【サイエンス 7days】 第47回 12月19日~12月25日

  • 2016/12/19

    • ニュース

    第47回 12月19日~12月25日
    人類が初めて月の裏側へ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第47回は今日12月19日から12月25日までの一週間をみていきましょう。

    12月19日 第9次南極越冬隊が南極点に到達(1968年)

    この日、村山雅美(むらやま・まさよし)隊長が率いる第9次越冬隊が、日本人として初めて南極点に到達しました。同年の9月28日に昭和基地を出発した「極点旅行本隊」は、東経40度の子午線にそって約2600キロメートルを南下し、この日の午前5時に南極点へとたどり着きました。この出来事はすぐさま日本にも伝えられ、多数の祝電が昭和基地に送られたそうです。越冬隊の報告書に収められた「越冬日誌」には、帰還後の「ダルマの眼入れ」や「飲んで食べて」の祝賀会の記述もあり、極点旅行の成功に盛り上がる越冬隊の様子がうかがわれます。

    南極で釣り上げられた魚は、一瞬でこんな姿になってしまうそうです。(『低温「ふしぎ現象」小事典』より)

     

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    『低温「ふしぎ現象」小事典』
    凍った魚が蘇る「生体冷凍保存術」。最高の美味を極める「冷凍と解凍の科学」。本当は恐ろしい「低体温症」の話。なぜ低温で「ふしぎ現象」が生じるのか、低温技術で何ができるかを網羅した「温度別」読む事典です。

    12月20日 海底火山の噴火により新島が出現(1973年)

    この年の4月、小笠原諸島北部にある西之島の南東1.8キロメートルの地点で、海底火山が有史以来、初噴火しました。活動は数ヵ月も続き、9月に新島(標高54メートル)が出現。12月のこの日、海上保安庁が「西之島新島」と命名しました。しかし、翌年の6月には面積が西之島の約3倍も大きくなり、やがて地続きになったため、この新島と、もともとの西之島をあわせて「西之島」と呼ぶようになりました。この島の誕生は戦後初の日本国土の自然増として、大きな話題を呼びました。
    2013年には、西之島の南南東500メートルの地点でふたたび噴火が起こり、新たな陸地が出現しました。前回と同様、次第に大きくなった新島は、もともとあった旧島を飲み込んで大きくなり、現在の「西之島」は1973年にできた島の約10倍の面積にまで拡大しています。陸地が誕生するというダイナミックな現象を、リアルタイムで見られるというのは、とても稀なことです。わたしも今後の成長をたのしみに見守っていきたいと思います。

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    『地球を突き動かす超巨大火山』
    2009年、日本から約1500キロメートル東の太平洋の深海底で高さ30キロメートル、面積は日本の国土に匹敵する超巨大火山が見つかった! 驚くべき地球と火山のダイナミズムに迫る一冊です。

    12月21日 世界初のクロスワード・パズル(1913年)

    この日、アメリカのニューヨークで発行されている『ニューヨーク・ワールド』紙の日曜版に、クロスワード・パズルが初めて登場しました。新聞に掲載されたのは、アーサー・ウィンというイギリス人記者が発案したものですが、同様のパズルは19世紀中頃から、欧米の子ども向け雑誌に掲載されていたともいわれています。パズルの歴史は古く、古代エジプトのパピルスにもパズルの問題がみられるそうですが、日本にも江戸時代に人気となった理系パズル「算額」があります。元治二年(1865年)明星輪寺(岐阜県大垣市)に掲げられた下の問題、あなたは解けますか?

    問 菱形の内部に2つの大円と2つの中円、5つの小円が接している。中円と小円の直径の関係を求めよ。

     

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    『算法勝負!「江戸の数学」に挑戦』
    数学の問いを神社仏閣に掲げ、公開の場で算法勝負をする「算額」。大名から庶民まで、身分の上下を超え当時の数学ファンがこぞって熱中オリジナリティ溢れる和算問題の数々。現代人のあなたはどこまで解ける?

