【サイエンス 7days】 第27回 8月1日~8月7日

  • 2016/08/01

    • ニュース

    第27回 8月1日~8月7日
    陽電子の発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第27回 は 今日8月1日から8月7日までの一週間をみていきましょう。

     

    8月1日 ジョセフ・プリーストリーが酸素を発見(1774年)

    この日、イギリスの宗教家・化学者のジョセフ・プリーストリーが酸素の単離に成功しました。プリーストリーは、酸化した水銀にレンズで集光した太陽光を当てることで得られる気体について、その中でろうそくの炎がよく燃えることや、ネズミが呼吸できることなどを確認しました。当時、燃焼とはフロギストンと呼ばれるものを発生させる現象と考えられており、プリーストリーはこの気体はフロギストンをまったく含んでいない「脱フロギストン空気」であると考えました。これが歴史上初めての酸素の発見だったのです。なお、プリーストリーはこの気体の性質を調べるために、自分自身でもこの気体を吸って「いい空気」であることを確認したのだとか。得体のしれないものを自分の体を使って実験するなんて、むかしのひとって大胆だったんですねえ。

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    『活性酸素の話』
    美容や健康と関連してたびたび話題となる活性酸素。その化学的性質や作用について科学的に解説します。はたして活性酸素は「いい空気」? それとも「わるい空気」?

     

    8月2日 陽電子の発見(1932年)

    アメリカの物理学者アンダーソンが、宇宙線の飛跡を霧箱で観測中に、正電荷を帯びた粒子を発見しました。これはポール・ディラックによって仮説が提唱されていた、電子の反粒子(=陽電子)の発見であり、この観測によって反物質が実際に存在していることが初めて確かめられました。ちなみに、アンダーソンは陽電子(ポジトロン)という名前にあわせて、電子(エレクトロン)の名称をネガトロン(直訳すると陰電子?)に変更する運動を起こしたそうですが、こちらは失敗におわっています。

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    『消えた反物質』
    ビッグバンの直後には対等に存在していたとされる粒子と反粒子。いったいなぜ現在の宇宙は、反粒子が構成する反物質ではなく、粒子が構成する物質だけでできているのか? ノーベル賞物理学者の小林誠先生がわかりやすく解説します。

     

    8月3日 電子卓上計算機「カシオミニ」発売(1972年)

    世界初のパーソナル電卓として知られる「カシオミニ」が、この日カシオ電機から発売されました。「カシオミニ」は6桁の表示が可能なハンディ電卓で、サイズは従来の製品の四分の一、価格は三分の一以下の1万2800円。発売後10ヵ月で、100万台を売り上げる大ヒット商品となりました。またこの電卓で採用された、CPU(中央処理装置)とROM(読み出し専用メモリ)、RAM(読み出し・書き込み可能メモリ)を組み合わせたLSIのハードウェアは固定化し、ソフトウェアだけで電卓を開発するというアイデアは、現在のプログラミング可能なパソコンへと発展していくことになりました。

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    『動かしながら理解するCPUの仕組み』
    パソコンの中心にあるCPUはどのように動いているのか。シミュレータソフトで確認し、楽しみながらその仕組みが理解できる一冊です。

     

    8月4日 日本で初めての「ビヤホール」がオープン(1899年)

    この日、日本麦酒醸造株式会社(現在のサッポロビール)が「恵比寿ビヤホール」を銀座八丁目に開店。これが日本で初めての「ビヤホール」と銘打ったレストランでした。この日の新聞に掲載された宣伝には「常に新鮮なる樽ビールを氷室に貯蔵いたし置最も高尚優美に一杯売仕候間大方の諸彦賑々敷御光来恵比寿ビールの真味を御賞玩あらんことを願ふ」とあり、半リットル10銭でビールを飲むことができたそうです。恵比寿ビヤホールは、開店後すぐに評判となり1日に1000リットル以上のビールが提供されたのだとか。これからの季節、ビールがおいしい季節ですが、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を。

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    『ビールの科学』
    読めばもっとビールが飲みたく話が満載! 「勘と経験」に「最新の科学技術」を融合して、世界に類を見ないほどの発展を遂げた日本のビール造りの秘密に迫ります!

     

    8月5日 日本初のタクシー会社が開業(1912年)

    東京・数寄屋橋の「タクシー自働車株式会社」が、6台の「T型フォード」で営業を開始しました。開業時からすでにタクシーメーターが採用されており、料金は最初の1マイル(約1.6km)が60銭で、そこから半マイルごとに10銭というものでした。山手線の一区間の乗車料金が5銭だったことと比べると、当時としてはかなり高価な乗り物だったようです。ちなみに、アメリカの自動車王フォードが、大量生産方式を本格化するために、生産車種を「T型フォード」に限定すると発表したのも、3年前のこの日でした。

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    『図解・燃料電池自動車のメカニズム』
    近年、急速に発展しつつある自動車の新技術。「自動運転」も視野に入れた、エンジンを持たない自動車のテクノロジーを徹底的に解説します。

     

    8月6日 広島に初の原子爆弾投下(1945年)

    午前8時15分、上空9600メートルから、アメリカの爆撃機B29「エノラ・ゲイ号」が、ウラン型原子爆弾「リトルボーイ」を投下。爆弾の威力はTNT火薬20キロトンに相当し、犠牲者の数は約14万人といわれています。爆風や熱線による被害にくわえて、原子爆弾に特有の、放射線被曝による後遺症に多くの人が苦しめられることになりました。また3日後の8月9日には長崎が、プルトニウム型原子爆弾の犠牲になりました。

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    『原子爆弾』
    輝かしい近代ノーベル賞の歴史は、原爆開発の歴史と深くつながっていた!? 科学と戦争、科学者と社会のかかわりについて考えながら読んでほしい一冊です。

     

    8月7日 日本人3名が宇宙飛行士に選ばれる(1985年)

    この日、スペースシャトルに搭乗する科学技術者の候補者が、全国533人の応募者の中から、北大工学部助教授の毛利衛さん、慶応大学医学部助手の内藤千秋さん、NASA研究員の土井隆雄さんに決定しました(所属・役職は当時のもの)。この3名のなかで最も早くスペースシャトルに搭乗することになった毛利さんは、1992年9月12日にエンデバー号で宇宙へと飛び立ちました。なお、日本人で最初に宇宙へ行ったのはジャーナリストの秋山豊寛さんで、1990年にソ連の宇宙船ソユーズに乗り、宇宙ステーションミールに1週間滞在しています。これは商業契約による世界初の宇宙飛行でもありました。NASAは2030年代を目標に有人火星探査の計画を進めているそうですが、ぜひその際には日本の宇宙飛行士もわたしの故郷を訪れてくれることを期待しています。

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    『国際宇宙ステーションとはなにか』
    人類初の巨大な宇宙実験施設「国際宇宙ステーション(ISS)」。日本人で初めて長期滞在した若田宇宙飛行士がそのすべてを自ら語ります。

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