【サイエンス 7days】 第15回 5月9日~5月15日

  • 2016/05/09

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    【サイエンス 7days】
    第15回 5月9日~5月15日

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第15回 は 今日5月9日から5月15日までの一週間をみていきましょう。

     

    5月9日 ローマ法王がガリレオに謝罪(1983年)

    この日、バチカンでおこなわれていた国際会議において、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が、ガリレオに対する宗教裁判が誤りだったことを公式に認め、謝罪の言葉を述べました。1633年に開かれた第2回異端審問でガリレオに終身刑が言い渡されてから、じつに350年後の出来事でした。この宣言ののち、1992年には、ローマ教皇庁によって宗教裁判の調査委員会が設立され、ガリレオを異端とする判決は取り消されることになりました。さらに2009年には、ガリレオの科学的業績を称えるミサもはじめておこなわれています。科学と宗教はどう折り合いをつけていけばよいのか、いつの時代も難しい問題ですね。

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    『新しい科学論』
    1979年の発行から現在まで、30年以上にわたって読まれ続けている村上陽一郎さんの科学論。科学と対立するもののように思われるキリスト教的な思想風土が、ヨーロッパにおける自然科学の誕生の直接的原因である、という大胆な問題提起によって、人間にとって科学とは何なのかを考えさせる名著です。

     

    5月10日 原子力潜水艦トライトンが初の潜航世界一周(1960年)

    1960年2月15日にニューヨーク沖から潜航を始めたアメリカの原子力潜水艦トライトンは、マゼラン船団の航路をなぞるようにして世界一周を達成し、この日、83日ぶりにアメリカ・デラウェア州沖で浮上しました。この83日9時間54分の連続潜航期間は現在でも破られていない世界記録で、母港に戻るまでに要した84日19時間8分も無寄港無補給航行の最長記録となっています。83日間ものあいだ、海中で閉じ込められて生活するというのは、考えるだけで気が滅入りますよね。実際に、この航海のメンバーには心理学者が含まれており、閉鎖環境下での乗員の観察も目的のひとつでした。その結果、潜水期間が60日を過ぎたあたりから乗組員の士気が低下するということが明らかになったそうです。

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    『海はどうしてできたのか』
    日本が誇る潜水調査船「しんかい6500」に50回以上乗船した著者による、壮大なスケールの地球進化史。原始海洋で起こった想像を絶する数々の大事件から、将来、海が消えるシナリオにまで迫ります。

     

    5月11日 スーパーコンピュータがチェスの世界チャンピオンを破る(1997年)

    IBMのスーパーコンピュータ「RS/6000SP」(通称ディープ・ブルー)が、22歳で13代世界グランド・マスターとなった天才プレイヤー、ガルリ・カスパロフに挑戦。この日、六番勝負の最終局に勝利し、2勝1敗3分で勝ち越しを決めました。コンピュータのプログラムが、チェスの世界チャンピオンを破ったのははじめてのことで、世界中に大きな衝撃を与えました。今年3月には、チェスよりもコンピュータにとって難しいとされていた囲碁でも、googleの人工知能「アルファ碁」が人間の世界チャンピオンに4勝1敗で圧勝しています。解説していたプロ棋士の「アルファ碁は芸術以外の何物でもない」という言葉も印象的でした。

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    『脳・心・人工知能 数理で脳を解き明かす』(5月20日頃発売!
    2045年、人工知能が人間の能力を超える「シンギュラリティ」は、本当に訪れるのか? 数学の理論で脳の仕組みを解き明かせれば、ロボットが心を持つことも可能になるのだろうか? AI研究の基礎となった「数理脳科学」の第一人者が、不思議で魅惑的な脳の世界を語ります。

     

    5月12日 イギリスの看護師ナイチンゲールが生まれる(1820年)

    「近代看護学の母」とも呼ばれるフローレンス・ナイチンゲールが、この日生まれました。ナイチンゲールは、1854年クリミア戦争中に看護師38名を率いて野戦病院で活躍し、「クリミアの天使」と賞賛されました。兵士の死因の多くは直接的な傷よりも病院内の不衛生による感染症にあることを明らかにするなど、統計学によって衛生管理の重要性を知らしめた業績が有名です。ナイチンゲールの誕生日にちなんで、この日は「国際看護師の日」と制定されています。

