【サイエンス 7days】 第65回 4月24日~4月30日

  • 2017/04/24

    • ニュース

    第65回 4月24日~4月30日
    ハッブル宇宙望遠鏡打ち上げ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第65回は今日4月24日から4月30日までの一週間をみていきましょう。

    4月24日 ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(1990年)

    この日、地上600キロメートルの大気圏外から宇宙を観測する「ハッブル宇宙望遠鏡」が、スペースシャトル・ディスカバリー号によって打ち上げられました。長さ13.1メートル、重さ11トンの筒に直径2.4メートルの鏡を収めた反射望遠鏡を、そのまま宇宙に打ち上げたもので、地球大気のゆらぎの影響を受けずに観測できるため、非常にシャープな天体の画像が得られるのが特徴です。皆さんも一度はハッブル宇宙望遠鏡による美しい天体画像をご覧になったことがあるかと思いますが、じつは、打ち上げ直後に設計ミスが判明し、観測開始から数年はピンボケ写真しか撮ることが出来なかったそうです。打ち上げから3年後の1993年に、スペースシャトルで宇宙飛行士が望遠鏡を訪れ、修理を施すことによって、ようやく設計通りの性能を発揮することができるようになりました。

    ハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された最も遠い宇宙の写真(ハッブル・エクストリーム・ディープフィールド)。人間の目で見える光の強さの100億分の1という、かすかな明るさの銀河まで捉えられています。

     

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    『へんな星たち』
    肉眼では小さな点にしか見えない恒星は、じつはとんでもない姿をしている!? 観測技術と天体物理学の進歩によって、明らかになった10個のへんな星たちに驚き笑い呆れながら、星の物理を学べる一冊です。

    4月25日 物理学者のパウリが生まれる(1900年)

    量子力学の体系を築いた物理学者ヴォルフガング・パウリが、この日、オーストリアに生まれました。パウリは18歳で一般相対性理論の論文を発表するなど、若くして物理学の才能を開花させ、ゾンマーフェルトやニールス・ボーアとともに量子力学の理論を構築した物理学者です。特に有名な業績は「パウリの排他律」と呼ばれる原理の提唱で、これは2つの電子は同じ量子状態を占めることができないというものです。この理論でパウリが提唱した新しい量子自由度という概念こそが、現在「スピン」と呼ばれるものだったのです。これらの発見によって、パウリは1945年にノーベル物理学賞を受賞しています。また、近年、日本人にノーベル賞をもたらした「ニュートリノ」の存在を、初めて予言したのもパウリです。

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    『量子力学が語る世界像』
    まるでSFのような並行世界が同時進行し、複数の過去や未来が重なり合ってくるという量子力学の「多世界解釈」。大胆な発想の転換によってこの摩訶不思議な世界を見事に説明する、新しい量子力学の考え方をわかりやすく解説します。

    4月26日 第1回国際精神分析学会の開催(1908年)

    この日、フロイトの設立したウイーン精神分析学会が中心となり、精神分析に関する初めての国際学会がザルツザルツブルクで開かれました。フロイトの精神分析研究はそれまでほぼ単独で行われてきたもので、性的な要因を強調しすぎることやフロイトがユダヤ人であることを理由にした差別から、一般にはまだ評価されていませんでした。この学会においてフロイトが行った、「ねずみ男」と呼ばれる強迫神経症患者の症例についての発表が大きな関心を呼び、かつての共同研究者ブロイラーや、その弟子のユングらが彼の理論を支持したことから、フロイトの名前と『夢判断』が世界に急速に広まったそうです。

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    『マンガ 心理学入門』
    フロイト、ユングの精神分析からゲシュタルト心理学、マズローの人間性心理学まで。広大な範囲に及ぶ心理学のエッセンスを、マンガやイラストを駆使して、わかりやくす解説します。

    4月27日 日本初の駅伝が開催される(1917年)

    この日、日本で最初の駅伝『東海道駅伝徒歩競争』が、京都の三条大橋から午後2時にスタートしました。東京遷都50周年を記念して、読売新聞が主催したもので、ゴール地点に選ばれたのは東京上野の不忍池でした。関東組と関西組の2チームが、総距離508キロメートルを23区間に分けたコースを昼夜問わず休まずに走り続けた過酷なレースは、スタートの翌々日の午前11時34分に、関東組のアンカー金栗四三がゴールテープを切って幕を閉じます。途中には、渡り船を使っての川越えなどもあったというから驚きです。このレースはたいへん好評を博したようで、3年後の1920年には現在まで続く箱根駅伝がスタートしています。

