【サイエンス 7days】 第25回 7月18日~7月24日

  • 2016/07/18

    • ニュース

    第25回 7月18日~7月24日
    人類が月に立つ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第25回 は 今日7月18日から7月24日までの一週間をみていきましょう。

     

    7月18日 イギリスの自然哲学者ロバート・フックが生まれる(1635年)

    バネの力は伸びた長さに比例する、というフックの法則を発見したことで知られるイギリスの自然哲学者ロバート・フックが、この日イングランド南部のワイト島に生まれました。フックは凸レンズを組み合わせて顕微鏡を制作し、昆虫や植物の詳細な観察記録『ミクログラフィア』を著したことでも有名です。また、コルクを観察した際に見つけた小さな部屋のような構造に「細胞(Cell)」という名前をつけたのもフックなのだとか。そのほか、天文学者や建築家としても多数の業績を残しましたが、その肖像画は不思議なことに一枚も発見されていません。晩年にさまざまな新発見をめぐる論争に首を突っ込み、人々の不興を買ったことが原因とも言われています。



    『ミクログラフィア』に収められた、コルクの「細胞」のスケッチ

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    『新・細胞を読む―「超」顕微鏡で見る生命の姿』
    電子顕微鏡や原子間力顕微鏡など最先端の機器を駆使して細胞たちの素顔に迫ります。貴重な顕微鏡写真が満載の一冊です。

     

    7月19日 ネアンデルタール人の骨が発見される(1856年)

    この日、ドイツ・デュッセルドルフ郊外のネアンデル谷の石灰岩洞窟から、一体の人骨が発見されました。洞窟で石灰岩の採掘をしていた作業員は、これを野生動物のものと考え注意を払いませんでしたが、偶然視察に訪れていた採掘業者の社長がこの骨に興味を持ち、大学へと持ち込んだそうです。発見当初は、現代人の骨が劣化したものではないかとも考えられていましたが、イギリスの地質学者キングが絶滅した旧人類のものであると鑑定し「ホモ・ネアンデルターレンシス」と命名しました。先日この記事で紹介したネアンデルタール人の遺伝子解析に用いられたミトコンドリアDNAも、このとき発見された骨から採取されたものです。骨が最初に発見された洞窟は石灰岩の採掘のために破壊されてしまい、その正確な場所はながらく不明となっていました。しかし、1997年と2000年に行われた調査で、1856年に見つかった人骨とぴったりと接合する新たな骨片が発掘され、約150年ぶりに世紀の発見がなされた現場がようやく特定されることになりました。

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    『ぼくたちはなぜぼくたちだけなのだろう』
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    7月20日 人類月に立つ(1969年)

    宇宙船「アポロ11号」の月着陸船「イーグル」が、米国時間の午後4時17分40秒、月面に着陸。人類史上はじめて、地球以外の天体に人間が足跡を記しました。左足から月面に降り立ったアームストロング船長は衛星生中継を通して「これは人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍である」と地球にメッセージを送りました。月面での作業は2時間31分30秒で、岩石採集、地震計・レーザー光反射装置・太陽風測定装置の設置など、予定されていた任務をすべて成功させ、21日午後1時55分に逆噴射ロケットを作動させ着陸船は月面を離れました。この着陸から半世紀近い時間が経った現在も、月は人類が到達した地球以外の唯一の天体です。次の目標である火星にはいつごろたどり着けるのでしょうか。わたしの故郷をみなさんが訪れてくれる日が楽しみです。

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    『世界はなぜ月をめざすのか』
    30年後には月面基地が完成する!? いま、アメリカ、中国、ロシアなどを中心に、月の探査・開発をめぐって激しい競争が水面下で始まっています。

     

    7月21日 最低気温の世界記録(1983年)

