開発の技術と基礎知識を解説します。

    12月16日 作家アーサー・C・クラークが生まれる(1901年)

    20世紀を代表するSF作家のひとり、アーサー・C・クラークが、この日、イギリスに生まれました。クラークはロンドン大学キングズ・カレッジで物理・数学を学び、1946年に短編『太陽系最後の日』を執筆。長編デビュー作として有名な『宇宙への序曲』は1951年に出版されました。また、スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』の原案者としても知られています。作家としての活躍に加え、静止衛星による衛星通信のアイデアを考案するなど、科学分野でも業績を残しています。ちなみに、わたしの故郷を舞台にした『火星の砂』が発表されたのが1951年のこと。この小説は現地でも評判になっていた記憶があります。

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    12月17日 ライト兄弟が動力機で初飛行(1903)

    この日、アメリカ・ノースカロライナ州キティホークの海岸で、ライト兄弟が「フライヤー1号」で動力機による人類初飛行に成功しました。まず弟のオービルが搭乗し、時間にして12秒間、距離30メートルを飛び、つづいて兄のウィルバーが59秒間で260メートルの飛行に成功しました。じつはこの3日前の実験でも3秒弱、31メートルを飛んでいましたが、着地に失敗したため、これを成功と認めず、この日に再挑戦したそうです。「フライヤー1号」は、水冷式12馬力のエンジンに、木製のプロペラが2枚、重量は70キログラムで、翼面積は47.39平方メートルでした。ライト兄弟はこの機体にさらに改良を加え、2年後には38分間で距離45キロメートルを飛ぶ本格的な飛行機をつくりあげています。

    1903年12月17日の初飛行のようす。操縦者が弟オービルで、その横にいるのが兄のウィルバー。

     

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    ジャンボジェットも紙ヒコーキも飛ぶ原理は同じ! なぜ飛行機は飛ぶのか、どう操縦しているのか。設計技師になったつもりで紙ヒコーキを扱えば、一見複雑な飛行の原理もシンプルな形で見えてきます。

    12月18日 物理学者J・J・トムソンが生まれる(1856年)

    この日、電子の存在を確認したことで知られるイギリスの物理学者ジョゼフ・ジョン・トムソンが、マンチェスターに生まれました。トムソンは、当時は物質の最小単位と考えられていた「原子」は、さらに小さな粒子に分解できることを突き止めました。電場と磁場によって曲げられる陰極線の正体が、なんらかの粒子だとするならば、それは水素原子よりもはるかに軽い微粒子であると考え、それこそが「電子」であって、原子がより小さな単位に分解できる証拠だと見抜いたのです。また、トムソンは同位体を発見したり、質量分析器の原理を発明したりと、さまざまな業績を残しており、1906年には陰極線の実験に関連して「気体の電気伝導に関する理論および実験的研究」により、ノーベル物理学賞を受賞しています。

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