【サイエンス 7days】 第68回 5月15日~5月21日

  • 2017/05/15

    • ニュース

    第68回 5月15日~5月21日
    南極観測船「しらせ(2代目)」竣工

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第68回は今日5月15日から5月21日までの一週間をみていきましょう。

    5月15日 ヨーグルトの日

    ヨーグルトを「不老長寿の妙薬」として世界に紹介したロシアの微生物学者イリア・メチニコフの誕生日を記念して、この日はヨーグルトの日に制定されています。メチニコフはブルガリアに長寿の人が多いことの理由を探るうちに、その地域で日常的に食されていたヨーグルトを発見し、1907年にこれを長寿の原因として発表しました。メチニコフは免疫の研究者としてもノーベル生理学・医学賞を受賞した著名な科学者であったため、健康によいという説とともにヨーグルトが世界に広まることとなりました。もちろん、ヨーグルトを食べているだけで長寿になるなんてことはありませんが、いまでも、世界中でヨーグルトと健康の関係は研究が進められています。

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    『チーズの科学』
    こんなタンパク質、ほかにない! おいしい理由、身体にいい理由から世界のさまざまなチーズの薀蓄まで、この奥深い食べものの深淵に迫ります。

    5月16日 物理学者のデイビッド・ヒューズが生まれる(1831年)

    この日、印刷電信機(テレタイプ)の発明で知られる物理学者・電気技術者のデイビッド・エドワード・ヒューズが、ロンドンに生まれました。印刷電信機とは、キーボードでの入力を電気信号として送信し、受信側は電気信号を文字情報に変換しタイプライターで印字して表示するものです。ヒューズが発明した印刷電信機は1分間に250~300文字を印字することができ、それまでのモールス式の電信装置よりも簡単に使用できたことから、一般に広く普及しました。また、ベルの電話機にも使われたカーボンマイクロホンの原理を考案したのもヒューズです。彼の死後、数々の発明の業績をたたえるために、電気に関する発明研究で優れた業績をあげた人に与えられる「ヒューズ・メダル」が王立協会によって設立されています。

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    『誰が本当の発明者か』
    発明の歴史は「人と金と裁判の歴史」だった!? エジソンの白熱電球から、青色ダイオードまで。発明をめぐる栄光と挫折の物語をぜひご一読ください。

    5月17日 医学者ジェンナーが生まれる(1749年)

    この日、近代免疫学の父といわれる医学者エドワード・ジェンナーがイギリスに生まれました。ジェンナーは天然痘の予防接種である種痘法を開発したことで知られています。天然痘の予防法としてはジェンナー以前から、人間から抗原物質(いわゆるワクチン)を得る人痘接種が行われていましたが、この方法は、接種された際に天然痘の症状が出てしまい死に至る場合もある危険なものでした。ジェンナーは、天然痘よりも弱い牛痘をワクチンとして利用する方法を考案し、より安全な予防接種を実用化した初めての人物です。なお、ジェンナーはワクチンが高価になることを避けるために、あえて特許を取得しなかったそうです。

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    『インフルエンザ パンデミック』
    はたして新型インフルエンザは、人類を脅かす存在なのか。ロベルト・コッホ賞を受賞した世界的権威らが、最新の研究成果をもとに、インフルエンザウイルスにまつわるさまざまなミステリーを解き明かした一冊です。

    5月18日 フランスの高速鉄道TGVが時速500キロを突破(1990年)

    この日、フランス国鉄(SNCF)が運行する高速鉄道TGVが、走行試験において当時世界最速の時速515.3キロメートルを樹立しました。この記録は、2007年4月に同じくTGVが時速574.8キロメールで記録を更新するまで、じつに17年ものあいだ、鉄車輪式列車の速度としては世界一の座を占めていました。車輪とレールの摩擦によって推力を得る通常の列車では、この速度を大幅に更新することは難しくなっていますが、磁気によって車体を浮上させ、推力を得るリニアモーターカー方式では、さらなる高速化が実現可能です。2015年には、日本の中央新幹線L0系が時速603キロメートルという記録を達成しており、これが、現在のところ鉄道の最高速度記録とされています。

