【サイエンス 7days】 第52回 1月23日~1月29日

  • 2017/01/23

    • ニュース

    第52回 1月23日~1月29日
    シュレディンガー方程式発表

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第52回は今日1月23日から1月29日までの一週間をみていきましょう。

    1月23日 湯川秀樹が生まれる(1907年)

    この日、日本人として初めてノーベル物理学賞を受賞した、理論物理学者・湯川秀樹が、地理学者・小川琢治の三男として、東京府麻布に生まれました。父が京都帝国大学の教授に就任したことにより、京都へと移り住んだ湯川は、自身も京都大学へと進学し、ここを拠点に研究生活を送ることになります。1934年には、陽子や中性子を結合させる「核力」を伝える未知粒子として中間子の存在を予言し、中間子理論を展開。この理論は1947年に中間子の発見により実証され、1949年にノーベル物理学賞が授与されました。湯川はまた、核兵器の根絶を訴える「ラッセル-アインシュタイン宣言」に参加するなど、平和運動にも取り組んだことで知られています。

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    『量子力学の世界』
    湯川秀樹の愛弟子・片山泰久が数式ナシで量子力学のエッセンスを解説します。湯川秀樹がよせた序文も必読です!

    1月24日 ピアッツィが小惑星ケレスを発見(1801年)

    この日、イタリアの天文学者ピアッツィが、ボーデの法則(太陽から惑星までの平均距離に関する法則)から予想された、小惑星ケレスを発見しました。ケレスは小惑星発見第1号で、2002年に小惑星クワオアーが発見されるまでは、既知の小惑星のなかで最大のものでした。2006年に、冥王星が惑星から準惑星へと変更された際には、ケレスも小惑星から準惑星のカテゴリーへ分類が変更されています。なお、ケレスが火星と木星の間をまわっていることを軌道計算によって確かめたのは、数学者のガウスです。ちなみに、この発見のもととなった「ボーデの法則」には、じつは物理的な根拠はなく、ケレスが発見されたのは幸運によるものだったと考えられているそうです。科学の歴史をふりかえってみると、こうした幸運や偶然から生まれた大発見が意外に多いことに驚かされます。

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    『新・天文学事典』
    宇宙論からはじまり、いま話題のダークエネルギー、ダークマター、宇宙生物学の研究、宇宙開発、天文教育まで第一線で活躍する研究者が詳しく解説した一冊です。

    1月25日 物理学者のロバート・ボイルが生まれる(1627年)

    この日、「近代化学の祖」といわれるイギリスの化学者・物理学者ロバート・ボイルが、アイルランドで生まれました。ロンドン西郊に位置する名門イートン・カレッジに学び、その後、イタリアのフィレンツェでガリレオ・ガリレイに師事したボイルは、1644年に帰国し、私費で建てた実験室で研究にとりくみました。1962年に発見した、一定温度にある一定量の気体の体積は圧力に比例する、という法則は「ボイルの法則」として知られています。1979年に出版された『懐疑的化学者』(第2版)は、アリストテレス以来の4元素説を、実験科学の立場から批判し、デカルトの粒子仮説、ガッサンディの原子仮説に基づいて元素を定義しました。また、元素と化合物、混合物と化合物の区別を示したのもボイルで、現代の化学へとつながる出発点となりました。

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    『マンガ 化学式に強くなる』
    化学式が苦手、モルがわからないというのは、闇雲に丸暗記しようとするから。あなたも主人公の幸ちゃんといっしょに、楽しく化学を勉強してみませんか!

