【サイエンス 7days】 第100回 12月25日~12月31日

  • 2017/12/25

    • ニュース

    第100回 12月25日~12月31日
    国連総会で宇宙条約が採択

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。はやいもので、今年も残すところあと1週間となりました。仕事納めも近づき、ブルーバックスの編集者も年末進行で殺気立っています(^_^;)

    それはさておき、今週も、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する"サイエンス7days"のコーナーをお届けします。

    記念すべき第100回は今日12月25日から12月31日まで、今年を締めくくる一週間をみていきましょう。

    12月25日 世界初の水晶発振式クオーツ腕時計を服部時計店が発売(1969年)

    服部時計店(諏訪精工舎)が世界初の水晶発振式クォーツ腕時計「クオーツアストロン」を発売しました。1日の誤差は1秒未満と当時としては高精度でしたが、価格のほうも45万円と超高額でした。
    クオーツは、石英のこと(水晶は六方晶系の石英)で、電圧を加えると、微少弾性振動をする性質をもちます。これを利用したのがクオーツ式腕時計で、内部に一定周波数の電気振動を正確に発生させる超小型の水晶発振器を組み込んでいます。
    ちなみに「アストロン」のブランドは今も残っています。最新モデルは、簡単なボタン操作でGPS衛星電波から現在地の正確な位置・時刻情報を取得する世界初のGPSソーラーウオッチ。腕時計も進化を続けているんですね。

    石英

     

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    『時計の科学 人と時間の5000年の歴史』
    人類が「時間」の存在に気づいたのは、いまから5000年以上も前のことです。太陽の動きを利用した「日時計」から始まり、周期を人工的につくりだす「機械式時計」の誕生、精度に革命を起こした「クオーツ時計」、そして、時間の概念を変えた「原子時計」まで。時代の最先端技術がつぎ込まれた時計の歴史を余すところなく解説します。

    12月26日 科学技術庁が『未来技術予測』で2003年に「がんの転移」を防ぐ有効な手段が開発されると予測(1982年)

    日本では、30年後までの科学技術発展の方向性を展望する予側調査が、1971年から約5年ごとに実施されてきました。その1982年調査では、2003年に「がんの転移」を防ぐ有効な手段が開発されると予測しています。残念ながらこの予想は大外れ。
    分子生物学の長足の進歩で、がんの発生メカニズムの詳細が解明されつつあるものの、2017年時点では、がんの転移抑止は現在でも実現できていません。『未来技術予測』でも、がん制圧は繰り返し取り上げられる長期目標ですが、毎回その実現予測年は先延ばしされています。
    近年、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの画期的な新薬が誕生していますが、はたして、『病の皇帝』と呼ばれる「がん」が制圧される日はやってくるのでしょうか?

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    『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』
    「がん」「難病」治療の常識を一変させた発見の数々! 免疫の異物への攻撃は樹状細胞の抗原提示から始まり、過剰な攻撃を抑える免疫寛容には、制御性T細胞や免疫チェックポイント分子がかかわっていた——。これらの発見がパラダイム・シフトとなり、いまや免疫療法は、がんや難病の治療においても「切り札」として期待されはじめている。本庶佑、坂口志文、稲葉カヨらの活躍を追ううちに免疫世界の最前線が一望できる傑作ドキュメント!

    12月27日 日本初の航空母艦「鳳翔」が竣工(1922年)

    「鳳翔」は横須賀海軍工廠で建造されました。航空母艦、略して空母は、多数の飛行機を積載し、発進・着艦用の広い甲板をもつ軍艦です。飛行甲板上に全く障害物のないフラッシュデッキ型と、司令塔、砲塔などの上部構造物(片舷または張出しを構築)をもつアイランド型があります。写真のとおり、「鳳翔」はアイランド構造の艦橋を持っていました。当時の鳳翔は航空用ガソリンを石油缶に詰めて艦内に保管しており、火気厳禁だったといいます。

    日本海軍初の航空母艦「鳳翔」

     

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    『図解・船の科学』
    船の常識を破る時速77キロという韋駄天ぶりを誇るカーフェリーや全長415メートル、50万トンの超巨大タンカーはどのようにして建造し、操船するのか。船の基本的な原理までさかのぼり、その構造とシステムを、豊富な写真と図版で詳細に解説します

    12月28日 仏の進化論者・博物学者ラマルク没(1829年)

