【サイエンス 7days】 第71回 6月5日~6月11日

  • 2017/06/05

    • ニュース

    第71回 6月5日~6月11日
    成層圏の発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第71回は今日6月5日から6月11日までの一週間をみていきましょう。

    6月5日 日本の超高層ホテル第一号が開業(1971年)

    この日、日本における超高層ホテルの第一号「京王プラザホテル」が、東京・新宿に開業しました。地下3階、地上47階建てのこのビルは、178メートルという当時日本一の高さを誇り、また、ビル全体がホテルとして使用される建物としては世界一の高層ビルでした。ちなみに、現在のホテルビル世界一は、2013年にアラブ首長国連邦の首都ドバイにオープンした、JW・マリオット・マーキス・ホテル・ドバイで、高さはなんと355メートル。たった40年で、京王プラザホテルのほぼ2倍の高さです。じつは高層建築がこれほどブームになっているのは、太陽系の中では地球だけです。私の故郷である火星の友達が地球を見ていたら、いったい何が起こっているのかと不思議に思っていることでしょうね。

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    『図解・超高層ビルのしくみ』
    地震動や台風の暴風雨に備える耐震技術、大工事を滞りなくやり遂げるノウハウ、1万人が安全・快適に過ごすためのエレベーターや空調、防災のスゴ技など、日本の超高層ビルの大胆で細やかなしくみの数々をご紹介!

    6月6日 上高地の焼岳が大噴火(1915年)

    この日、1907年ごろから活動が活発になっていた長野県安曇野の焼岳(やけだけ)が大噴火し、流れ出た溶岩流が梓川(あずさがわ)をせき止めたことで、大きな池が形成されました。大正4年にできたことから「大正池」と命名されたこの池は、穂高岳を背景に立ち枯れの樹木が林立する異様な風景を作り出し、その後、有名な観光スポットとなりました。大正池は当初、南北1540メートル、東西約250メートルもあったそうですが、梓川からの堆積物によって徐々に縮小し、現在はかつての約3分の1の面積になっています。堆積は現在も続いており、観光資源の維持と、水力発電の調整池として利用するために、土砂を取り除く作業が毎年行われています。これをやめてしまえば、10年以内に池は土砂で埋まってしまうとも言われています。数万年もかけて湖底の地層が形成される場所がある一方で、地形がこんなに急速に変わっていくところもあるなんて驚きです。

    大正池の風景(© 663highland)

     

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    『日本列島100万年史』
    現在、私たちが目にする風景・地形も、時代をさかのぼるとまったく違った表情を表します。複雑な地形に富んだ列島各地の成り立ちを解き明かす、驚きに満ちた日本列島史。足下に広がるドラマチックワールドへようこそ!

    6月7日 建築家のマッキントッシュが生まれる(1868年)

    アール・ヌーボー風の有機的なデザインや、植物や人体に基づく曲線を追究した家具デザイナー・建築家のチャールズ・レニー・マッキントッシュが、この日、スコットランドのグラスゴーに生まれました。マッキントッシュは、グラスゴー美術学校で建築を学び、有機的な曲線を用いた家具、古代ケルトのモチーフを用いた工芸品などを発表しました。また、伝統的な職人芸や手仕事による美しい日用品・デザインを生活空間に取り入れる、アーツアンドクラフツ運動の推進者としても知られています。

    マッキントッシュがデザインした椅子

     

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    『人間工学からの発想』
    クオリティ・ライフを設計するための知恵!! 人間と機械との調和を求めて、スピードの速い機械や複雑なメカニズムをもつ機械を対象にスタートした人間工学は、いまでは生活機器や建築空間にまで応用の範囲が広がっています。1982年初版発行の大ロングセラーです!

