【サイエンス 7days】 第98回 12月11日~12月17日

  • 2017/12/11

    • ニュース

    第98回 12月11日~12月17日
    DNAの人工合成に成功

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第98回は今日12月11日から12月17日までの一週間をみていきましょう。

    12月11日 南極観測用砕氷船「しらせ」進水(1981年)

    この日、国立極地研究所の所有する「しらせ(初代)」の進水式が、日本鋼管鶴見製作所において開催されました。「しらせ」は「宗谷」(1957~1962)、「ふじ」(1965~1983)につぐ、3代目の南極観測船です。排水量は1万1600トン、長さ134メートル、幅28メートル、最大速力は19ノット(約時速35キロメートル)。物資輸送用の大型ヘリコプター2機と、氷の状態を偵察するための小型のヘリコプター1機を搭載し、船を動かす乗員170名にくわえて観測隊員など60名が乗船できます。船名の「しらせ」は、日本初の南極探検隊隊長の白瀬矗(しらせ・のぶ)にちなんだものですが、命名の規則が「名所旧跡のうち主として山又は氷河の名」となっているため、「白瀬矗に由来する昭和基地近くの『白瀬氷河』」にちなんでの命名、というややこしいことになっています。なお、この初代「しらせ」は2008年に引退し、現在は後継艦の2代目「しらせ」が運用されています。

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    『図解・船の科学』
    船の常識を破る時速77キロという韋駄天ぶりを誇るカーフェリーや、全長415メートル、50万トンの超巨大タンカーはどのように建造され、操船されているのか。船の基本的な原理までさかのぼり、その構造とシステムを、豊富な写真と図版で詳細に解説します。

    12月12日 ジョセフソンコンピュータ開発(1989年)

    工業技術院電子技術総合研究所(現在は産業技術総合研究所に再編)は、4個のLSIチップを使用して動作する「ジョセフソンコンピュータ」の実証に成功したことを発表しました。薄膜絶縁層を超伝導体で挟んだサンドイッチ構造のジョセフソン素子は、超電導状態でのジョセフソン効果(接合部に電流を流すと、電圧が発生する効果)を利用したスイッチング素子です。この電圧変化がスイッチのオン・オフに相当し、スイッチの切り替えが非常に高速で消費電力も少ないことから、コンピュータへの応用が期待されています。従来のコンピュータへの応用のほか、量子コンピュータへの利用も考えられますが、まだ実用化には至っていません。

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    『量子コンピュータ』
    「0と1の重ね合わせ状態」で高速計算が実現!? 「量子ビット」を使った「超並列計算」で、答えを1つに確定できるのはなぜ? 現在のスーパーコンピュータを圧倒する、量子コンピュータのしくみを平易に解説します。

    12月13日 トキのロンロンが死亡(1994年)

    この日、繁殖のために中国から贈られたトキのロンロンが佐渡トキ保護センターで死亡しました。トキはニッポニア・ニッポン(Nipponia nippon)という学名をもち、翼長は40センチメートルほどで、羽は白く、風切り羽の一部が淡紅色(とき色)を帯びるのが特徴です。かつては東アジアに広く分布していましたが、ロシアや朝鮮半島では絶滅したと見られ、現在は中国の一部にごく少数が残るのみです。日本でも全国に分布していましたが、佐渡島と能登半島に残された数羽も絶滅に瀕し、1981年に佐渡島で捕獲した2羽が佐渡トキ保護センターで保護されました。その後、中国と日本で中国産トキとの繁殖を試みられ、ロンロンも繁殖のために中国から贈られたトキの一羽でした。しかし、繁殖は成功せず、2羽のうち雄の「ミドリ」が1995年の4月に死亡し、残った雌の「キン」は高齢で繁殖能力がなく、日本産のトキは2003年に絶滅しました。

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    『カラー図解 古生物たちのふしぎな世界』
    恐竜だけが古生物じゃない! 繁栄と絶滅の古生代3億年の歴史を100点に及ぶ精緻なカラーイラスト&化石写真で解説した一冊です!

