【サイエンス 7days】 第26回 7月25日~7月31日

  • 2016/07/25

    • ニュース

    第26回 7月25日~7月31日
    世界初の体外受精児が誕生

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第26回 は 今日7月25日から7月31日までの一週間をみていきましょう。

     

    7月25日 世界初の体外受精児が誕生(1978年)

    この日、イギリスのオールダム総合病院で、ブラウン夫妻の間に世界初の体外受精による女の赤ちゃんが誕生しました。妻の卵巣から採り出した卵子と、夫の精子を体外で受精させて妻の子宮に着床させたもので、この成功は、倫理の問題とからんで、賛否両論を巻き起こしました。また、同年10月には、インドのカルカッタで、体外受精させた受精卵を53日間冷凍保存したのちに、解凍して母体の子宮に戻し、女児が生まれたというニュースが伝えられ、世界を驚かせました。ちなみに、日本初の体外受精児は、この5年後の1983年、東北大学医学部で誕生しました。

    オススメ関連書籍はこちら
    『不妊治療を考えたら読む本』
    日本は体外受精の実施件数は世界一で、出産率は世界最下位。その理由はどこにあるのか? 第一線の専門医と出産ジャーナリストが不妊治療の疑問に答える一冊です。

     

    7月26日 スイスの精神病理学者ユングが生まれる(1875年)

    フロイトと並ぶ心理学の巨人、カール・グスタフ・ユングが、この日スイスのケスヴィルで生まれました。ユングは、動物とは違う、人間固有の「たましい」を明らかにしようとする「分析心理学」の創始者として知られています。個人的無意識よりも深い層にあり、人類が共通に持っているとされる「集合的無意識」や、その中にある認識や行動のパターンとしての「元型」など、心理学で使われる概念を多数提唱しました。また、人の性格を「内向型」と「外交型」とに分ける分類をはじめて考えたのもユングだと言われています。半世紀以上ずっと黙って本の背表紙に立っていたわたしは「内向型」と思われがちですが、自分としては「外交型」だと思っています。火星からわざわざみなさんに会うために地球までやってきたんですから。

    オススメ関連書籍はこちら
    『マンガ ユング心理学入門』
    「分析心理学」の全体像をつかむのに最適! 広範囲に活躍したユングという人物についてコンパクトにまとめた一冊です。

     

    7月27日 インシュリンの抽出に成功(1921年)

    カナダのトロント大学医学部の生理学者バンティングが、助手のベストと共に、膵臓から分泌されるホルモン、インシュリンを世界で初めて分離・抽出しました。翌年には、臨床実験によって血糖値を下げる作用も実証しています。インシュリンという名前はラテン語で「島から採れた物質」を意味しているそうです。この「島」とは膵臓のなかに島のような形で散在する細胞群・ランゲルハルス島のことです。

    オススメ関連書籍はこちら
    『図解・内臓の進化』
    わたしたちの体の大部分を占め、生きていくのに必要不可欠な内臓。それらはどんな働きをしていて、なぜこのような形をしているのか。膨大な数の解剖・観察を経験してきた著者が豊富で詳細な図版から内臓の思想と戦略を読み解きます。

     

    7月28日 中国河北省の唐山で大地震が発生(1976年)

    北京の南東約140キロメートルに位置する工業都市唐山において、現地時間の午前3時42分にマグニチュード7.8の大地震が発生。死者約24万人、負傷者80万人という空前の被害がもたらされました。地震の中心部であった唐山市は当時の人口約100万人のうち15万人近くが亡くなり、全建物の94%が倒壊するという壊滅的な打撃を受けました。しかし、中国全土から集められた専門家によって、復旧・復興の計画が立てられ、被害を受けやすい従来の密集型の大都市からの脱却をはかることにより、現在では環渤海経済圏の中心的な都市の一つに成長しています。

    オススメ関連書籍はこちら
    『図解・プレートテクトニクス入門』
    地球表面の岩石圏に見られるさまざまな構造や変動を解き明かす「プレートテクトニクス」。地震はもちろん、火山ができるしくみから、高い山ができるしくみ、深い海底ができるしくみまで、地球のからくりが見えてきます。

     

    7月29日 パスカルが「賭け金」についての手紙を出す(1667年)

    この日、フランスの哲学者パスカルが、数学者のフェルマーに次のような問いを書いた手紙を出しました。「2人が同じ金額を出しあって、先に3勝したほうが、掛け金を全額もらえるという賭けをしたが、一方が2勝1敗したところで、やむをえず勝負を中止することになった。このとき掛け金はどう配分するべきか?」この問題は、パスカルが友人シュバリエ・ド・メレから相談されたもので、パスカルは数学者であるフェルマーに答えを求めたのですが、この手紙をきっかけにパスカルとフェルマーのあいだで往復書簡が始まり、現代の確率論につながる議論へと発展していったそうです。もし、あなたがこの問題を聞かれたらどう答えるでしょうか? 詳しい解説は下記の『世の中の真実がわかる「確率」入門』からどうぞ。

    オススメ関連書籍はこちら
    『世の中の真実がわかる「確率」入門』
    賭け事からはじまった確率論の歴史から、ベイズの定理まで、直感を裏切る「確率」の世界を数学の正しい考え方で読み解いていきます。

     

    7月30日 世界初のカラー映画が公開される(1928年)

    この日、アメリカの発明家ジョージ・イーストマンが世界初のカラー映画を、科学者や発明家を家に招いて公開しました。イーストマンはカメラフィルムのメーカとして現在も続くイーストマン・コダック社の創業者で、ロールフィルムや携帯用箱型カメラの発明者として知られています。なお、このカラー映画の発表会には活動写真を発明したトーマス・エジソンも招かれていたそうです。 やはり映像はモノクロよりもカラーの方が断然いいですよね。最近は火星の様子もカラーで見られるようになり、みなさんにわたしの美しい故郷の岩肌を見ていただけることを誇らしく思っています。

    オススメ関連書籍はこちら
    『図解・カメラの歴史』
    紀元前には既に存在していたカメラの原型「カメラ・オブスクラ」から、最新のデジタル写真まで、その歴史をひもときます。ちなみに、デジタルカメラを発明したのも、イーストマン・コダック社なのだそうです。

     

    7月31日 遺伝子組み換えに成功(1972年)

    アメリカ・スタンフォード大学の分子生物学者バーグらのグループが、猿のがんウイルスを用いた、遺伝子の組み換え実験に成功。この日、実験についてまとめた論文が投稿されました。異種の遺伝子を細菌に組み込み、新たな組み換え遺伝子によって決まるタンパク質を、その細菌に生産させる「遺伝子工学」のはじまりです。バーグは、遺伝子工学の創始者ですが、その技術のもたらす、生物の健康への影響について初期から警鐘を鳴らした人物でもあり、遺伝子組み換えの実験には十分な安全を確保するよう勧告しました。

    オススメ関連書籍はこちら
    『遺伝子時代の基礎知識』
    遺伝子組み換え作物、出生前診断などの遺伝子解析、そしてクローン技術や再生医療について、遺伝子工学がわたしたちにもたらす恩恵とその課題について、わかりやすくまとめた一冊です。

新着情報一覧

ページTOPへ