【サイエンス 7days】 第34回 9月19日~9月25日

  • 2016/09/19

    • ニュース

    第34回 9月19日~9月25日
    天文学者ガレが海王星を発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第34回は今日9月19日から9月26日までの一週間をみていきましょう。

    9月19日 大気圧の存在が証明される(1648年)

    この日、フランスの哲学者パスカルは、「トリチェリの真空」を利用して大気圧の存在を実証しました。トリチェリの真空とは、水銀を溜めたボウルの中に、片方の端が閉じたガラス管を浸し、その管を立てていくとできる空間(下図)のことです。このときの水銀柱の高さは、平地で約76センチメートルになりますが、パスカルはこの現象を「水銀柱は、ボウルに溜められた水銀の表面よりも上にある、空気の重さによって押し上げられた」と考えました。つまり水銀の表面よりも上にある空気が少なければ、そのぶん水銀柱の高さは低くなるはずです。当時病気を患っていたパスカルは、義兄のペリエに実験を依頼し、南フランスにある標高約1500メートルのピュイ・ド・ドーム山頂で、予想通り水銀柱が低くなることを確認しました。


    トリチェリの真空

     

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    『子どもにウケる科学手品77』
    水の入ったコップが逆さまに!? じつは、これも大気圧のおかげなんです。

     


    (『子どもにウケる科学手品77』より)

     

    9月20日 日本初の国産ロケットによる高層観測(1957年)

    日本初となる本格的な観測用ロケット「カッパー4C型」1号機が、この日、東京大学生産技術研究所秋田ロケット実験場から打ち上げられました。ブースターを含めた全長は5.93メートル、重さは378キログラムで、高度4万5000メートルに達し、宇宙線ガイガーカウンターで宇宙線を観測しました。ちなみに日本で最初の国産ロケットは、1955年に打ち上げられた、わずか22センチメートルのペンシルロケットでした。それからたった2年間で、科学的な観測が可能なロケットを打ち上げてしまうなんて驚きです。

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    種類や大きさのデータだけでなく、安定して飛んでいく仕組みや、誘導制御の方法など、ロケットがなぜ飛ぶのかがよくわかる一冊です。

    9月21日 第4次元としての時間の導入(1908年)

    この日、ドイツの数学者ミンコフスキーが、特殊相対性理論の「空間と時間」について講演し、縦軸・横軸・高さ軸に時間軸を加えた「4次元時空間」という概念を初めて導入しました。この時空間は「ミンコフスキー空間」とも呼ばれ、特殊相対性理論の数学的な定式化のための基礎となっています。ちなみに、超弦理論においては、空間は9次元でないといけないのだとか。2次元の世界に住んでいるわたしには想像もつきません!

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    卵を割らずに黄身を取りだす。4次元の世界ではそんなことができるそうです。アインシュタインが見つけた実在する4次元から、超多時間理論、重力波まで、絵には描けない世界を丁寧に語り尽くします。

    9月22日 マイケル・ファラデーが生まれる(1971年)

    電磁誘導を発見したことでしられるイギリスの自然哲学者マイケル・ファラデーが、この日、鍛冶職人の家に生まれました。ファラデーは製本屋で見習いをしながら独学で科学の知識を得て、王立研究所の教授にまで登りつめた人物です。電磁誘導や電気分解の法則を発見し、電場・磁場・磁力線といった概念を初めて提唱しました。ファラデーは地位や肩書にまったく興味がなく、ナイトの叙爵も辞退し、王立協会の会長就任を頼まれた際には「私は最後まで、ただのマイケル・ファラデーでいたい(I must remain plain Michael Faraday to the last.)」と言って断ったという逸話もあるほど。また、「科学者(Scientist)」という新しい言葉で呼ばれることを好まず、昔ながらの「自然哲学者(natural philosopher)」を名乗っていたのだとか。というわけで、この記事でもその意向を尊重して自然哲学者と紹介させていただきました。

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    電磁気学の理解には、電場や磁場を「電気力線」「磁力線」によって、物理的なモノとして捉えることが大切。ファラデーと同じように独学できるテキストです。

    9月23日 ドイツの天文学者ガレが海王星を発見(1846年)

    この日、ベルリン天文台のガレは、天文学者ルヴェリエが計算によって存在を予言した新惑星の探索を開始。なんと観測をはじめたその日の晩に海王星を発見しました。海王星は太陽系第8惑星で、太陽からの平均距離は44億9700万キロメートル、公転周期は約164.8年です。多量に存在するメタンが赤色光を吸収するため、緑色に輝いています。1989年8月24日、アメリカの惑星探査機「ボイジャー2号」が海王星に最接近し、明瞭な環2本と薄い環2本を確認しました。火星と地球は5000万キロメートルほどしか離れていないご近所ですが、海王星までの距離は40億キロメートル以上。かなり遠いところなので、わたしもまだ行ったことはないのですが、いつか長い連休が取れたら訪れてみたいところです。

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    『光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと』
    まだ誰も見たことのない新惑星の軌道をぴたりと言い当てた、ニュートン力学と重力の法則。その誕生の過程に迫ります。

    9月24日 メートル原器制定(1872年)

    この日、パリで開かれたメール法制定委員会において、それまで「地球の円周の4000万分の1」とされてきた1メートルの定義を改め、棒状の基準物であるメートル原器の長さを1メートルの定義とすることが決められました。実際のメートル原器は1878年に作成され、1960年にクリプトン原子のスペクトル線の波長を用いた新しい定義が採用されるまで、もっとも正確な1メートルの物体でした。

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    『単位の進化』
    体の部分や身の回りの動植物を用いて長さや体積を表した時代から、高精度になり「メートル」「キログラム」などが国際的に統一されてゆくまでの、波乱万丈の単位の歴史をご紹介します。

    9月25日 がんの人工発生(1915年)

    この日、東京帝国大学の病理学者、山極勝三郎と市川厚一が、ウサギの耳の内側にコールタールを繰り返し塗ることで皮膚がんを発生させることに成功したことを、東京医学会に報告しました。これは初めての人工的ながんの発生であり、発がん物質の発見でもありました。当時、コールタールを扱う職人の手などにがんが発生しやすいことは知られていましたが、動物での再現実験はことごとく失敗しており、山極博士らも実験に成功するまでに3年の年月を要しています。ちなみに、この実験でガンができたウサギの標本は、現在でも東京大学医学部で保存されているとのこと。すこし怖いですが、見てみたい気もします。

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