【サイエンス 7days】 第73回 6月19日~6月25日

  • 2017/06/19

    • ニュース

    第73回 6月19日~6月25日
    メートルの誕生

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第73回は今日6月19日から6月25日までの一週間をみていきましょう。

    6月19日 太平洋横断電話ケーブルの営業開始(1964年)

    この日、世界初の太平洋横断海底電話ケーブル「TPC-1」の運用が開始され、これにより日米間の即時通話が可能となりました。このケーブルを通した最初の会話は、池田勇人首相とリンドン・ジョンソン米大統領の間で行われた記念通話でした。海底ケーブルの設置は、米国AT&T社とハワイアンテレコム社の共同事業によるもので、TPC-1の技術は、その後の光ファイバー海底ケーブル建設技術の基礎にもなっています。TPC-1は現在、電話通信のケーブルとしては引退していますが、地球磁場変動などによって生じる海底ケーブル間の電位差を調べる用途などで、地震研究に役立てられています。

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    6月20日 ペパーミントの日

    料理の飾りつけや、香辛料として利用されるペパーミントは、シソ科ハッカ属の多年草で、ハーブの一種です。この記念日は、ペパーミントの産地として知られる北海道北見市が、1987年に制定したもので、ハッカ=はつか(20日)の語呂合わせと、6月の北海道の爽やかさがペパーミントの爽快感に通じることから、この日が選ばれたそうです。ちなみに、ペパーミントに特徴的なハッカの香りは、メントールという分子がもとになっています。この分子には、ちょうど鏡写しにした形の「鏡像体」と呼ばれる分子が存在しますが、その分子には、ハッカの香りは感じられないそうです。完全に同じ原子の組み合わせで、構造のほとんど同じような分子が、まったく別の香りになるというのはとても不思議なものですね。

    メントールの分子 左側の(-)体だけがハッカの清涼感のある香りを持つ。

     

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    6月21日 天文学者のウォルフが生まれる(1863年)

    写真を使った天文学のパイオニアとして知られる物理学者マックス・ウォルフが、この日、ドイツのハイデルベルクに生まれました。ウォルフは長時間露出法という天体観測法を開発し、約500個の小惑星と、数千にも及ぶ星雲を発見しました。また、天文学者のバーナードとともに「暗黒星雲」を世界で初めて発見したことでも有名です。暗黒星雲とは、ガスや宇宙塵で構成される星間物質が光を吸収してしまい、そこだけ星が見えない暗黒の領域として観測される部分のことで、代表的なものに、オリオン座の馬頭星雲などがあります。

    ハッブル望遠鏡が撮影したオリオン座の馬頭星雲(写真提供:NASA)

     

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    6月22日 メートルの誕生(1799年)

    この日、政治家タレーランの提案に基づき、フランス政府が計量単位の統一事業を開始しました。このとき提案された新単位系は、地球子午線の4千万分の1の長さを1メートルと定義するもので、この長さに相当する、白金を材料とした板状のメートル原器が計測の基準として採用されました。この原器はアルシーヴ原器(Metre des Archives)と呼ばれています。その後、1869年には、アルシーヴ原器の長さそのものが1メートルの定義へと変更されるなど、数回の定義変更を経て、現在は「真空中で光が1/299792458秒間に進む距離」が1メートルの定義になっています。

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    6月23日 世界初のタイプライター(1868年)

    この日、アメリカの発明家クリストファー・レイサム・ショールズが、世界初の実用的なタイプライターの特許を取得しました。世界初のタイプライターは、1714年にイギリスのヘンリー・ミルという人物によって発明された「指でキーをたたくことで文字を紙に印字する機械」だと考えられていますが、ショールズの考案した機械は、手紙のような一般的な書類を作成できるもので、のちに世界中で使われるようになるタイプライターの原型となったものです。なお、タイプライターという名前も、ショールズが試作機に命名したものです。最近は、パソコンのワープロソフトの普及で、タイプライターの姿を見かけることはなくなりましたが、左上からQWERTとならんだキーボードの配列はショールズが考案したものがいまだに使われ続けています。

    ショールズが特許を取得したタイプライター

     

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    6月24日 ドレミ音階の発見(1024年)

    この日は、イタリアの僧侶ギドー・ダレッツオが、「ドレミ…」という音階の呼び方を定めた日と言われています。ダレッツオは教会の合唱隊に「聖ヨハネ賛歌」を指導する際に、その曲の各小節の最初の音に「Ut Re Mi Fa Sol La」という階名をつけました。これが一部修正されながら使われ、現在の「ド レ ミ ファ ソ ラ シ」という呼び方が出来上がったそうです。ダレッツオの音楽指導法は当時から高く評価されており、現在用いられる楽譜記譜法の原型を考案したのも彼の業績なんだそうです。

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    『音律と音階の科学』
    あらゆる音楽に使われている「ドレミ……」という音階は、どのように決められたのでしょうか? そこには、音楽と数学のちょっと意外で濃密な関係があるのです。

    6月25日 東京馬車鉄道が開通(1882年)

    この日、日本初の馬車鉄道が、新橋~日本橋間に開通しました。2本の鉄製レールの上を、2頭の馬が客車を引くもので、定員は24~27人。御者が鈴を鳴らして、道行く人に馬車の接近を知らせました。開通当初には、職を奪われるとして、人力車の車夫の激しい反対運動や妨害も起こったそうです。沖縄から北海道まで、日本各地で運行された馬車鉄道でしたが、その後、糞尿の処理や餌やりの手間のかからない電車が発達するにつれて、急速にその姿を消していきました。現在、馬車鉄道は、北海道の野幌森林公園や、岩手県の小岩井農場などにおいて、観光用に再現されたものが運行されているそうです。

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    明治・大正・昭和の貴重な鉄道施設について、歴史や技術史的な見どころを専門的な視点で紹介します。読んだら、自分でも足を運んでみたくなること請け合いの一冊です。

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