【サイエンス 7days】 第51回 1月16日~1月22日

  • 2017/01/16

    • ニュース

    第51回 1月16日~1月22日
    ウィークボソンの発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第51回は今日1月16日から1月22日までの一週間をみていきましょう。

    1月16日 ソ連の宇宙船「ソユーズ」同士が宇宙でドッキング(1969年)

    この日、ソ連が打ち上げた宇宙船「ソユーズ」の「4号」と「5号」が、初の有人宇宙船ドッキングに成功しました。地上からみて時速約2万8000キロメートルという、とてつもない速さで運動する2つの宇宙船を、衝突させることなく結合させるという離れ業でした。両船のドッキング後には、船外活動を通して、2名の宇宙飛行士が「5号」から「4号」へと乗り移り、そのまま地球へ帰還することにも成功しています。宇宙船のドッキングは、宇宙ステーションへ飛行士や物資を送る際にも欠かせない、非常に重要な技術です。この実験をアメリカに先んじて成功させたソ連は、世界初の宇宙ステーション「サリュート」を2年後の1971年に打ち上げることになります。

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    『国際宇宙ステーションとはなにか』
    2000年の居住開始以来、220名以上の宇宙飛行士を受け入れてきた国際宇宙ステーション。そのすべてを、宇宙飛行士・若田光一が語ります。

    1月17日 阪神・淡路大震災(1995年)

    22年前のこの日、午前5時46分、淡路島北部沖を震源とするマグニチュード7.3の直下型地震が発生し、兵庫県を中心とする近畿地方の広い範囲に甚大な被害をもたらしました。早朝に発生した地震であったため、就寝中の人も多く、亡くなった被災者のほとんどは倒壊した建物の下敷きとなったことが原因だったそうです。死者は6434名、負傷者は4万3792名にのぼり、戦後最大の都市型災害となりました。高層ビルが真横に倒れている様子や、高速道路の高架が何百メートルにもわたって倒壊している姿は、この地震の凄まじさを伝えるものとして、多くの人に記憶されているのではないでしょうか。

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    『活断層地震はどこまで予測できるのか』
    熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか? 活断層の動きが活発化する「地震の活動期」に入ったのか? 直下型地震はどうして起きるのか? 今知りたい疑問に答えます。

    1月18日 物理学者の南部陽一郎が生まれる(1921年)

    その先見的な研究から「物理学の預言者」とまでいわれた、物理学者・南部陽一郎が、この日、日本の東京府東京市に生まれました。1943年に、東京帝国大学を卒業した南部は、戦争中はレーダーの研究に携わり、その後、東京帝国大学、大阪市立大学で素粒子論の研究を開始します。1952年に、朝永振一郎の推薦を受けて渡米し、以後、研究の拠点をアメリカに移すことになりました。2008年にノーベル賞を受賞した「自発的対称性の破れ」の研究の他にも、ヒッグス粒子の予言につながる研究や、「ひも理論」の提唱など、その業績は現代の物理学において必要不可欠なものとなっています。常に新しいアイデアをもっていた南部は、他の物理学者から「十年先が知りたければ南部に聞け」といわれていたのだとか。2015年の7月15日に死去した南部先生には、これから先の10年がどう見えていたのでしょうか。

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    『クオーク 第2版』
    物質の究極的構造とそれを支配する基本法則を探る素粒子物理学はどう発展してきたか。南部先生が、トップクォーク発見後の視点から振り返り、将来を展望した一冊です。

    1月19日 NASAが冥王星探査機「ニュー・ホライズンズ」を打ち上げ(2006年)

    この日、太陽系のもっとも外側をまわる惑星(現在は準惑星)である冥王星を目指して、探査機「ニュー・ホライズンズ」が、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。木星でのスイングバイによって推力を得たニュー・ホライズンズは、9年の歳月をかけて50億キロメートル以上を旅し、2015年7月14日に冥王星からわずか1万3000キロメートルの位置まで接近しました。この際に撮影された冥王星表面や、衛星カロンの高精度の画像は、すべてを地球に送信するのに約1年もかかったほど膨大なデータ量だったそうです。冥王星の観測を終えたニュー・ホライズンズは、次なるターゲットである太陽系外縁天体へと向けて、現在も引き続き飛行中です。ちなみに、ニュー・ホライズンズには、冥王星を1930年に発見したクライド・トンボーの遺灰が搭載されているとのこと。人類史上、もっとも遠くまで運ばれた遺灰です。

