【サイエンス 7days】 第69回 5月22日~5月28日

  • 2017/05/22

    • ニュース

    第69回 5月22日~5月28日
    ミレニアム懸賞問題の発表

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第69回は今日5月22日から5月28日までの一週間をみていきましょう。

    5月22日 国際生物多様性の日

    「生物の多様性に関する条約」が1992年のこの日に採択されたことにちなんで、毎年5月22日は国連によって「国際生物多様性の日(International Day for Biological Diversity)」に定められています。採択された条約の目的は、(1)生物多様性の保全、(2)生物多様性の構成要素の持続可能な利用、(3)遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分、の3つです。毎年この日にあわせて、世界各地で普及啓発活動が行われており、日本でもたくさんのイベントが開催されています。今年開催されるイベントについては、こちらのサイト(http://tayousei.com/2017/04/28/1751/)にまとめられていますので、興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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    5月23日 博物学者のリンネが生まれる(1707年)

    この日、分類学の父とよばれる博物学者カール・フォン・リンネが、スウェーデンに生まれました。リンネはスウェーデンのルンド大学、ウプサラ大学で医学と植物学を学び、ラップランドを探検しながら自然調査を行いました。1735年に出版した『自然の体系』は、それまでに知られていた動植物を特徴に基づいて分類したもので、近代的な生物分類法はここから始まったとされています。また、生物の学名を、属名+種名で表す「二名法」を確立したのもリンネです。たとえばヒト(人間)は、ヒト属「Homo」のヒト「sapiens」という種ですので、Homo sapiens(ホモ・サピエンス)となります。ジャワ原人はヒト属のエレクトス「erectus」という種で、Homo erectusと呼ばれます。ブルーバックスの公式キャラクターである私の学名はいったいどうなるのか、博物学者の方にうかがってみたいところです。

    1735年に出版された『自然の体系(SYSTEMA NATURAE)』の初版

     

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    『カラー図解 アメリカ版 大学生物学の教科書』
    マサチューセッツ工科大学をはじめ、アメリカの数多くの大学で採用されている『LIFE』を翻訳。見て楽しい! 世界基準の生物学教科書です。

    5月24日 ミレニアム懸賞問題の発表(2000年)

    この日、アメリカのクレイ数学研究所は、未解決の数学の難問7つに100万ドルの懸賞金をかけることを発表しました。懸賞金がかかった問題は以下の7問です。

     1.ヤン-ミルズ方程式と質量ギャップ問題
     2.リーマン予想
     3.P≠NP予想
     4.ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさ
     5.ホッジ予想
     6.ポアンカレ予想
     7.バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想

    このうち、ポアンカレ予想は2002年に、ロシアの数学者グレゴリー・ペレルマンによって解決されましたが、あとの問題はすべて未解決のままです。このページをお読みの方で、我こそはと思う方は下記のブルーバックスを読んで、難問にチャレンジしてみてください。そして、見事賞金を獲得した際には、ぜひブルーバックスで一冊お書きいただければと思います。

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    『数学21世紀の7大難問』
    いったいどんな問題なのか? なぜ解けないのか? 「ミレニアム懸賞問題」を、高校生でもチャレンジできるように解説した、数学ファン待望の一冊です。

    5月25日 アジアゾウが江戸に登場(1792年)

    この日、ベトナムから連れてこられたアジアゾウの雄が、江戸に到着しました。江戸城内で将軍徳川吉宗に披露されたゾウは、その後あちこちの大名家を引きまわされたため、その道中で庶民の目に触れることとなりました。巨大哺乳類を一目見ようと、江戸は見物客で大にぎわいとなり、本・絵・双六などゾウグッズも登場したそうです。珍しい動物が話題になると、すぐに関連グッズが作られるというのは、200年経った現在でもまったく同じですね。ちなみに、これ以前にもゾウが日本に連れてこられた記録は残っており、1408年に若狭国(福井県)に渡来したのが日本初といわれています。

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    『算法勝負!「江戸の数学」に挑戦』
    江戸の庶民は、動物だけでなくパズルにも興味あり!? 数学を粋な娯楽として楽しんだ、江戸の風情をぜひ味わってください。

    5月26日 数学者のド・モアブルが生まれる(1667年)

    この日、数学者のアブラーム・ド・モアブルが、フランスのシャンパーニュに生まれました。彼のもっとも有名な業績はその名も「ド・モアブルの公式」と名付けられた、三角関数についての下記の公式です。

     

    この公式から三角関数の倍角の公式や、三倍角の公式が導出できます。さらには、最も美しい数式と呼ばれるオイラーの等式とも密接にかかわっているそうです。


    (オイラーの等式)

     

    また、確率統計で用いられる「正規分布」もド・モアブルの研究成果です。ちなみに、ド・モアブルが上記の公式を発表したのは、60歳を超えてからのことでした。数学者は早熟というイメージがありますが、いくつになっても大発見をするチャンスがあると思うと勇気づけられますね。

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    『複素数とはなにか』
    ド・モアブルの定理は複素数と幾何を結びつける大変重要な定理です。本書は、虚数の誕生から、幾何学的なド・モアブルの公式の理解、そしてオイラーの公式までを解説します。

    5月27日 気球で初の成層圏到達(1932年)

    この日、スイスの物理学者・冒険家のオーギュスト・ピカールは、自らが設計した直径30メートルの大気球に乗って、高度1万6940メートルの上空に到達しました。これは、世界初の気球による成層圏到達でした。ピカールはその後も高度の更新に挑み続け、最終的な記録は2万3000メートルに達しました。また、ピカールは空だけでなく海にも興味を持っており、やはり自ら設計した深海探査艇によってマリアナ海溝にも挑戦しています。1960年には、彼が設計した「トリエステ号」が、息子のジャック・ピカールと軍人のドン・ウォルシュの操縦により、地球でもっとも深い地点である、マリアナ海溝のチャレンジャー海淵最深部への到達に成功しています。

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    『日本の深海』
    日本の「海の広さ」は世界第6位ですが、水深5000メートルより深い海域の体積では世界1位なんだそうです。日本のまわりの海底にある豊かな世界を多角的な視点で紹介します。

    5月28日 花火の日

    享保18年(1733年)のこの日、前年に発生した大飢饉とコレラ流行による死者の慰霊のための花火大会が、両国の川開きにあわせて開かれました。この大会が好評を博したことから、隅田川での花火大会は恒例行事となり、その後、各地で花火大会が行われるようになったそうです。この歴史的な花火大会を記念して、5月28日は花火の日とされています。両国の花火大会は、社会情勢や隅田川の環境の変化により何度か中断されていた期間もありますが、現在でも「隅田川花火大会」としてその伝統が受け継がれています。

    歌川広重の「名所江戸百景」で描かれた両国の花火

     

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    『火薬のはなし』
    爆薬や宇宙ロケットなどの実用的な利用から、打ち上げ花火と「玉屋」「鍵屋」のエピソードまで、火薬のすべてを分かりやすく解説した一冊です。

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