    12月14日 DNAの人工合成に成功(1967年)

    この日、アメリカ・スタンフォード大学の生化学者アーサー・コーンバーグ(1918~2007)とメーラン・グリアン(1929~)は、遺伝物質のデオキシリボ核酸(DNA)の人工合成に成功したと発表しました。この年、DNA断片をつなぎ合わせる酵素のDNAリガーゼが発見されており、バイオテクノロジーへの道が開かれた記念すべき年です。なお、コーンバーグは酵素のDNAポリメラーゼの発見などの功績により、1959年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。

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    『DNAの98%は謎』
    ヒトゲノム(ヒトの全遺伝情報)のうち、遺伝子部分はわずか2%。残りの98%は「非コードDNA」と呼ばれ、意味のない無駄なものと長らく考えられてきました。意味がない=ゴミということで「ジャンクDNA」とさえ呼ばれていたのです。ところが、じつはこの”ゴミ”こそが生命の不思議に迫る重要な役割を担っていることが近年になって分かってきました。サルとヒトの違いを生み出し、老化と寿命に関わり、進化の原動力ともなる「非コードDNA」の仕組み、そして驚きの発見の数々をエピソード豊富に紹介します。

    12月15日 有人衛星が初のランデブー飛行(1965年)

    この日に打ち上げられたアメリカの有人宇宙船「ジェミニ6号」と、12月4日に打ち上げられた「7号」が、宇宙空間で合流し人類初のランデブー飛行を行いました。ジェミニ計画は1964年から1966年にかけて実施されたNASAによる2人乗り有人衛星飛行計画で、アポロ計画の前身となりました。1965年打ち上げの3号から有人飛行となり、このランデブー飛行のほかにも、宇宙空間でのドッキング(8号、10号~12号)、宇宙遊泳(4号のホワイト、9号のサーナン、11号のゴードン)、船外活動(12号のオルドリン)など、その後の宇宙開発で必要となるさまざまな技術の確立に貢献しました。

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    『完全図解・宇宙手帳』
    ロケット開発から有人宇宙飛行、人工衛星、惑星探査、宇宙ステーションまで、半世紀に及ぶ宇宙開発の記録を網羅した決定版データ集です。

    12月16日 東京~横浜間に日本初の電話が設置される(1890年)

    この日、東京の千代田区に電話交換局が設置され、東京~横浜間に日本で初めての電話が開通しました。交換手は女子7人と、夜間の男子2人。東京と横浜の加入者は、公官庁を含め、それぞれ155人、42人だったそうです。電話番号の1番は東京府庁、2番は逓信省(現在の総務省、日本郵政、及び日本電信電話NTTの前身)でした。相手に話しかけるときの「申す申す」が「もしもし」になったと言われています。なお、この10年後の1900年には、上野と新橋に自働公衆電話が誕生しています。

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    『現代暗号入門』
    電話に代わって現代の通信の主役を担うようになったインターネット。その基礎を支えているのが「暗号技術」です。電子メールは本当に安全なのか? ビットコインなどの暗号通貨の仕組みとは? 基礎的な理論から実際に起った事件の裏側まで、エピソードを交えて解説します。

    12月17日 化学者のハンフリー・デービーが生まれる(1778年)

    アルカリ金属やアルカリ土類金属の発見で知られる化学者のハンフリー・デービー(1778~1829)が、この日、イギリス・イングランドの町ペンザンスに生まれました。デービーは16歳で医者に奉公し、独学で化学を学んだのち、医師トーマス・ベドーズ(1760~1808)の気体研究所の助手となり亜酸化窒素(笑気ガス)の生理作用を発見しました。1801年に王立研究所の教授に就任すると、自らが発見した、化合物を構成要素に分解できる「電気分解法」により、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属や、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の単離に次々と成功し、史上最も多くの元素を発見した化学者となったのです。また、デービーは一般向けの講演でも人気を博し、女性にも大人気だったそうです。

    笑気ガスを用いた一般向け講演の風刺画。中央右側でふいごを持っているのがデービー

     

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    『光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと』
    デービーのもうひとつの業績は、のちに電磁気学の作り上げるマイケル・ファラデーを見出したことです。デービーとファラデーが始めた電気実験は、どのようにしてマクスウェル方程式という電磁気学の基本法則へと発展していったのか。歴史を辿りながら、電場や磁場といった電磁気学の基礎を学びます。

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