    ニュー・ホライズンズが撮影した冥王星の写真(© NASA)

     

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    「ロケット打ち上げシーケンス」「軌道制御」「惑星探査機のスイングバイ航法」など宇宙開発の技術と基礎知識も盛り込まれた、決定版データブック! 世界の宇宙開発・活動で知りたいことなら、これ1冊ですべてがわかります。

    1月20日 ウィークボソンの発見(1983年)

    この日、スイスのジュネーブにある欧州原子核研究機関(CERN、セルン)の研究者カルロ・ルビアが、素粒子ウィークボソンの存在を裏付ける現象が確認されたことを発表しました。ウィークボソンは、素粒子を崩壊させる弱い力の運び役(媒介役)です。不安定で、すぐに崩壊してしまうため、自然界には存在せず、そのため加速器で人工的に作り出す必要があります。CERNの実験では、高エネルギーで加速した陽子と反陽子のビームを数十億回も正面衝突させ、約7億回につき1個の割合でウィークボソンが生成されたことが確認されたそうです。さらにこの2ヵ月後には、別の素粒子Zボソンも発見され、この実験を率いた業績により、ルビアは翌1984年にノーベル物理学賞を受賞しています。発見からわずか1年での受賞というのは驚きの早さです。それだけ、この発見の物理学的な意義が大きかったんですね!

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    『現代素粒子物語』
    物質に質量を与えるという「ヒッグス粒子」。宇宙全体に広がる謎の「暗黒物質」。CERNの超大型加速器LHCを舞台した、「予言」と「発見」の物語を、とことんやさしく面白く語った一冊です。

    1月21日 97番元素、バークリウムの発見(1949年)

    この日、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校で、サイクロトロンを用いてアメリシウム241にα線を照射することによって、新元素「バークリウム(Bk)」が作られました。バークリウムという名前は、発見場所の地名にちなんだものです。この元素合成の実験を率いた物理学者セオドア・シーボーグは、サイクロトロンを用いて数々の元素を生成・発見しており、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム、カリホルニウム、アインスタイニウム、フェルミウム、メンデレビウム、ノーベリウム、ローレンシウムという、アクチノイド元素のほぼすべての発見に寄与しました。昨年末に正式に承認された「ニホニウム(Nh)」も、地名由来の元素名ですが、こちらもやはり加速器を用いて発見されたものです。

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    『元素111の新知識 第2版増補版』
    無味乾燥な化合物の列挙、表面的な知識の羅列を避け、なぜその元素がそういう性質をもつのか、なぜそのような用途に使われるのかを、やさしく、深く掘り下げて解説。誰かに話したくなるエピソード満載の一冊です。

    1月22日 海王星と冥王星の並び順が交代(1979年)

    水金地火木土天海冥という太陽系(準)惑星の並び順が、この日から、冥王星・海王星の順に変わりました。ほぼ円形の海王星の軌道が、冥王星の楕円軌道の内側に入り込んだためです。この状態は1999年3月まで続き、また元の海王星・冥王星の順に戻りました。2017年現在も、この状態は続いており、次にまた順番が入れ替わるのは、2230年ごろになるそうです。今年、通巻番号が2000番を突破したブルーバックスも、今のペースで刊行が続けば、そのころには10000番に到達する予定です。200年後には、いったいどんなことが「科学」されているのでしょうか。想像するだけでワクワクしてきますね。

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    『太陽系シミュレーター―時空を超えた惑星間飛行 Windows7/Vista対応版』
    あの日、あの時、あの地点で、星々はどのように瞬くのか? 日食や月食、流星雨はどのように見えるのか。太陽系内での過去・現在・未来、2万年間の天体現象を、あらゆる地点・角度から見ることができます。

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