【サイエンス 7days】 第60回 3月20日~3月26日

  • 2017/03/20

    • ニュース

    第60回 3月20日~3月26日
    シューメーカー・レヴィ第9彗星の発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第60回は今日3月20日から3月26日までの一週間をみていきましょう。

    3月20日 理化学研究所設立(1917年)

    ちょうど100年前のこの日、アドレナリンの発見者として知られる高峰譲吉博士らの提唱によって、理化学研究所(理研)が設立されました。設立の趣旨は「人口が多いにもかかわらず工業原料や資源に乏しい日本は、学問の力によって産業を育て、国の発展を目指すしかない」といったものでした。理研は現在、450の研究室に3000人の研究者を抱える日本最大の研究所で、世界最速のスパコン「京(けい)」、大型放射光施設「SPring-8(スプリングエイト)」、日本発の113番元素ニホニウムを合成した線形加速器「RILAC(ライラック)」などを所有しています。もちろん、ブルーバックスの著者の方にも、理研の研究者が多数含まれています。

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    『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』
    ノンフィクション作家の山根一眞さんが、全国にある理研の研究拠点を訪ね歩き、科学の最前線を描き出した最新刊です。

    3月21日 ツイッターに最初のつぶやきが投稿される(2006年)

    この日、140字までの短文投稿サービス「ツイッター」に、最初のツイート(つぶやき)が投稿されました。その内容は、ツイッターの共同創業者の一人であるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)さんによるもので、“just setting up my twttr(いまツイッターを立ち上げたよ)”というメッセージでした。新しいサービスと思っていたツイッターも、もう10年以上の歴史があるんですねえ。ちなみにブルーバックスも公式アカウント(@bluebacks_pub)で情報を発信していますので、ぜひフォローしてください。

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    『SNSって面白いの?』
    ツイッターやフェイスブックなどに代表されるSNSの、しくみ、メリット、リスクを、わかりやすい例を交えながら紹介。実際に使ってみなくても、「どういうものなのか」がわかります!

    3月22日 「日本人エイズ患者第1号」を厚生省が発表(1985年)

    この日、厚生省のエイズ調査検討委員会は、アメリカから一時帰国したアーティストの男性を国内における「エイズ患者第1号」と認定したことを発表しました。エイズ(AIDS)はAcquired Immune Deficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の頭文字から作られた造語で、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる感染症です。血液や精液を介して感染し、病状が進行すると、免疫の機能が低下して、健康な人であれば問題にならない病原体からも、感染症が引き起こされるようになります。なお、この「第1号」認定の後に、非加熱血液製剤を原因とする感染もあったことが判明し、いわゆる事件として、大きな社会問題となりました。現在では、全国の保健所などでは匿名・無料でHIV検査や相談ができます。

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    『新しいウイルス入門』
    感染症を引き起こす悪者=ウイルスが、じつは生物進化にも深く関わっていた? ウイルスの概念がいま変わりつつあります。

    3月23日 地質学者ウィリアム・スミスが生まれる(1769年)

    「イギリスの地質学の父」と呼ばれる地質学者ウィリアム・スミスが、この日、イングランド南東部オックスフォードシャー州のチャーチルという農村に生まれました。スミスは独学で測量技術を身につけ、運河工事に従事する過程で、地層の重なり具合と化石に関心を持ち、化石による地層同定の原理を発見しました。この原理は、同時期に堆積した地層には、その時代に特有の化石が含まれており、これによって離れた場所にある地層でもその年代を比較できるというものです。スミスは、自ら調査したデータをもとに、イギリスの精密な地質図(下図)を作成しています。この図では、たとえば緑の部分は石灰岩の層、黒っぽい部分は粘土の層というように、それぞれの地質が分類されています。

    スミスによるイギリスの地質図

     

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    『人類と気候の10万年史』
    福井県の水月湖に堆積した「年縞(ねんこう)」。何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録したこの地層から明らかになった、驚きの地球気候史とは!?

    3月24日 シューメーカー・レヴィ第9彗星の発見(1993年)

    この日、翌1994年に木星へと衝突することになる小天体、シューメーカー・レヴィ第9彗星が、アメリカ・カリフォルニア州にあるパロマー天文台で、ユージン・シューメーカー、キャロライン・シューメーカー夫妻とデイヴィッド・レヴィによって発見されました。この彗星は1960年頃に木星に捕獲され、その周りを回るようになったと考えられており、1994年に観測された木星への衝突によって、地球の直径ほどの衝突跡が木星表面に作られました。これは、人類が初めて観測した地球外における天体衝突現象で、恐竜を絶滅させたような規模の衝突が現実に起こり得ることを実感させるものでした。現在、このような危機を察知する目的で、地球に衝突する可能性のある小惑星を監視するしくみが各国で整えられつつあるそうです。

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    『天体衝突』
    地球の歴史は天体衝突に彩られている!? 今後も十分に起こり得る巨大天体の衝突について、科学的に考察した一冊です。

    3月25日 日本初の女性ジャンボ機パイロットが誕生へ(1996年)

    この日、日本航空が、訓練生である東友子さんがボーイング747型機(通称ジャンボジェット)に乗務することを発表しました。日本国内の航空会社で、女性がジャンボ機のパイロットになるのはこれが初めてのことでした。約1年半の訓練を経て、1997年9月23日に副操縦士に昇格し、羽田ー函館間で初フライトを行いました。現在、日本の航空会社で働くパイロットは約5000人いるそうですが、そのうち、女性は50人ほどだそうです。まだまだ数は少ないですが、着実に女性パイロットも増えています!

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    『ジャンボ・ジェットを操縦する』
    出発前点検から、計器の読み方、操縦桿の操作、管制塔との交信まで、コクピット内でのパイロットの作業を、余すところなく紹介。この一冊でジャンボ操縦のすべてが体験できます。

    3月26日 数学者ポール・エルデシュが生まれる(1911年)

    数論やグラフ理論を初めとする、さまざまな領域で活躍した天才数学者ポール・エルデシュが、この日、ハンガリーのブダペストに生まれました。エルデシュは、自然数のなかに素数がどれくらい含まれているかについて述べた「素数定理」に、初等的な証明を与えた業績で知られています。また、非常に多くの論文を発表したことでも有名で、その数は数学者としてはおそらく最多となる約1500篇にもおよびます。さまざまな数学者と共著で論文を書いたことから、数学者の間では、「エルデシュ数」というものが定義されているそうです。これは、エルデシュ本人と共著の論文を持つ人の「エルデシュ数」を1として、「エルデシュ数」がnの人と共著論文を書いた人の「エルデシュ数」をn+1とするものです。たとえば、エルデシュと共著論文を書いた研究者をAさん(「エルデシュ数」=1)とすれば、Aさんと共著論文を書いたBさんのエルデシュ数は2になります。多くの数学者が有限の「エルデシュ数」を持っており、つまり、なんらかの形でエルデシュと関わりのある研究をしていることになります。有名な数学者の秋山仁さんの「エルデシュ数」は2だそうです。

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    『新装版 集合とはなにか』
    エルデシュも研究した「集合論」の入門に最適な一冊です。ちなみに、著者の竹内外史さんのエルデシュ数も2です。

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