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    『ランニングする前に読む本』
    今から始めても、3ヵ月でフルマラソンは完走できる! 運動生理学から導かれたもっとも身体にやさしい走り方「スロージョギング」とは? 確実に結果を出す「科学的なノウハウ」を徹底解説します。

    4月28日 日本学術会議が「戦争目的の研究を行わない」ことを決議(1950年)

    日本学術会議は、行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的として、1949年1月に設立された日本の科学者を代表する機関です。この日、日本学術会議は総会において、「戦争を目的とする科学の研究には絶対従わない決意の表明」と題する下記の声明を決議しました。

    日本学術会議は,一九四九年一月,その創立にあたって,これまでの日本の科学者がとりきたった態度について強く反省するとともに,科学を文化国家,世界平和の礎たらしめようとする固い決意を内外に表明した。われわれは,文化国家の建設者として,はたまた世界平和の使徒として再び戦争の惨禍が到来せざるよう切望するとともに,さきの声明を実現し,科学者としての節操を守るためにも,戦争を目的とする科学の研究には,今後絶対に従わないというわれわれの固い決意を表明する。

    2015年に防衛省が発足させた「安全保障技術研究推進制度」をきっかけに、科学と戦争についての議論が活発になっています。科学者たちはこの宣言とどう向き合ってきたのか、これからどう向き合っていくのか、深く考えさせられます。

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    『新しい科学論』
    「自然科学は、けっして人間や人間社会から切り離された、中立の道具などではない」「(自然科学は)今日のわたくしども人間存在の様態を映し出す鏡」人間にとって科学とは何なのかを考える一冊です。

    4月29日 数学者のポアンカレが生まれる(1854年)

    位相幾何学の分野で活躍し、トポロジーの概念を発見したことで知られる数学者アンリ・ポアンカレが、この日、フランスに生まれました。ポアンカレは、エコール・ポリテクニク(理工科大学校)を卒業後、一度は鉱山技師になりますが、大学で数学を学び直し微分方程式の研究で学位を取ります。彼が1904年に提案した、位相幾何学における
    「単連結な3次元閉多様体は3次元球面 S3 に同相である」
    という定理はポアンカレ予想と呼ばれ、長い間未解決の難問でした。2000年には、アメリカのクレイ数学研究所が、この問題を含む7つの未解決問題にそれぞれ100万ドルの懸賞金をかけ、いわゆる「ミレニアム懸賞問題」として一般にも知られるようになりました。しかしこの発表のすぐ後、2002年から2003年にかけて、ロシアの数学者ペレルマンが、この定理を証明したという論文を発表したのです。複数の数学者の査読の結果、この証明が正しいことが確認され、ポアンカレ予想は発表からほぼ100年後に解決されることとなりました。

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    『数学21世紀の7大難問』
    「ミレニアム懸賞問題」を、高校生でもチャレンジできるように解説した、数学ファン待望の一冊です。1問解ければ、100万ドルがあなたの手に! ぜひ挑戦してみてください。

    4月30日 電子の発見を公表(1897年)

    この日、イギリスの王立研究所で開かれた金曜講話(Friday Evening Discourse)において、トムソンは「陰極線」が小さな粒子の流れであることを明らかにしました。トムソンは、この粒子がさまざまな元素に共通して含まれていることも見抜いており、「物質片(corpuscles)」と名づけています。この粒子こそが私たちが現在「電子」と呼ぶものだったのです。物質の最小単位は原子であると信じられていた当時、この「電子」の発見を信じる人は少なかったそうですが、1909年にミリカンが電子の電荷量(電気素量)を計測し、単一の電子を分離することに成功することによって、電子の存在は確かなものとして受け入れられるようになったそうです。

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    『光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと』
    トムソンによる電子を発見には、ファラデーとマクスウェルという先人の研究、そして、ミリカンらの追試・検証が不可欠でした。電磁気学の完成にいたるまでの流れを追いながら、物理学がどのように発展してきたのかを知る一冊です。

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