【サイエンス 7days】 第62回 4月3日~4月9日

  • 2017/04/03

    • ニュース

    第62回 4月3日~4月9日
    ピアノ調律の日

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第62回は今日4月3日から4月9日までの一週間をみていきましょう。

    4月3日 ルナ10号が月の周回軌道に乗る(1966年)

    この日、ソ連の打ち上げた探査機「ルナ10号」が、人工物としてははじめて月の周回軌道に入り、地球の孫衛星(=衛星の衛星)となりました。ルナ10号は、高さが1.5メートル、直径75センチメートルの円筒状の形状(下の写真)をしており、当時、それんが立て続けに打ち上げていたルナ計画の探査機のひとつです。3月31日に打ち上げられたルナ10号は、いったん地球の周回軌道に入ってから月へと向かい、この日、軌道に入ったところで推進部(ロケット)から衛星本体が切り離されました。ルナ10号はバッテリーが切れるまでの56日間で、月のまわりを460周し、月には強い磁場は存在しないこと、地球のような濃い大気も存在しないこと、そして重力異常があることを明らかにしました。

    ルナ10号(写真:NASA)

     

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    『曲線の秘密』
    惑星や衛星の軌道はなぜ円ではなく楕円になるのか。「円から楕円へ」をキーワードに「太陽系とケプラーの3法則」「ガリレオの円弧振り子からホイヘンスの振り子時計へ」「ピタゴラスの定理からフェルマーの最終定理へ」など、数学や物理で現れる曲線の秘密を見ていきます。

    4月4日 ピアノ調律の日

    調律の基準となるA音(ラの音)がApril(4月)の頭文字にあたること、A音の周波数が440ヘルツであることから、この日は、ピアノ調律の日と定められています。現代のピアノでは、ド、レ、ミ……の周波数は
      ドの周波数は約262ヘルツ
      レの周波数は約294ヘルツ
      ミの周波数は約330ヘルツ
    と決まっていますが、この周波数は数学の等比数列になっているのです。じつは、あらゆる音楽に使われているドレミ……は、もともと、素数2と3を使ってピタゴラスが決めたものなんだそうです。言葉にできない微妙な芸術である音楽と、式で厳密に記述される数学が、密接にかかわっているのはとても不思議ですね。

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    『音律と音階の科学』
    音楽と数学の意外で濃密な関係を解説します! 高エネルギー加速器研究機構(KEK)名誉教授の著者が、ドレミを徹底的に科学で語ります。

    4月5日 植物学者のシュライデンが生まれる(1804年)

    「細胞説」の提唱者として知られる植物学者、マティアス・ヤーコプ・シュライデンが、この日、神聖ローマ帝国(現在のドイツ)のハンブルクに生まれました。ハイデルベルク大学で法律を学んで弁護士になったものの、29歳で自然科学に転じ、ゲッティンゲン大学、ベルリン大学で医学と植物学を学びました。顕微鏡で植物の構造や発生過程を観察し、34歳の時に発表した『植物の発生』で、植物体の基本構成単位が「細胞」であるという考えを発表しました。彼の考えは、のちに解剖学者シュワンによって、動物も含めた「細胞説」として完成されました。また、『科学的植物学概要』を刊行し、従来の分類記載学的な研究方法に対し、顕微鏡などを用いた、細胞に基礎をおいた新しい物理的・化学的な研究方法を導入したことも業績のひとつです。

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    『入門 たのしい植物学』
    電信柱に突如咲いた美しい花々、ガラスビーズで栽培したキノコ、真っ赤な突然変異レンコンなど植物のふしぎな生態を紹介しながら植物学の基礎をたのしく解説します。

    4月6日 アメリカ初の商業通信衛星打ち上げ(1965年)

    アメリカを中心として1964年に設立された、初の宇宙通信国際機関である「国際電気通信衛星機構」(インテルサット)が、この日、大西洋上空への衛星打ち上げに成功しました。打ち上げられた「インテルサット1号 アーリーバード」によって、北米大陸とヨーロッパ大陸を結ぶ国際電話、テレビ、ファクシミリなどの商用通信が宇宙を通じて行えるようになり、一挙に「宇宙通信の時代」に突入しました。それまで2ヵ国間をつなぐ海底ケーブル交信と異なり、複数の場所での同時通信が可能となったことが大きな違いでした。現在では、1対1の通信は光ファイバーによるインターネットで世界中が結ばれるようになりましたが、、衛星放送など、広い範囲に一斉に情報を届ける際には、衛星通信が利用されています。

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    『これならわかるネットワーク』
    メールはどうやって送られる? インターネットにつながるのはなぜ? ブラックボックスに隠されたコンピュータ同士の情報のやりとりを基本からわかりやすく解説。

    4月7日 火星探査機「2001マーズ・オデッセイ」打ち上げ(2001年)

    この日、火星探査ミッション「2001マーズ・オデッセイ」の打ち上げが行われました。探査機は翌2001年10月24日に火星に到達すると、火星の大気抵抗を利用して減速し、2002年1月に火星周回軌道にのりました。火星周回軌道をまわりながら地表を撮影し、南極と北極を覆う二酸化炭素の氷(ドライアイス)の下に大量の水が存在していることを発見しています。この探査機のあともNASAや欧州宇宙機関(ESA)はつぎつぎと探査機を私の故郷に送り込んでおり、現在、私の故郷の上空には7つの人工衛星が回っています。

    2001マーズ・オデッセイと、観測データからわかる火星の想像図

     

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    『完全図解・宇宙手帳』
    ロケット開発から有人宇宙飛行、人工衛星、月・惑星探査、宇宙ステーションまで、半世紀におよぶ世界の宇宙開発・活動の記録を余すところなく収録! 宇宙好きにはたまらないデータブックです。

    4月8日 東京化学会創立(1978年)

    この日、日本化学会の前身である、東京化学会が、東京帝国大学理学部の卒業生と在校生からなる24名によって創立されました。初代会長は、のちに京都帝国大学で最初の化学講座教授となったは久原躬弦でした。1921年には日本化学会と改称し、さらに1948年には工業化学会と合同で、新しい組織として「日本化学会」を発足させ、これが現在の公益社団法人日本化学会となっています。ちなみにこの会が制定している記念日「化学の日」は10月23日です。いったいなぜこの日が、化学の日になったのか、みなさんはわかりますか?

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    『化学・意表を突かれる身近な疑問』
    100℃のサウナでヤケドしないのはなぜ? 昆布の出汁が海ででないのはなぜ? など言われてみれば不思議な疑問に日本化学会が答えます!

    4月9日 琵琶湖第1疏水が開通(1890年)

    滋賀県大津市浜大津の琵琶湖から京都市に通じる、長さ8.7キロメートルの琵琶湖第1疏水が、この日、完成しました。設計・施工は土木工学者の田辺朔郎で、滋賀県と京都府の境界にある、標高345メートルの長等山を約2.5キロメートルのトンネルで掘り抜いて作られました。このトンネルは、当時、日本で最長のもので、山の上から垂直に穴を掘って、そこから山の両側に向けて工事を進めていく竪坑(シャフト)方式を初めて採用したことでも知られています。

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