    1月26日 世界初の赤外線天文衛星IRAS打ち上げ(1983年)

    可視光線ではとらえられない宇宙の情報を得るため、赤外線を観測できる天文衛星IRAS(Infrared Astronomical Satellite、アイラス)が、アメリカ・イギリス・オランダの3国共同で、この日、カリフォルニアの空軍基地から打ち上げられました。赤外線は熱線とも呼ばれ、可視光線の長波長端からマイクロ波までの、波長700ナノメートルから1ミリメートルの電磁波を表しています。赤外線はあらゆる物体から、その温度に応じた強度で放射されています。衛星の機体から放射される赤外線を少なくして、宇宙からやってくる微弱な赤外線を捉えやすくするため、観測装置は絶対温度1.6K、摂氏マイナス272度という超低温まで冷やされていたそうです。IRASが観測を遂行できた期間は、冷却材のヘリウムが消費されるまでの約10ヵ月間という短い時間でしたが、全天の塵の分布を明らかにするなど大きな成果を挙げました。

    左が可視光線で見たオリオン座、右が赤外線で見た同じ場所(写真:NASA)

     

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    『宇宙物理学入門』
    ビッグバンは本当にあったのか? ダークマター、ダークエネルギーの正体とは? さまざまな観測結果から明らかになってきた、宇宙の全貌をわかりやすく解説します。

    1月27日 シュレディンガーの波動方程式の発表(1926年)

    オーストリアの理論物理学者エルヴィン・シュレディンガーは、この日、ド・ブロイの物質波の考え方を発展させた「シュレディンガーの波動方程式」を論文で発表しました。この式は、量子力学の最も重要な基礎方程式として有名です。

    なにやら難しい記号がたくさん出てくる数式ですが、じつは高校数学の知識で理解できるものなんだそうです。気になる方はぜひ、下記の書目をチェックしてみてください。

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    『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』
    シュレディンガー方程式を理解しなければ、ほんとうに量子力学を理解したことにはなりません! 「高校数学でわかる」シリーズ屈指の名著です。

    1月28日 スペースシャトル「チャレンジャー号」爆発(1986年)

    この日、民間から選ばれた女性教師マコーリフら7名を乗せたチャレンジャー号が、打ち上げ後1分13秒で爆発、乗員全員死亡という大惨事が発生しました。事故の原因は、固定ロケットブースター構造体の継ぎ目の設計不良、スケジュール至上主義の管理体制、現場からの報告を無視した打ち上げの強行、と事故調査委員会は報告しています。この事故ののち、徹底的に安全管理体制を見直し、組織運営の改革を行ったとされていましたが、2003年、またしてもNASAはコロンビア号空中分解事故を起こし、7名の宇宙飛行士が犠牲になりました。コロンビア号事故調査委員会は、NASAはチャレンジャー号の教訓からほとんど何も学ばなかったと断定し、その運営体制を強く批判しました。華々しい成果だけに注目するのではなく、その裏にある、犠牲やリスクについても厳しい目を向けなければならないとあらためて感じさせられた事件でした。

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    『飛行機事故はなぜなくならないのか』
    大事故はなぜおこってしまうのか? 過去の飛行機事故の事例を分析・検証したうえで、事故を減らすために機材や安全装置がどのように進歩してきたかを解説した一冊です。

    1月29日 第1次南極観測隊がオングル島に上陸成功(1957年)

    国際地球観測年のこの日、本格的な南極観測基地として昭和基地が、観測船「宗谷」から上陸した第1次南極観測隊によって、リュツォ・ホルム湾東岸部のオングル島に開設されました。日本人の南極への上陸は、軍人で探検家であった白瀬が1912年に日本人として初めて南極探検をしてから、じつに45年ぶりのことでした。なお、国際地球観測年とは、1957年7月1日から翌1958年12月31日までの1年半にわたって続けられた、国際共同の地球物理現象観測事業で、日本を含めた12ヵ国が参加した国際科学プロジェクトでした。

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    『地球環境を映す鏡 南極の科学』
    「氷床」の厚さは富士山の高さを超え、隕石が大量に見つかるポイントがあったり、氷の下には“幻の巨大湖”が存在していたりする!“現在の南極”にまつわるエピソードを網羅した一冊です。

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