【サイエンス 7days】 第30回 8月22日~8月28日

  • 2016/08/22

    • ニュース

    第30回 8月22日~8月28日
    四色問題の証明が発表される

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第30回は今日8月22日から8月28日までの一週間をみていきましょう。

    8月22日 伊藤清博士がガウス賞を受賞(2006年)

    この日、マドリードで行われた国際数学者会議において、数学者の伊藤清博士が第1回ガウス賞を受賞しました。ガウス賞は国際数学連合(IMU)とドイツ数学者連合が創設した賞で、数学の応用的な研究に対して授与されるものです。伊藤博士は、金融工学の分野で有名な「ブラック-ショールズ方程式」にも応用されている確率微分方程式の基礎を築きました。博士が考案した『伊藤の補題』は「ピタゴラスの定理以外で、これほどよく知られ広く応用されている数学の成果は思いつかない」と言われるほど重要なものなんだとか。どうやらわたしたちも知らず知らずのうちに、この数学の恩恵を受けているみたいです。

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    『確率・統計でわかる「金融リスク」のからくり』
    金融と数学はどのように関連しているのか。「数学が苦手な人ほどカモにされる」投資の世界をわかりやすく解説します。

    8月23日 物理学者のレイノルズが生まれる(1842年)

    流体力学の研究で知られる物理学者オズボーン・レイノルズが、この日、アイルランド北部のベルファストで生まれました。レイノルズは、若いころは造船所や下水道の土木技師見習いとして働いていましたが、のちに大学で数学を学び、イギリスで最初の工学教授となりました。流体の慣性力と粘性力の比を表す「レイノルズ数」など流体力学での業績で有名ですが、その他にも、河口の潮汐作用や、コンデンサーの開発など実用的な研究で幅広く業績を残しました。

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    『高校数学でわかる流体力学』
    ニュートン力学の極致、理系好きにとってあこがれの流体力学をやさしく解説! この本でレイノルズ数もばっちり理解できます。

    8月24日 OSソフト「Windows 95」発売(1995年)

    この日、マイクロソフト社が「Windows 95」を発売。マルチウィンドウシステムの採用や、ネットワーク機能を強化したことなどが好評を博し、世界中で爆発的に普及しました。日本語版の発売は同年の11月23日でしたが、秋葉原では午前0時から販売を開始する店が多く、深夜にもかかわらず販売店に長い行列ができたそうです。ブルーバックスでもこの翌年、「Windows95」の入門書が2冊刊行されていますが、その中身を見てみると……「一度に複数のファイルを選択するには」「LANとは何か」「自宅から会社のコンピュータを利用できるか」など、いま読んでも役に立ちそうな内容ばかりで驚かされます。

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    『SNSって面白いの? 何が便利で、何が怖いのか』
    Windows95が発売された20年前には影も形もなかったFacebookやtwitter。この新しいツールとどうつきあっていけばよいのか、SNS未経験者のために、経緯、しくみ、メリット、リスクなどを紹介します。

    8月25日 鉄砲伝来(1543年)

    江戸時代の初期に書かれた『鉄炮記』には、この日、8月25日に種子島に鉄砲が伝わったことが記録されています。種子島に漂着したポルトガル人が持っていたマラッカ型火縄長銃(種子島銃)を領主が買い取り、家臣にその製法を研究させたそうです。1553年頃までには、その製法が各地に伝えられ鉄砲鍛冶も誕生しています。最大射程は約700メートル。本格的な使用は、1575年の「長篠の戦い」で、織田信長が3000挺の火縄銃によって、甲州武田氏の騎馬隊を殲滅したことが始まりとされています。

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    『火薬のはなし』
    火縄銃に使われた黒色火薬と最新の高性能爆薬はどこが違うのか。化学的な原理から、工学的な応用まで、火薬のすべてをわかりやすく解説します。

    8月26日 日本初のCTスキャナ導入(1975年)

    この日、東京女子医大に日本初のX線コンピュータ断層撮影装置(CTスキャナ)が導入されました。この装置は、多方向からX線を照射し、その透過データから、人体の断面をコンピュータで画像化するものでした。CTスキャナの原理は、イギリスのハウンズフィールドと南アフリカ共和国のコーマックが、1972年に個別に開発したもので、二人は1979年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。現在は、X線の他に、放射性核種や超音波、核磁気共鳴(NMR)を用いた方法も開発され、医療現場で役立てられています。いつも正面しかみなさんにお見せしていないわたしですが、断層撮影されたらどんなふうに見えるのでしょうか……。

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    『逆問題の考え方』
    水面に石を投げ入れて、その石の質量や形状、速度などの情報から水面に生じる波紋の様子を予測するのが「順問題」。逆に、水面に生じた波紋のデータから投げ入れた石の質量や形状、速度を割り出す問題が「逆問題」です。CTスキャナにも、じつはこの逆問題が使われています。

    8月27日 初の国勢調査の結果発表(1921年)

    この日、前年に行われた第1回国勢調査の結果が政府から発表されました。国勢調査は、性別・年齢・職業など国内の人口・世帯の実態を把握するための全数調査で、10年ごとに本調査が、中間の5年目に簡易調査が実施されます。1920年の最初の国勢調査によって判明した日本の人口は5596万3053人でした。それから年々人口は増え続け、2010年の国勢調査では約1億2805万人に達しましたが、2015年には調査開始以来、初めて減少に転じ、約1億2711万人となりました。なお、総務省の推計によれば人口がピークに達したのは2008年12月で1億2809万9千人だったそうです。

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    『やさしい統計入門』
    視聴率はどこまで信頼できるの? テスト成績の偏差値はどうやって計算するの? など、具体的な実例で統計の考え方が理解できます。

    8月28日 四色問題の解決が発表される(1976年)

    カナダのトロントで開催されていたアメリカ数学会の年会において、ハーケンが四色問題の解決を発表しました。四色問題とは「平面上のどんな地図も四色あれば塗り分けられる」というものです(正確な定義は関連書籍を参照ください)。一見簡単そうに思えるこの問題ですが、百年以上にわたって数学者を悩ませ、最終的にはコンピュータの計算によって証明が成されたといういわくつきの難問だったのです。ちなみにハーケンは、講演を申し込んだ際には『四色問題の困難性』というタイトルをつけていましたが、学会の直前に証明が完成し、急遽『四色問題の解決』と変更したそうです。

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    『四色問題』
    「数学的証明」の意味を変えたとも言われる四色問題。それはどんな点が新しく、現在の数学に何をもたらしたのか? やさしく解説します。

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