    6月8日 成層圏の発見(1902年)

    この日、フランスの気象学者ド・ボールが、気球観測によって、地表付近の対流圏とは異なる大気の層が上空に存在することを発見しました。この層は地表から10~50キロメートルにあり、低いところでは温度が低く、高度が上昇するにつれて温度も高くなるという特徴があります。発見当初、これは、温度の異なる空気が層構造をなして積み重なっているためと考えられ「成層圏」と名づけられました。ただし、その後の観測から、実際には成層圏にも気流があり、風が吹いていることが明らかになっています。生物に有害な太陽からの紫外線を吸収するオゾン層があるのも成層圏です。なお、私の故郷、火星には成層圏もオゾン層もありません。

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    『謎解き・海洋と大気の物理』
    高低差がない海に、海流があるのはなぜ? エルニーニョが遠い日本にも影響をおよぼすのはなぜ? 大海原や広大な空でおきる不思議な現象の数々を演出する「コリオリの力」の正体に迫りながら、海洋物理学から気象学、気候学までわかりやすく解説する入門書です。

    6月9日 発明家のスティーブンソンが生まれる(1781年)

    世界初の実用的な蒸気機関車を製作したことで知られる発明家、ジョージ・スティーブンソンが、この日、イングランドに生まれました。貧しい家庭に生まれ、学校に通うことができなかったスティーブンソンは、14歳から炭坑で働きはじめますが、教育の重要性を感じて18歳から夜間学校で読み書きと算数を学んだそうです。その後、炭坑で働きながら、ギアやポンプの修理を請け負うようになり、次第に機械に精通するようになりました。1813年には、炭坑主から、馬で引くトロッコに代わる蒸気機関車の製作を依頼され、翌年、「ブリュッヘル号」の試運転に成功しました。さらに1825年には、ストックトン~ダーリントン間の21キロメートルに世界初の旅客用鉄道を開通させています。英国をはじめ、ベルギー、スペインなどで技師・顧問として鉄道建設に携わったスティーブンソンは、現在では「鉄道の父」と呼ばれています。

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    『図解・鉄道の科学』
    電車が走る・曲がる・止まるホントの理由。静かで揺れない電車を実現した意外なアイディア。安全で正確な運行を支える究極のハイテク技術。他書では読めない鉄道のしくみをその根本原理から解説した一冊です。

    6月10日 北陸トンネル開通(1962年)

    この日、北陸本線敦賀(つるが)~南今庄(みなみいまじょう)間にある1万3870メートルの、当時日本最長の鉄道トンネルが開通しました。着工は1957年、急勾配が続き補助機関車を必要とするなど、輸送上のネックだった区間を解消することが目的でした。破砕帯(細かく砕かれた岩の隙間に、地下水を大量に含んだ軟弱な地層)や湧水で工事はたいへん難航しましたが、ここでの技術経験が、東海道新幹線のトンネル工事に活かされることになったそうです。また、1972年11月6日には、トンネル内で列車火災が発生し、死者30名を出す事故(北陸トンネル火災事故)が発生しています。この事故を契機として、建材の難燃化、消化器の増備、トンネル内避難通路の整備など、鉄道トンネル火災の対策が進みました。

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    『日本の土木遺産』
    日本の近代化を支えた橋梁やトンネル、鉄道・港湾施設などのインフラストラクチャーは、いまも各地でその姿をとどめています。土木学会おすすめの「土木遺産」約40ヵ所を厳選し、建設に尽力した技術者の活躍に触れながら紹介します。

    6月11日 月周回衛星「かぐや」が運用終了(2009年)

    2007年に打ち上げられ、月のまわりを周回しながら、その地形や周囲の磁気・重力などを観測した衛星「かぐや」が、この日、最終ミッションとして月面に計画的に落下させられました。「かぐや」は、アポロ計画以来最大規模の月探査計画で、ハイビジョンカメラで撮影した月面の映像や、レーザー計測によって月の全球表面高さを誤差5メートルの精度で測定した地形図など、さまざまな月のデータを収集しました。このデータを解析した結果、巨大隕石が地球に衝突したことで月が生まれたという「巨大衝突説」を裏付ける証拠が得られたほか、より詳細な形成プロセスも明らかになってきたそうです。もちろん火星にも衛星が2つありますが、これらはどちらも、小惑星が火星の重力によって捕獲されたものと考えられています。

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    『世界はなぜ月をめざすのか』
    「かぐや2」など月探査プロジェクトに参加する著者が、最新の科学データから、水面下で繰り広げられている月探査をめぐる各国の攻防まで、詳しく具体的に解説します。

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