【サイエンス 7days】 第74回 6月26日~7月2日

  • 2017/06/26

    • ニュース

    第74回 6月26日~7月2日
    ダーウィンが進化論を発表

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第74回は今日6月26日から7月2日までの一週間をみていきましょう。

    6月26日 物理学者のウィリアム・トムソンが生まれる(1824年)

    絶対温度の単位K(ケルビン)にその名を残す物理学者、ウィリアム・トムソン(ケルビン卿)が、この日、アイルランドのベルファストに生まれました。絶対温度の概念の導入、熱力学第二法則の定式化、熱力学のトムソン効果(温度勾配のある金属に電流を流した際に起こる発熱・吸熱現象)の発見、ジュール‐トムソン効果(気体の膨張に伴う温度変化)の発見など、トムソンは科学史上に残る多数の業績をあげました。また、海底電信の研究や、羅針盤、水深計の発明など多くの実用的な技術開発にも携わっており、まさに19世紀を代表する科学者の一人です。

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    『光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと』
    ファラデーが提唱した「電磁場」という概念を、数学的に定式化したのがトムソンです。ファラデーの実験からマクスウェルの方程式にいたる科学者たちの営みをたどりながら、電磁気学の本質を理解する一冊です。

    6月27日 パンダの赤ちゃん誕生(1985年)

    この日、東京の上野動物園で、中国から送られたジャイアントパンダのホアンホアンが、フェイフェイとの人工授精で赤ちゃんを出産しました。日本で初めて誕生したパンダの赤ちゃんだったことから、チュチュ(初初、Chu Chu)という名前が付けられましたが、出産から2日後、チュチュは母親の下敷きとなり、死亡してしまいました。その後、ホアンホアンは再び人工授精によって妊娠し、1986年にトントンを出産します。トントンは無事に成長し、その姿を一目見ようと多くの人が上野動物園に訪れるようになりました。なお、生まれたばかりのパンダの赤ちゃんはとても小さく、体重はわずか100グラム程度しかないそうです。

    ジャイアントパンダ

     

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    『カラー図解 古生物たちのふしぎな世界』
    地球にこんな生き物がいたなんて!? 生態系の覇権をめぐる古生代のふしぎな生物たちの物語を、100点に及ぶ精緻なカラーイラストと化石写真で解説します。

    6月28日 物理学者の長岡半太郎が生まれる(1865年)

    この日、土星型原子模型の理論で知られる物理学者の長岡半太郎が、長崎県に生まれました。長岡半太郎は、帝国大学物理学科を卒業したのち、ドイツでヘルムホルツや、プランクに師事し、帰国後は、帝大教授や理化学研究所創立時の物理部長を務めるなど、日本の物理学の発展に大きな貢献をした人物です。1903年に発表した土星型原子模型は、正電荷と質量が中心に集中してきわめて小さな原子核を作り、その周りを電子が回っているというもので、ラザフォードが1911年に発表した原子模型の先駆けとなったものです。長岡半太郎が考えていたモデルは、原子一つにつき電子が数百から数万個も含まれるというもので、実際には、原子に含まれる電子の個数はこれよりもはるかに少ないものであることがのちに明らかになるのですが、原子核と電子の関係を初めて適切に捉えたモデルとして、科学史に名を残しています。

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    『量子力学の世界』
    1967年の初版発行から半世紀にわたって読まれ続けてきた、ブルーバックスのベストセラー! 湯川秀樹の愛弟子による、すべてのひとのための量子論の入門書です。

    6月29日 日本初の2段ロケット発射実験(1955年)

    この日、東京大学技術生産研究所の航空工学者・糸川英夫らが、日本初となる2段ロケットの発射実験に成功しました。糸川らが全長23センチメートルの超小型「ペンシルロケット」の発射実験に初めて成功したのは、このわずか2ヵ月前のことだったということですから、日本のロケット技術がまさに日進月歩で発展していたことがうかがわれます。この実験が、ベビーロケット、カッパーロケット、ラムダロケット、ミューロケットなどを経て、現在のH-IIAロケットまで繋がっていくことになります。なお、小惑星探査機「はやぶさ」が着陸した小惑星「イトカワ」の名前は、この実験を主導した糸川の名前にちなんだものです。