    12月22日 ウランの核分裂を発見(1938年)

    ドイツの物理学者オットー・ハーンと、フリッツ・シュトラスマンが、ウラン235に遅い中性子を当てると、バリウムとクリプトンに核分裂することを発見しました。ウラン235の、核子一個あたりの結合エネルギーは、バリウム、クリプトンの結合エネルギーより小さいため、その差が核分裂によって放出されることになります。これは、通常の化学反応での1原子あたりの放出エネルギーの数千万倍にもなる膨大なエネルギーで、原子爆弾の製造へとつながっていくことになりました。

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    『プルトニウム――超ウラン元素の正体』
    優れた核燃料であると同時に、原子爆弾の材料であり、最悪の毒物でもあるこの物質。その生い立ちと素性を解説する一冊です。

    12月23日 昆虫学者ファーブルが生まれる(1823年)

    『昆虫記』などの著作で知られる昆虫学者ジャン・アンリ・ファーブルが、この日、フランス南部のアヴェロン県に生まれました。小さいころから自然に囲まれて育ったファーブルは、中学の理科教師をしながら、数多くの自然科学啓蒙書を発表しており、『昆虫記』は1879年から約30年にわたって全10巻が出版されています。『昆虫記』は科学的な観察記録にくわえ、ファーブル自身の自伝的な内容も含んだ読み物となっており、ノーベル文学賞の候補にもなったのだとか。読みやすく楽しい文章で科学を広く伝えるという活動において、ファーブル先生はわたしたちブルーバックスの大先輩ということになります。偉大な先輩を見習って、みなさんに長く読んでもらえる本をつくっていきたいと思います。

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    『へんな虫はすごい虫』
    数億年という歳月をかけて獲得された昆虫たちの生き残り戦略をご紹介。農業・牧畜、母の愛、はては超能力まで……。彼らの生きざまに注目してください。

    12月24日 人類が初めて月の裏側を肉眼で確認(1968年)

    21日に打ち上げられたアメリカの宇宙船「アポロ8号」が、この日、月の周回軌道に乗り、世界初の月周回に成功しました。「アポロ8号」は、人類を乗せてはじめて地球周回軌道を離脱した宇宙船で、ボーマン、ラヴェル、アンダースの三人の宇宙飛行士は、地球以外の天体まで旅した最初の人となりました。月は常に同じ面を地球に向けているため、その裏側を見た人はそれまで誰もいませんでした。ようやく人類がたどり着いた月の向こう側にはなにがあったのか……。世界中が手に入れようとしているその秘密とは……。知りたい方は、以下の関連書籍をぜひ読んでみてください。

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    『世界はなぜ月をめざすのか』
    アポロ計画終了から40年余。月の探査・開発をめぐる熾烈な競争が、ふたたび水面下で始まっています。世界はなぜ月をめざすのか? その答えが、本書にはあります。

    12月25日 赤痢菌の発見(1897年)

    帝国大学医科大学(現・東大医学部)を卒業し、北里伝染病研究所に入った医学士・志賀潔が、この日、赤痢の病原である赤痢菌の発見を『細菌学雑誌』に発表しました。この年の赤痢病の流行は、全国で患者数が約9万人、そのうち2万人以上が死亡するという凄まじいものでした。志賀潔の名前にちなんで赤痢菌の属名は「Shigella」とされており、これは病原細菌の属名に日本人の名前が使われている唯一の例だそうです。大発見をして歴史に名前を残すというのは、誰もが憧れることですよね。ぜひそんな偉業を達成したいものですが、その発見のまえに、まずはわたし自身の名前を決めてほしいと思う今日この頃です。

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    『いつか罹る病気に備える本』
    人はいつか病気に罹るもの。高血圧、糖尿病、白内障から脳卒中、認知症、心筋梗塞、がん、うつ病まで。よくある病気の基礎知識を身につけて、予防と早期発見に役立てるための一冊です。

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