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    『図解 TGV vs. 新幹線』
    日仏両国が鉄道技術の粋を集めて完成させたTGVと新幹線。一見似ているようで、技術的思想が全く異なる両システムを、全角度から比較分析したはじめての本です。

    5月19日 探査機「ベネラ1号」が金星に最接近(1961年)

    2月21日にソ連が打ち上げた人類初の金星探査機「ベネラ1号」が、この日、金星に最接近しました。ベネラ1号は、直径1メートルほどの円筒形の本体とドーム型の頭部からなる、高さ約2メートル、重量643.5キログラムの探査機で、金星まで10万キロメートル以内まで接近しました。太陽風の測定器や、温度計、磁束計などの計測機器が搭載されていましたが、残念ながら最接近後は地球との交信が途絶えてしまい、金星の情報は得られなかったようです。ベネラ計画の探査機は、その後、16号まで打ち上げが続けられ、地球以外の惑星への初めての軟着陸や、地表からの映像の送信など、宇宙開発における重要なステップがこの計画でいくつも達成されています。

    探査機「ベネラ1号」(写真提供:NASA)

     

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    『完全図解・宇宙手帳』
    1957年に打ち上げられた世界初の人工衛星「スプートニク1号」から始まる半世紀におよぶ人類の宇宙への挑戦。その歩みを網羅するとともに、豊富な図解で宇宙開発の技術と基礎知識を解説した決定版データ集です。

    5月20日 南極観測船「しらせ(2代目)」竣工(2009年)

    この日、国立極地研究所の南極観測船・砕氷船「しらせ」の竣工式が行われました。全長138メートル、全幅28メートル、塗装による海洋汚染を防ぐステンレス外装を施された船体には、新しいヒーリング(横揺れ防止)機構などハイテク設備が備えられ、80名の観測隊員を搬送可能です。初めての任務は、第51次南極観測隊の輸送で、2009年11月10日に東京晴海埠頭を出港し、翌2010年4月9日に帰還しました。なお、先代の「しらせ」は、現在「SHIRASE」と名前を改めて、一般公開されています。実際に船の内部を見学できるイベントもあるようですので、興味をお持ちの方はこちら(http://shirase.info/)をチェックしてみてはいかがでしょうか。

    観測船「しらせ」(出典:海上自衛隊ホームページ)

     

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    『地球環境を映す鏡 南極の科学』
    「氷床」の厚さは富士山の高さを超え、氷の下には“幻の巨大湖”が存在している!? 基地における最新の観測方法やその生活内容まで、“現在の南極”にまつわるエピソードを網羅した1冊です。

    5月21日 リンドバーグが大西洋無着陸横断飛行に成功(1927年)

    この日、アメリカの冒険飛行家チャールズ・リンドバーグが、単葉機「スピリット・オブ・セントルイス号」で大西洋の無着陸横断飛行に成功しました。20日の5時52分にニューヨークを飛び立ったリンドバーグは、5800キロメートルを33時間30分かけて飛行し、翌21日22時21分(現地時間)にパリに到着しました。到着地点のル・ブルジェ空港には、到着を待つ大勢の人々が集まり、その人数は100万人に達したとも言われています。この成功により、リンドバーグは一躍国民的な英雄となりましたが、じつは冒険家としてだけでなく、工学者としても後世に残る業績をあげています。それは、「カレル・リンドバーグポンプ」という世界初の人工心臓の発明です。心臓病だった姉を助けるために開発したもので、残念ながら実用化は姉の死に間に合いませんでしたが、ポンプで血液を循環させるというアイデアが初めて形になったものとされています。

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    『図解・飛行機のメカニズム』
    軽く丈夫な機体の構造や安全のための工夫、操縦システム、エンジンと燃料系統、機体システムなど、「より安全に速く大量に」を目指す航空技術の最先端を、豊富な図解で解説します。

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