【サイエンス 7days】 第61回 3月27日~4月2日

  • 2017/03/27

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    第61回 3月27日~4月2日
    世界初の気象衛星打ち上げ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第61回は今日3月27日から4月2日までの一週間をみていきましょう。

    3月27日 物理学者のレントゲンが生まれる(1845年)

    この日、X線の発見者として知られる、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・コンラート・レントゲンが、ドイツ西部の都市レンネップに生まれました。1895年の秋、ミュンヘン大学の教授だったレントゲンは、クルックス管を用いて陰極線を研究するうちに、黒い紙や木片など不透明な物体を通過する未知の電磁放射線を発見し、これにX線と名づけました。人体を透過して骨の姿を映すX線の発見は、多くの人々に驚きを与え、この業績によりレントゲンは1901年に第1回のノーベル物理学賞を受賞しています。現在、X線は、化学物質の構造決定や、医療診断において欠かすことのできないものになっています。

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    『二重らせん』
    DNAの二重らせん構造の解明にも、X線は非常に大きな役割を果たしました。ワトソン博士が、その発見の裏側を赤裸々に綴った一冊です。

    3月28日 スリーマイル島原子力発電所事故(1979年)

    この日、アメリカ・ペンシルベニア州スリーマイル島の原子力発電所で、出力95万9000キロワットの加圧水型2号炉から轟音とともに白煙が立ちのぼり、放射性物質を含む蒸気が大気中に漏れ出す事故が発生しました。この事故を受けて、州知事は緊急事態を宣言し、原発周辺8キロメートル以内の学校を閉鎖、妊婦・乳幼児など住民への避難勧告を発令しました。のちの調査から、燃料棒の4分の1が破損した、当時としては史上最悪の原発事故だったことが明らかになりました。なお、国際原子力事故評価尺度(INES)では、スリーマイル島原発事故は「レベル5:施設外へのリスクを伴う事故」と評価されており、その後に発生したチェルノブイリ原発事故(1986年)や福島第一原発事故(2011年)は、これを上回る「レベル7:重大な事故」とされています。

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    『日本の原子力施設全データ 完全改訂版』
    「3・11」後、最も必要とされた定番ハンドブックをアップデート。原発から燃料加工・再処理施設、大学や企業が持つ研究炉まで、原子力施設の全貌がわかるデータブックです。

    3月29日 数学者のレビ=チビタが生まれる(1873年)

    絶対微分学、テンソル解析の開拓者として知られる、イタリアの数学者レトゥーリオ・レビ=チビタが、この日、イタリアのパドヴァに生まれました。テンソル解析は、アインシュタインの一般相対性理論を支える数学体系で、この分野の論文や教科書にはしばしば登場するエディントンのイプシロン(下記、レビ=チビタ記号とも呼ばれます)も彼の考案したものです。

     

    これが何の役に立つ記号なのか、パッと見てわかる人はあまりいないと思いますが、相対性理論の研究者には欠かせないものなんだとか。

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    『高校数学でわかる相対性理論』
    アインシュタインの相対性理論を、比喩やイメージではなく、高校数学を使ってしっかりと理解します!

    3月30日 未成年者飲酒禁止法の制定(1922年)

    この日、満20歳未満の者の飲酒を禁止し、親権者やその他の監督者、酒類を販売・供与した営業者について罰則を定めた「未成年者飲酒禁止法」が、制定されました。若年者の飲酒が禁止される背景には、成長期の飲酒が脳の発達に悪影響を及ぼす可能性や、飲酒開始年齢が若いほど「アルコール依存症」を短期間で発症するケースが多いことなどが挙げられています。ちなみに、未成年者喫煙禁止法は、飲酒禁止法よりも20年ほど早い1900年に制定されたそうです。

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    『基準値のからくり』
    なぜ禁酒禁止の基準は20歳と決まっているのでしょうか? 19歳や21歳ではない根拠はなんなのでしょうか? 世の中の基準値の意外な「決まり方」をご紹介します。

    3月31日 エッフェル塔完成(1889年)

    ジャン・ド・マルス広場に建つパリを象徴する鉄骨塔「エッフェル・タワー」が、この日、完成しました。1889年に開催されるパリ万国博覧会にあわせて、鉄骨構造技術の開拓者A・G・エッフェルの設計で建てられたものです。エッフェル塔は、鉄骨による新しい建築時代の到来を示す記念碑的な存在ですが、その見た目は、建設当時の人々には不人気だったそうです。ちなみに、完成当時の高さは312メートルでしたが、第2次世界大戦後に、ラジオ・テレビ塔として利用するためのアンテナが増設され、高さは320メートルになっています。

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    『住宅建築なんでも小事典』
    住宅の「構造」や「建て方」を、わかりやすく解説! 「木造」「RC造」の意味など、これだけは知っておきたい住宅建築の基礎知識が身につきます。

    4月1日 世界初の気象衛星「タイロス1号」打ち上げ(1960年)

    この日、大気の雲の動きを観測するための初めての衛星「タイロス1号」が、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。タイロス1号には、可視光と赤外線のビデオカメラが搭載されており、上空約650キロメートルの地点から、雲の映像を地上に送信しました。画像の解像度の低さや、カメラの向きが固定できず、うまく地球に向いたときにしか観測が行えないなど、現在の科学衛星と比較すると、非常に単純な構造でしたが、気象予報のための情報を得るというアイデアが実際に実行された初めての衛星でした。

    タイロスが宇宙から伝送した最初の画像

     

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    『新しい航空管制の科学』
    人工衛星が見つめるのは、雲だけではありません。この10年で急速に普及した、宇宙技術を利用した最新の航空管制システムの全貌を、管制官とパイロットのやりとりなども交えて紹介します。

    4月2日 ソ連が月探査機「ルナ4号」打ち上げ(1963年)

    世界初の月面軟着陸を目的とした無人探査機「ルナ4号」が、この日、ソ連によって打ち上げられました。この月探査計画は、まず地球の周回軌道へ探査機を一度のせて、そこからロケットの再点火によって、月へ向かう軌道へと投入するというユニークなものでした。地球周回軌道から飛び出すところまでは順調だったのですが、月へと向かう途中で航行システムが故障してしまいます。コントロールを失った衛星は、打ち上げから3日後の4月5日に、月の表面から約8400キロメートルの地点を通過し、そのまま太陽の周りを回りつづける人工惑星となってしまいました。ただし、月のそばを通過する際には、しっかりとその表面を観測し、データを地球へと送信しています。

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    『世界はなぜ月をめざすのか』
    アポロ計画が終了してから45年。いま、再び注目が集まっている月の探査・開発の現状を「かぐや2」計画に携わる著者が紹介します。

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