【サイエンス 7days】 第33回 9月12日~9月18日

  • 2016/09/12

    • ニュース

    第33回 9月12日~9月18日
    日本初のコンピュータウイルス

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第33回は今日9月12日から9月18日までの一週間をみていきましょう。

    9月12日 ラスコー洞窟の壁画が発見される(1940年)

    フランス南西部モンティニャック村で遊んでいた子供たちが、この日、偶然ラスコー洞窟の入り口を発見しました。この洞窟の内部にはさまざまな動物の絵が描かれており、これがじつは旧石器時代のクロマニョン人によるものだったのです。1万5000年も前に描かれた絵がほぼ完全な状態で残っていたという、この世紀の発見は、またたくまに世間に知れ渡り、多数の観光客がこの洞窟に押し寄せましたが、それによって壁画は大きなダメージを受けることになってしまいました。人間の吐く息や、持ち込まれた微生物が洞窟の生態系を壊し、それまで奇跡的に保存されてき壁画に藻類が繁殖したり、炭酸カルシウムが絵の表面に析出するなどの変化が起こったのです。1963年にラスコー洞窟は閉鎖され、現在は精巧に作られた洞窟壁画のレプリカを見学することしかできません。この壁画の発見と破壊の過程は、美術保護のあり方にも大きな影響を残した事件でした。

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    『芸術脳の科学』
    洞窟壁画は人類最古の芸術作品とされていますが、このような芸術性をヒトはどのように獲得したのでしょうか? 脳科学者であり、芸術家でもある著者が、創造する脳の秘密に迫ります。

    9月13日 日本初のコンピュータウイルスが報告される(1988年)

    この日、NECが運営するパソコン通信サービス「PC-VAN」に、他人のパスワードを盗むウイルスが侵入したことが報告されました。ウイルスはこの通信サービスを経由して送られたメールに添付されており、不用意にファイルを開くと感染し、パスワードを公開の掲示板に書き込んでしまうというものだったそうです。ちなみに、世界初のコンピュータウイルスは、1986年にパキスタンのソフトウェア制作会社ブレインコンピュータサービスが作ったものだと言われています。彼らは自分たちの製品に、不正コピーや海賊版を防ぐ目的で警告メッセージを表示するプログラムを組み込みましたが、そのプログラムが第三者の手で悪意のあるウイルスへと改変されたそうです。

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    『セキュリティはなぜ破られるのか』
    1日に数万種の新種・亜種が誕生していると言われるコンピュータウイルス。現代人の必須知識となったITセキュリティについて、小手先のテクニックではない、根本的なリスクの捉え方や心構えが身につく一冊です。

    9月14日 虫歯の原因を発表(1683年)

    オランダの博物学者レーウェンフックが、歯の間に寄生する微生物を倍率300倍ほどの顕微鏡で発見し、虫歯の原因であるとして学会に報告しました。彼は、自らが製作した高倍率の顕微鏡を用いて微生物や精子を発見するなどの業績を残しており「微生物学の父」とも呼ばれています。ちなみに、彼と同じ年に同じ町で生まれた人物に画家のフェルメールがおり、その代表作『天文学者』『地理学者』に描かれた人物はレーウェンフックがモデルなのではないかとも言われているそうです。

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    『新・細胞を読む 「超」顕微鏡で見る生命の姿』
    レーウェンフックの時代から300年。顕微鏡はここまで進化した! 電子顕微鏡や原子間力顕微鏡など最先端の機器を駆使し、極微の世界を探検する一冊です。

    9月15日 リーマン・ショックが起こる(2008年)

    この日、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻し、これが引き金となって世界的な金融危機が引き起こされました。破綻の原因は、いわゆる「サブプライムローン」と呼ばれる低所得者層向け住宅ローンが不良債権化したことで、その負債総額は約60兆円に及ぶ史上最大のものでした。このリーマン・ショックをきっかけにしてアメリカのみならずヨーロッパや日本を含む全世界で株式相場が下落し、戦後最大の不況に見舞われることになったのです。

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    『経済数学の直観的方法 マクロ経済学編』(9月14日頃発売)
    現代経済学で用いられる難解な数学はどう理解すればよいのか。理系学生にとって伝説の参考書『物理数学の直観的方法』の著者による、画期的な経済数学の入門書の登場です。

    9月16日 生化学者セント・ジェルジが生まれる(1893年)

    ビタミンCの発見者として知られる生化学者アルバート・セント・ジェルジが、この日、ハンガリーのブダペストに生まれました。ブダペスト大などで医学・生理学を学んだジェルジは、1932年にビタミンCを発見し、これによってノーベル生理学医学賞を受賞しました。また1937年には止血作用を持つビタミンPを発見(ただし、ビタミンPは数種類の物質の混合物であることが後に判明し、現在「ビタミン様物質」と呼ばれています)。さらに、筋肉の収縮のしくみを解明するなど、生理学の分野で多数の業績をあげました。

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    『栄養学を拓いた巨人たち』
    生体活動のエネルギー源は何か? なぜビタミンが必要なのか? 栄養学が確立されるまでの、先人たちの苦闘をご紹介します。

    9月17日 ドイツの数学者リーマンが生まれる(1826年)

    リーマン幾何学やリーマン面などに名を残す数学者ベルンハルト・リーマンが、この日、ハノーファー王国(現在のドイツ北部)に生まれました。リーマンは関数論、整数論、数理物理学など幅広い分野で業績を残していますが、なんといっても有名なのは素数の分布に関する「リーマン予想」ではないでしょうか。7題あるミレニアム懸賞問題の一つで、この問題が解決されれば「すべての素数を完全に知る」ことができるのだそうです。見事この問題を解いた人には100万ドルの懸賞金が授与されることになっていますので、腕に覚えのある数学好きの方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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    『リーマン予想とはなにか』
    1859年の論文で提唱され、いまだに解かれていない難問「リーマン予想」。それはどんな内容で、なぜ生まれたのか、詳しく知りたい人にぴったりの一冊です。

    9月18日 京都で国際理論物理学会議が開催される(1953年)

    この日、京都大学基礎物理学研究所において、「理論物理学に関する国際会議」が開催されました。基礎物理学研究所は、同大の湯川秀樹博士が日本人として初めてノーベル物理学賞を受賞したことを記念して創設されたもので、この会議が日本における戦後初の国際会議でした。出席者はあのファインマンや、原子核物理の対称性原理を発見したウィグナー、半導体と超伝導体の研究で二度のノーベル賞に輝いたバーディーンなど錚々たる顔触れで、日本の研究者と海外の研究者の交流を促進する大きなきっかけとなったそうです。当時、外国で研究をするということはとても珍しかったそうですが、現在ではブルーバックスをお書きくださっている著者のなかにも海外で生活されている先生が何人もいらっしゃいます。通信手段の発達も含めて、研究の環境は大きく変わっているんですねえ。

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    『量子力学の世界』
    湯川秀樹博士が序文を寄せてくださった、1967年初版発行のブルーバックスの名著。量子力学が開く新しい世界を、はじめて学ぶ人のためにわかりやすく解説します。

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