    ラマルクは19世紀の著名な博物学者で、biology(生物学)という語を、初めて使った人物の一人としても知られています。17歳で軍人になり、1768年に退役したのち、パリで医学、植物学を学びました。G.L.L.ビュフォン(1707~1788年)に見出されて『フランス植物誌』を出版。王立植物園腊葉主任を経て、大革命後は植物園内に新設された自然博物館で、無脊椎動物部門を担当しました。その分類の研究から進化論に到達し、のちに「用不用説」と呼ばれる進化説を『動物哲学』や『無脊椎動物誌」などで発表しました。C.R.ダーウィンの進化論より50年早かったものの、生存中は全く無視され、晩年は失明し、不遇だったといいます。

    ジャン=バティスト・ラマルク

     

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    『我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち』
    地球上に存在した「人類」は我々ホモ・サピエンスだけではない。彼らはなぜ滅んだのか。我々はなぜ生き残ったのか。人類学の最新成果!

    12月29日 ソ連の宇宙飛行士Y.V.ロマネンコが、326日間の宇宙連続滞在の記録を樹立(1987年)

    ロマネンコは、軌道科学ステーション「ミール(ロシア語で平和の意)」に長期滞在し、1987年12月29日に無事地球に帰還しました。326日間の宇宙連続滞在は、当時の世界最長記録でした。「ミール」は宇宙船とドッキングするための結合ユニット6個をもつ大規模な「宇宙基地」で、「第3世代の宇宙ステーション」ともいわれました。1986年2月に打ち上げられ、以後、「ソユーズ」や「サリュート」、国際宇宙ステーション建設の実験のためのスペース・シャトルとのドッキングなど、活発な活動を行いました。1999年8月、使命を終え、落下消滅しました。
    ちなみにロマネンコの連続滞在記録は、同じミールに長期滞在したロシア人のワレリー・ポリャコフによって更新されます。連続滞在記録は実に437.7日間。この記録はいまだに破られていないそうです。

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    『国際宇宙ステーションとはなにか』
    地上400kmの宇宙に浮かぶサッカー場と同じサイズの巨大な駅(ステーション)。国際宇宙ステーション(ISS)は、6名の宇宙飛行士が長期滞在しながら実験や観測ができる、人類初の巨大な宇宙実験施設です。日本人で初めて長期滞在する若田宇宙飛行士が、ISSの仕組み、宇宙飛行士の衣食住、訓練などを、自らの体験を通して興味深く語ります。

    12月30日 英国の鉱山技師、地震学者J.ミルン(1850~1913年)が生まれる

    ミルンは、キングス・カレッジ応用科学部、ロンドンの王立鉱山学校、独のフライベルク鉱山学校に学んだ鉱山技師で、1876年に来日し、工部大学校(東大工学部の前身)などで地質、鉱物、鉱山学を教えました、ミルンは、日本地震学の草分けで、 地震計を考案し、日本全国68ヵ所に設置し、地震観測網を設置しました。1880年2月22日の横浜の強震をきっかけに、日本地震学会の創立に努め、創立後は地震学の各分野に多くの論文を発表しました。1895年に帰国し、ワイト島の自宅に私費で地震観測所をつくって、研究を続けたそうです。 愛称「地震のジョニー」で親しまれました。

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    『活断層地震はどこまで予測できるか 日本列島で今起きていること』
    熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか? 活断層の動きが活発化する「地震の活動期」に入ったのか? 日本列島に走る活断層の数は2000以上。活断層とは何か? 直下型地震はどうして起きるのか? 今知りたい疑問に答えます。

    12月31日 ベルギーの解剖学者、外科医A.ベザリウスが生まれる

    ベザリウス(1514~1564年)は、1533年にパリ大で医学を学び、その後、郷里で人体解剖や遺骨を研究するなどして解剖学に熟達したといわれます。 1537年、イタリアのパドバ大に留学し、23歳の若さで、解剖学と外科の教授になります。1543年、画家J.カルカーの協力を得て『人体の構造に関する七つの本』(『ファブリカ』)を出版し、画期的 な解剖学書として医学界に衝撃を与えました。その後、ボローニャ、ピサ などで公開解剖を行って絶賛を博します。医学者ガレノス(130年頃~200年頃)の学説の誤りを指摘し、修正したことから、「近代医学の祖」と呼ばれるようになりました。

    ベザリウスが出版したファブリカに描かれた人体解剖図

     

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    『カラー図解 新しい人体の教科書 上』
    「小宇宙」とも言われる人体を探訪するためのガイドブック。オールカラーで大迫力のメディカルイラストや写真をふんだんに使い、基礎の基礎から分かりやすく解説しました。上下巻の2部構成。予備知識がなくとも楽しめるように、記述・図解・レイアウトを細部にわたって配慮して編集しているので、からだに関心がある方なら誰でも気楽に読み進めることができます。

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