    糸川英夫とカッパーロケット

     

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    『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』
    初めての小惑星からのサンプルリターンをを成功させた「はやぶさ」には、決して「奇跡」や「運」ではない計算しつくされた技術の裏づけがあった! プロジェクト関係者らが立ち上げから帰還までの舞台裏をはじめて明かした一冊です。

    6月30日 初のうるう秒挿入を実施(1972年)

    1972年のこの日、国際標準時局(International Time Bureau)の決定によって、初めてのうるう秒の挿入が実施されました。うるう秒とは、原子時計によって決定される国際原子時(TAI)と、地球の自転を基準とした世界時(UT1)のずれを調整するために挿入される秒のことで、通常は存在しない「6月30日の23時59分60秒(日本時間では7月1日の8時59分60秒)」を挿入することで一日の長さを1秒だけ長くする調整が行われました。1972年以来、27回の調整が実施されており、直近では2017年1月1日にうるう秒の挿入が行われています。国際原子時と世界時がずれてしまう原因は、1967年に定められた「セシウム133原子の超微細構造準位の間の遷移周期の9192631770倍」という1秒の定義を用いると、地球が1回転するのにかかる時間、つまり1日の長さが平均24時間と0.001秒(86400.001秒)になることにあります。地球の自転速度は日々変動していますが、平均すると1~2年で、国際原子時と世界時には1秒程度のずれが生じることになり、これを調整するために、うるう秒が挿入されることになるわけです。

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    『時空のからくり』
    相対性理論によれば時間は観測者に依存する相対的なものだと考えられています。となると「1秒の定義」とは、いったい何を意味しているのでしょうか? おどろきとふしぎに満ちた時空の性質を一から解き明かし、相対性理論の「宇宙観」をゼロから理解する一冊です。

    7月1日 ダーウィンが進化論を発表(1858年)

    この日、ロンドン・リンネ学会の総会において、地質学者のチャールズ・ライエルと植物学者のフッカーが、チャールズ・ダーウィンとアルフレッド・ラッセル・ウォレスの論文を代読する形で、自然選択のアイデアを含む「進化論」を発表しました。この発表自体は、あまり話題にならなかったそうですが、翌年に発表した『種の起源』は、予想外の人気を博し、大きな論争を呼びながら、世界中に「進化論」が知れ渡るようになりました。ちなみに、『種の起源』には「evolution(進化)」という言葉はあまり使われておらず、「descent with modification(変化を伴う系統)」という表現がよく登場するそうです。これは「evolution(進化)」という言葉にふくまれる、「前進」「発展」というイメージが、ダーウィンの考える「自然選択」の概念とは別物であることを意識してのことではないかと言われています。

    1859年に出版された『種の起源』の初版の表紙

     

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    『カラー図解 進化の教科書』
    ハーバード大学、プリンストン大学他全米の200校以上の大学で採用された、世界中でもっとも読まれている進化の教科書の決定版です。 第1巻「進化の歴史」、第2巻「進化の理論」に続き、第3巻もこの夏発売予定です。

    7月2日 物理学者のブラッグが生まれる(1862年)

    X線の回折・反射についての「ブラッグの法則」で知られる物理学者ヘンリー・ブラッグが、この日、イギリスに生まれました。ブラッグの法則とは、結晶面の間隔(d)、結晶面とX線が成す角度(θ)、X線の波長(λ)、の間に、

     

    という関係(ブラッグの式)がある場合に、X線は反射(回折)するというものです。ブラッグの式はX線による結晶構造解析の基本となるものであり、この技術はのちに、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックによるDNA構造の解明にも用いられることになります。なお「ブラッグの法則」は、ヘンリー・ブラッグとその息子の、ローレンス・ブラッグによって発見されたもので、二人は共同でノーベル賞を受賞しています。このとき、息子のローレンスはまだ25歳であり、物理学部門では現在までのところ最年少のノーベル賞受賞者です。

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    『結晶とはなにか』
    水晶、ルビー、ダイヤモンド、食塩、砂糖…私たちのまわりには、多くの結晶があり、太古から私たちを魅了し続けてきました。結晶とは物質のどういう状態なのか? その美しさと純粋さの秘密に迫ります。

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