    この日、南極のボストーク基地において、観測史上最低となるマイナス89.2度が記録されました。ボストーク基地はソ連によって設営された観測基地で、南極点より約1730キロメートル離れた場所にあります。年間の平均気温はマイナス50度以下で、観測が始まって以降、一度も0度を上回ったことはありません。まさに極限の環境です。また、基地の真下、約4キロメールの厚さの氷の下には、面積が琵琶湖の20倍もある巨大なボストーク湖が存在していると考えられています。しかも、この湖には水が液体の状態で溜まっているというのです。なぜ極寒の地に凍らない湖が存在しているのか? その秘密水の不思議な「凝固点」と「圧力」の不思議な関係にあります。詳しくはオススメ関連書籍をどうぞ。

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    『水とはなにか』
    水素と酸素からなる最も簡単な化合物――しかし、見かけは単純でも水は常識を超えた多様な性質を持つ、きわめて特別な存在なのです。

     

    7月22日 マリナー1号の打ち上げ失敗(1962年)

    アメリカ初の惑星探査機マリナー1号が、この日フロリダのケープカナベラル空軍基地で打ち上げられました。しかし、離陸直後から誘導システムに不具合が発生。制御不能となったロケットは、打ち上げからわずか294.5秒後に安全のために爆破されることになりました。調査によって明らかになった不具合の原因は、制御プログラムに含まれる数式から平均値を取ることを意味する「  ‾(オーバーライン)」が抜け落ちていたことだったそうです。しかし、NASAは惑星探査をあきらめませんでした。この失敗から約1ヵ月後の8月27日、マリナー1号の予備として制作されていたマリナー2号が打ち上げられ、金星に3万4827キロメートルの地点まで接近し、その表面を観察することに成功したのです。これは人類史上初となる惑星探査成功の快挙でした。日本のX線天文衛星「ひとみ」でも残念な事故が起こってしまいましたが、これを乗り越えて次の大きな成功をつかんでほしいと願っています。

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    『完全図解・宇宙手帳』
    世界の宇宙開発の歴史を完全網羅。もちろん、日本の金星探査機「あかつき」「イカロス」も詳しく解説しています。

     

    7月23日 エネルギー保存則の発表(1847年)

    ドイツの物理学者ヘルムホルツが、ベルリンの物理学会で「力の保存について」と題された論文を発表。エネルギーが物体から物体へ移動し、形態が変わっても、その総量は変化しないという「エネルギー保存則」を初めて示しました。この考え方は、のちに熱力学の第1法則へと発展し、他の科学分野にも拡張され、あらゆる自然現象を支配する根本法則のひとつとして認識されるようになっていきます。しかし、この絶対的な法則と思われた「エネルギー保存則」にも危機が訪れます。19世紀末、放射線が発見されたときです。なにも変化していないように見える原子から、エネルギーをもった放射線が絶えず飛び出し続けることは、科学者たちを大いに驚かせ困惑させました。あのニールス・ボーアもエネルギー保存則を捨てようとしたほどだったそうです。はたしてエネルギー保存則はどうなってしまうのか? その結末は関連書籍からどうぞ。

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    『エネルギーとはなにか』
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    7月24日 空中都市マチュ・ピチュが発見される(1911年)

    この日、アメリカの探検家ハイラム・ビンガムが、ペルーのアンデス山麓を探検中に、山の上に広がる遺跡「マチュ・ピチュ」を発見しました。マチュ・ピチュはインカ帝国の遺跡で、スペイン人による征服により15世紀に滅亡したと考えられています。何の目的で作られたのかは、はっきりとはわかっていませんが、夏至や冬至を知るために並べられた窓や、日時計と思われる柱が残されていることから、太陽の観測がここで行われていたと考えられています。マチュ・ピチュはその驚くほど正確な石積みの技術でも知られており、また「建物に使われている10トンほどもある巨石を、どのように山の上まで運んだのか」という“謎”があるなど、現在でも興味深い研究対象となっています。

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    『古代世界の超技術』
    最新の観測装置と0.0002日の誤差しかない超精密な「マヤの天文学」、カミソリの刃さえ通さない「インカの石組み術」など驚異の技術を紹介。マチュ・ピチュの巨石の“謎”も本書を読めばすっきり解消できます。

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