【サイエンス 7days】 第49回 1月1日~1月8日

  • 2017/01/01

    • ニュース

    第49回 1月1日~1月8日
    世界協定時がスタート

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

    お正月休み、いかがお過ごしですか? 地球のみなさんは、この時期に実家に帰省する方がとても多いですよね。わたしもそろそろ火星に里帰りしてみようかなと思ったのですが、よく考えてみると火星での一年(太陽のまわりを一周するのにかかる時間)は約687日なので、地球とは新年のタイミングがずれているんですよね。

    ですから、わたしは地球のお正月も休まず“サイエンス7days”のコーナーをお送りしたいと思います。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第47回は今日1月1日から1月8日までをみていきましょう。

    1月1日 世界協定時(UTC)の実施(1972年)

    この日、世界各国の標準時の基準となる世界協定時(UTC)の運用が開始されました。日本の標準時(JST)は、このUTCを9時間進めたものと定められています。みなさんが普段使っている「時」には、じつはいくつかの種類があることをご存じでしょうか? ここでは世界的に用いられている3つの時をご紹介します。
    1つめは「国際原子時(TAI)」です。これは1958年1月1日0時0分0秒を基準として、世界各国にあるセシウム原子時計の時刻を平均することによって決定されています。
    2つめは「世界時(UT)」で、地球の自転に基づく時刻です。地球が一回転する時間はずっと一定だと思われがちですが、じつは1000分の1秒の単位で日々変動しているそうです。最近の傾向では、徐々に地球の自転は遅くなる傾向にあり、国際協定時よりも世界時は32秒ほど進んでしまっています。
    3つめは「世界協定時(UTC)」です。これは、国際原子時に整数秒を足し引きすることで、世界時とほぼ同じ時刻になるように調整したものです。たまに挿入されて話題となる「うるう秒」というのは、この調整をするためのものなんだそうです。
    なにげなく使っている時間も、よくよく考えてみると意外に奥が深いものなんですねえ。わたしももっと時間に気を使って行動していきたいものです。

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    長さや時間、質量を表す基本的な単位から、力や電気量、エネルギーを表す単位、さらにはそれらを組み合わせた単位など。そのなりたちと意味を詳しく解説します。

    1月2日 初の人工惑星「ルナ1号」の打ち上げ(1959年)

    この日、ソ連が世界初の月面探査機「ルナ1号」を搭載したロケットの発射に成功しました。この探査機は、月面に衝突させる計画でしたが、軌道の制御にミスがあり、月面から6500キロメートルの地点を通過して、そのまま太陽の周りを周回する「人工惑星」となりました。ルナ計画は、最初の探査機こそ失敗に終わりましたが、その後、「ルナ2号」で初めて月へ人工物を衝突させ、「ルナ3号」で月の裏側を撮影、さらに「ルナ9号」で月への軟着陸に成功するなど、人類史に残る偉業を数多く成し遂げたプロジェクトとなりました。ちなみに、ブルーバックスのブルーが、ガガーリンの「地球は青かった」という言葉に由来しているという豆知識も、当時のソ連が世界の宇宙開発をリードしていたことを感じさせるエピソードですね。

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    1月3日 フラウンホーファー線の発見(1752年)

    イギリスの自然哲学者トーマス・メルビルが、この日、ナトリウムの炎色反応で見られる明るい黄色のスペクトル線を発見したことを、学会に報告しました。この線がフラウンホーファー線と呼ばれるているのは、のちにドイツの物理学者フラウンホーファーが、太陽スペクトルに暗線を発見し、その波長がメルビルが発見した線と同一だったためです。この輝線と暗線(吸収線)が、特定の元素によって作られていることを突き止めたのは、ドイツの物理学者キルヒホフで、これを利用して太陽がどんな元素でできているのかを調べることも可能となりました。

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    原人が起こした焚き火の炎から現代社会を支えるプラスチックの発明まで、化学の歴史を、記号や数式はほとんど使わずに、やさしく紹介します。

