【サイエンス 7days】 第35回 9月26日~10月2日

  • 2016/09/26

    • ニュース

    第35回 9月26日~10月2日
    世界一有名なあの公式を発表

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第35回は今日9月26日から10月2日までの一週間をみていきましょう。

    9月26日 初の日本語ワープロが完成(1972年)

    この日、東京芝浦電気(現・東芝)が、日本語対応のワードプロセッサ第1号機(JW-10)を発表しました。それまで日本語文章の作成に使われていた「和文タイプライター」は、使用される漢字(たとえば、常用漢字+人名漢字を合わせて2229文字)をすべて並べたキーボードから、一文字ずつ漢字を選んで入力していくものでしたが、JW-10に搭載された「かな漢字変換」機能は、かなで入力した文章を漢字交じり文に後から変換するという画期的なものでした。JW-10は翌1973年の3月に発売され、価格は630万円、重さは220キログラムと、高価かつ非常に大型のものでしたが、専門の技術者でなくとも日本語をすばやく入力することができ、タイプライターでは不可能だった「訂正」や「挿入」などの編集機能を有していたことが人気となり、爆発的に普及したそうです。かつては手書きだったブルーバックスの原稿も、いまではほぼすべてが電子データでのやりとりになっています。文章の順番を入れ替えたり、単語を一括変換したりが簡単にできるようになって、編集部員は大助かりのようですが、わたしは昔ながらの原稿用紙が見られなくなって、すこし寂しい気もします。

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    9月27日 E=mc2の式を含む論文が発表される(1905年)

    アルベルト・アインシュタインによる論文『物体の慣性はその物体のエネルギーに依存するか?』が、この日、ドイツの科学雑誌「Annalen der Physik」に掲載され、E=mc2の式が発表されました。この式は、 エネルギー(E)=質量(m)×光の速度(c)の2乗 という「質量とエネルギーの等価性」を表し、特殊相対性理論から導かれるものです。原子爆弾の莫大なエネルギーも、この式によって生み出されるものです。


    アインシュタインによる原著論文
    この論文の中では、光速度はV、エネルギーはLで表されており、赤い下線の部分に「エネルギーLを放出すると、物体の質量はL/V2だけ減少する」という形でE=mc2が表現されています。

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    「光速一定」の原理から導き出される特殊相対性理論を徹底解説。比喩やイメージではなく、数式でE=mc2を理解します。

    9月28日 日本初の科学衛星「しんせい」打ち上げ(1971年)

    この日、日本初となる科学衛星「しんせい」が、東大宇宙航空研究所のM-4Sロケット3号機によって鹿児島内之浦観測所から打ち上げられました。「しんせい」は電離層、宇宙線、太陽電波などの観測を目的とした衛星で、直径75センチメートルの球を、太陽電池が取り付けられた26の平面で囲んだ形状をしており、重さは約66キログラムと最近の科学衛星にくらべるとずっと小型です。打ち上げから2年9ヵ月後の1973年6月まで運用が続けられ、その間に、地球の周りを8056周してデータを送りつづけました。主な科学的成果としては、南米大陸付近で電離層の異常を発見したことなどが挙げられますが、なによりも、衛星の設計と運用面において日本にとって大きな一歩となりました。

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    人類がこれまでに打ち上げた衛星は約5600個。このうち約500個が活動中だそうですが、役目を終えた衛星がどうなるかはご存知ですか? 意外と知らない科学の常識を集めた1冊です。

    9月29日 物理学者フェルミが生まれる(1901年)

    この日、量子統計力学や核物理学で多数の業績を残した物理学者エンリコ・フェルミがイタリアのローマに生まれました。1926年に、電子の振る舞いに関する「フェルミ統計」を、1934年にはベータ崩壊の理論を発表し、一躍有名になったフェルミですが、ベータ崩壊において発生する粒子として「ニュートリノ」の存在を提唱したのも彼なのです。1938年には37歳の若さでノーベル物理学賞を受賞し、その授与式のためストックホルムを訪れたのち、そのままアメリカへと亡命しました。また、実際に数えるのが難しい値を、論理的な推論から導き出す手法が「フェルミ推定」と呼ばれていますが、これはフェルミがこのような概算が得意だったことに由来しているそうです。

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    『物理がわかる実例計算101例』
    「ニューヨーク市には何人ピアノ調律師がいるか?」あなたならこの問題にどう答えますか? これはフェルミ推計が威力を発揮する問題だそうです。複雑な要素が絡み合う問題も、簡単な式に落とし込むことで面白い結果が見えてきます。

    9月30日 世界初の抗生物質「ペニシリン」発見(1928年)

    この日、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングが、アオカビの培養液中からブドウ球菌の発育を阻止する物質を発見し、「ペニシリン」と命名しました(論文発表は1929年)。さらに1945年には、生物学者のチューンとフローリーによって、感染症に対する医療薬として革命的な効果があることが明らかにされ、抗生物質薬剤が誕生することになります。この一連の発見は、20世紀の医療におけるもっとも重要な発見のひとつとされており、1945年にはこの3人がそろってノーベル生理学医学賞を受賞しています。

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    自然の恵みから始まったクスリについて理解し、そのしくみについて知るための一冊です。体内で起こる反応から、薬剤師の役割まで、網羅的に解説します。

    10月1日 コンパクトディスク発売(1982年)

    レーザー光線で記録を読み取り再生するコンパクトディスク(CD)が登場し、この日、国内メーカー9社が一斉にプレイヤーを発売しました。CDソフトもソニーと日本コロムビアから同時に発売され、最初に生産されたのはビリー・ジョエルの『ニューヨーク52番街』だったそうです。それまで音楽を記録するために用いられていたレコードよりも、ノイズが少なく高音質であるなどの利点があり、発売から4年後の1986年にはレコードの販売枚数を逆転しました。現在では音楽に限らず、様々な種類の電子データを記録するためにCDが使われています。ちなみに、CDの約7倍の容量があるDVDは1996年から販売が開始され、2006年にはさらに容量の大きなBlu-ray Disc(BD、ブルーレイディスク)が販売されています。そういえば、ブルーバックスにはCD付き、DVD付きの書目はありますが、BD付きのものはありません。「ブルー」レイ付き「ブルー」バックスも、いつかは作りたいものです。

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    CDが発売されてから30年余り。さまざまな高音質音源が登場してきましたが、その最先端にあるのが「ネットオーディオ」です。スタジオで録音されたそのままの音源、オーディオ史上最高の音質を手に入れる方法をご紹介します。

    10月2日 望遠鏡の発明(1608年)

    この日、オランダの眼鏡職人リッペルスハイは、望遠鏡の特許をオランダ国会に申請しましたが、原理が簡単すぎるとの理由で却下されてしまいました。このときの原理とは「凹凸のレンズを組み合わせると遠方のものが見える」というもので、これは望遠鏡の最初の発明と考えられています。リッペルスハイの名前はあまり知られていませんが、この発明のうわさを聞きつけたガリレオが望遠鏡を自作して、天体観測を始めるなど、彼の発明がその後の科学史に重要な役割を果たしたことは間違いありません。

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    大学学部レベルの光学の体系が、高校数学の知識で理解できるように工夫された一冊です。写真を撮るときに背景をぼかすしくみや、望遠鏡は上下が逆に見えるけど、双眼鏡はさかさまにならない理由などが、すっきりわかります。

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