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    『東日本大震災 石巻災害医療の全記録』
    震災という極限状況を乗り切るために彼は何を行ったのか? 「石巻圏合同救護チーム」を指揮して立ち向かい、地域の医療崩壊を救った一外科医の思考と決断のすべてがこの本に書かれています。東日本大震災の経験から得られた知識や教訓が、熊本地震でも活かされることを心から願っています。

     

    5月13日 日本初の洋式灯台の建設開始(1866年)

    この日、江戸幕府は、アメリカ・イギリス・フランス・オランダの4ヵ国と結んだ江戸条約で、日本の8ヵ所に船舶航行の安全のために灯台を建てることを約束。最初の灯台として、神奈川県三浦半島の観音崎灯台の建設計画がスタートしました。この灯台は1968年11月1日に着工、69年の1月1日に完成・初点灯されました。ちなみに、観音崎灯台は実際にのぼって見学することができるそうです。いまひそかにブームになりつつある灯台、その美しい姿を見に行ってみてはいかがでしょうか。

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    『灯台の光はなぜ遠くまで届くのか 時代を変えたフレネルレンズの軌跡』
    観音崎灯台にも使われているフレネルレンズは、小さな光を効率よく遠くまで届けることができる「奇跡のレンズ」と呼ばれています。オタクで内気だったフレネル青年が信念を貫いて築きあげた19世紀の偉大な業績に迫ります。

     

    5月14日 種痘記念日

    イギリスの医師エドワード・ジェンナーが、種痘(天然痘の予防接種)をはじめておこなったことを記念して、この日は「種痘記念日」に制定されています。ジェンナーは少年時代に弟子入りした診療所で患者から聞いた「痘(牛痘ウイルスを原因とする感染症)に一度かかると天然痘にかからない」という話や、開業医となってから気づいた「乳搾りの女性は牛痘にはかかるが、天然痘にはかからない」という事実をもとに天然痘の研究をおこない、1796年のこの日、8歳の男児に種痘を試みて、その効果を確認したそうです。彼の主張は、当初激しい反対にあいましたが、数年で広く実施されるようになりました。WHOはワクチニアウイルスを用いた種痘を実施し、1980年に天然痘根絶宣言を出しています。これは人類が感染症の撲滅に成功したはじめての例です。

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    『インフルエンザ パンデミック』
    21世紀のパンデミック(世界的大流行)が突如発生、ウイルスは瞬く間に世界に伝播した。はたして新型ウイルスは、人類を脅かす存在なのか。ロベルト・コッホ賞を受賞した世界的権威が、最新の研究成果をもとに、インフルエンザウイルスにまつわるさまざまなミステリーを解き明かします。

     

    5月15日 フランスの物理学者ピエール・キュリーが生まれる(1859年)

    のちに、妻マリ・キュリーとともにノーベル物理学賞を受賞することになる物理学者ピエール・キュリー(~1906)が、この日生まれました。ピエールは、兄ジャック・キュリーと共同で、圧電効果(結晶に圧力をかけると電圧が生じる効果)を発見し、続いて磁性体の磁化率と温度の関係を表す「キュリー-ワイスの法則」、強磁性体が磁性を失う温度「キュリー温度」を発見します。さらに結婚後は妻マリと共同でラジウム、ポロニウムという放射性元素を発見し、ノーベル物理学賞を受賞しました。数々の業績を残したピエールですが、その最期は、混雑した交差点で興奮した馬に倒され、頭部を馬車の車輪にひかれるという悲惨なものでした。妻マリは、ピエールの死に衝撃をうけますが、彼の跡を継いで研究をつづけ、事故から7年後の1911年に、2度目のノーベル賞を受賞することになりました。

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    『物理学天才列伝 下』
    物理学に大きな足跡を残した学者たちの生涯を紹介。下巻では量子力学、原子核物理、素粒子物理、天文学・宇宙論の分野から16人の天才をとりあげます。ピエールとマリの夫妻の業績もしっかり解説されています。

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