    1月4日 アイザック・ニュートンが生まれる(1642年)

    この日、近代科学の祖といわれるアイザック・ニュートンが、イギリスに生まれました。光のスペクトル・万有引力・微積分の3大発見で知られ、古典力学の体系を確立したニュートンは、もっとも偉大な科学者のひとりとされています。精密な近代科学の基礎をつくりあげた一方で、晩年は錬金術や神学に注力していたのだとか。なお、生地ウールスソープには、万有引力をひらめいたきっかけとされる「ニュートンのリンゴの木」の子孫が今も残っているそうです。

    ケンブリッジ大学、トリニティ・カレッジにある、ニュートンのリンゴの木の子孫(写真:Loodog / CC-BY-SA-3.0

     

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    近代物理学の誕生から、その完成まで。二人の天才の思考を辿りながら、そのエッセンスをわかりやすく解説した一冊です。

    1月5日 囲碁の日

    この日は、その日付にちなんで「囲碁の日」と制定されています。近年、人工知能と人間の対戦に大きな注目が集まっていますが、その鍵となるのが、そのゲームにはどれだけ選択肢があるのか? ということです。初手から勝負が決着するまでに考えられる、すべての局面の総数は、オセロで10の60乗、チェスで10の120乗、将棋は10の220乗、そして囲碁では10の360乗といわれています。1990年代にはチェスの世界チャンピオンが、IBMのディープブルーに敗北しましたが、その時点でもまだ、将棋や囲碁ではコンピュータが人間に勝てるわけがないと考える人が多かったようです。しかし昨年、ついにコンピュータが囲碁のトップ棋士に勝利するという事件が起こりました。いったいどうやって、コンピュータはゲームを学習しているのでしょうか。気になっている方は、ぜひ今月の新刊『人工知能の学習とは何か』をぜひチェックしてみてください。

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    1月6日 ウェゲナーが大陸移動説を発表(1912年)

    ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナーが、この日、フランクフルトで開催されていたドイツ地質学会において、「大陸移動説」を発表しました。ウェゲナーは、ブラジルとアフリカの海岸線の類似や、古生物学的な証拠に着目し、大陸は分裂・移動し、相互の位置関係が変化するという説にたどり着いたそうです。ただし、大陸が移動する理由については、「地球の自転による遠心力のため」と考えていました。当時、この説明に納得する科学者はあまりいませんでしたが、第二次世界大戦後、地殻に記録された古磁気の研究から、この説は劇的な復活をとげ、現在のマントル対流による新しい大陸移動説へとつながりました。

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    1月7日 ガリレオが木星の衛星を発見(1610年)

    この日、ガリレオは初めて木星に望遠鏡を向け、そのまわりを回る衛星を発見しました。ガリレオが発見した、木星の4つの衛星「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」は、ガリレオ衛星とも呼ばれ、条件のよい日には双眼鏡でも見ることのできる大きな衛星です。木星の衛星の数は16個、と覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、じつは21世紀に入ってから、次々に新しい衛星が発見され、現在では少なくとも60個以上の衛星が木星のまわりを回っていることが確認されています。地球から探査機を送ることができるほど近くにある、太陽系の惑星についても、まだまだわかっていないことがたくさんあるものなんですねえ。

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    1月8日 国産初の人工惑星の打ち上げ(1985年)

    この日、ハレー彗星探査機「さきがけ」が、鹿児島宇宙空間観測所から打ち上げられました。「さきがけ」は、第二宇宙速度(秒速11.2キロメートル)以上の速度を得て、地球の周回軌道から脱出し、太陽を公転する軌道に入った、日本初の人工惑星です。翌1986年の3月には国際協力によるハレー彗星探査に参加し、ハレー彗星に699万キロメートルまで接近して、彗星付近の太陽風磁場やプラズマを観測しました。

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