【サイエンス 7days】 第63回 4月10日~4月16日

  • 2017/04/10

    • ニュース

    第63回 4月10日~4月16日
    「アポロ13号」の打ち上げ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第63回は今日4月10日から4月16日までの一週間をみていきましょう。

    4月10日 有機化学者のウッドワードが生まれる(1917年)

    有機合成の分野において大きな業績をあげた化学者、ロバート・バーンズ・ウッドワードが、この日、米国マサチューセッツ州のボストンに生まれました。ウッドワードは、複雑な天然化合物の構造決定や、合成において類まれなる才能を発揮し、人工的な合成は不可能と考えられていた有機物を、緻密な設計と計画によって次々と合成してみせました。「20世紀最大の有機化学者」「現代の有機合成の父」などとも呼ばれ、1965年には、有機合成への貢献に対してノーベル賞が贈られています。また、有機化学反応の立体選択性を予測する「ウッドワード・ホフマン則」も彼が提唱した非常に重要な法則です。この法則は日本の福井謙一の論文をもとにして発表されたもので、1991年にロアルド・ホフマンと福井謙一がこの業績からノーベル賞を受賞しています。このとき、ウッドワードはすでに亡くなっていましたが、もし存命であったならば、2度目のノーベル賞受賞は確実だっただろうと言われています。

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    福井謙一やホフマンがノーベル賞を受ける基礎となった「分子軌道法」が、自分のパソコンで、実際に計算しながら理解できます。高校化学の知識で量子化学を学ぶ最良の入門書です。

    4月11日 「アポロ13号」の打ち上げ(1970年)

    ミッション途中での事故から奇跡的な生還を遂げたことで知られる月探査機「アポロ13号」が、この日、米国フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられました。地球の大気圏を脱出し、順調に月へと向かっていた宇宙船を悲劇が襲ったのは、打ち上げから55時間54分53秒後のことでした。船内の電線から発生した火花から引火し、酸素タンクが宇宙空間で爆発したのです。この事故によって、飛行士たちは、目標としては月への着陸はおろか、地球への帰還すら困難になってしまいました。しかし、NASAはあらゆる手段を講じて、宇宙船を維持し、搭乗していた3名の宇宙飛行士全員を無事に地球へと帰還させることに成功します。この見事な帰還劇は「栄光ある失敗」ともいわれています。事故発生後の臨機応変な対応はもちろんですが、じつは、このような事故を想定した訓練を出発前に行っていたというから驚きです。

    地球にもどってきたアポロ13号の司令船(写真:NASA)

     

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    4月12日 パンの日

    日本で初めてパンが作られたのは1842年のこの日、4月12日だといわれています。伊豆韮山の代官であり、軍学者でもあった江川太郎左衛門は、長崎のオランダ屋敷で製パン技術を覚えた人物からパンの製法を学び、自宅に作った窯で、この日、はじめてパンを焼きました。江川は、韮山の反射炉、品川台場の築造、戸田(へだ)の造船、種痘の実施、鋭音号令「気ヲ付ケ、前へナラエ、捧(ささ)げ銃(つつ)」の考案など、なかなかのアイデアマンだったそうです。パンの日は、この日を記念して全日本パン協同組合連合会が、1983年に制定したものです。

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    4月13日 喫茶店の日

    「喫茶店の日」は、明治21年(1888年)の4月13日に東京・上野に日本初の喫茶店「可否茶館」が開業したことに由来します。パリのコーヒーを飲ませる店「カフェ」をまねたのが始まりで、日本で初めてコーヒーを一般に提供したお店といわれています。コーヒー一杯の値段は1銭5厘で、そば一杯の値段の2倍もしたそうです。江戸時代に初めてコーヒーを飲んだ大田南畝(なんぽ 1749~1823年)は、「焦げ臭くて味わうに堪えず」と評していましたが、明治のこのころになると、日本人もコーヒーの味をおいしく感じられるようになっていたようですね。

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    4月14日 諫早湾干拓事業の潮受け堤防を閉鎖(1997年)

    20年前のこの日、有明海の浅い海を干拓し、農地に改良するために、諫早湾が7キロメートルの潮受け堤防によって閉めきられました。この事業によって、堤防の内側には、670ヘクタールの農地が整備され、現在では50品目以上の作物が栽培されています。干拓農地はミネラル分が豊富で、質の高い作物の生産が期待できます。一方で、干拓事業によって海が人工的に仕切られたこと、それによる湾内環境の変化が漁業不振を招いたとして、漁業者からは堤防の排水門を開けるよう求める声も挙がっています。農業者側と漁業者側の間での意見の対立は現在も続いており、大きな社会問題となっています。

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    4月15日 ロスアラモス研究所が開所(1943年)

    この日、原子爆弾開発の拠点となったロスアラモス国立研究所が、米国ニューメキシコ州ロスアラモスに設立されました。初代所長は物理学者のオッペンハイマーで、開所式は極秘裏に行われたそうです。「マンハッタン計画」の一環として創設されたもので、開所当初は約150人だった研究員の数は、半年後には約3000人に急増しています。ニールス・ボーア、エンリコ・フェルミ、ジョン・フォン・ノイマン、リチャード・ファインマンなど、著名な科学者が集結して急ピッチで進められた研究は、2年後の1945年、広島と長崎に落とされた2つの原子爆弾に結実します。

    人類初の核実験で生じた火球。爆発の0.016秒後を捉えたもので、高さは約200メートル。(写真:LANS)

     

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    『原子爆弾』
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    4月16日 熊本地震の本震が発生(2016年)

    2016年4月16日午前1時25分、熊本県益城町で震度7を記録した、マグニチュード7.3の地震が発生しました。わずか28時間前の4月14日午後9時26分に、マグニチュード6.5、震度7の地震が記録された同じ場所を、より大きな規模の本震が襲ったのです。最初の地震の後、電気の復旧を待って自宅に戻ったところで、さらに強い揺れに遭遇し、倒壊した建物の下敷きとなって亡くなられた方も多いそうです。「余震」は最初に起った「本震」よりも規模が小さい、という「刷り込み」は、一般の方はもちろん、地震学者でさえそう思いがちなんだそうですが、じつは、「本震」と同規模かそれを上回る地震が起こる可能性は、決して低くないそうです。私たちはどのように地震に対処すればよいのでしょうか。気鋭の活断層研究者が、この地震をうけて緊急解説した一冊をぜひこの機会にご一読ください。

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    『活断層地震はどこまで予測できるのか』
    日本列島に走る活断層の数は2000以上。今もどこかで地震の「火種」はくすぶりつづけています。いま、わたしたちが知っておくべき地震の知識を、豊富な図と写真でわかりやすく解説します。

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