【サイエンス 7days】 第75回 7月3日~7月9日

  • 2017/07/03

    • ニュース

    第75回 7月3日~7月9日
    『プリンキピア』の出版

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第75回は今日7月3日から7月9日までの一週間をみていきましょう。

    7月3日 ソフトクリームの日

    1951年のこの日、アメリカの独立記念日を祝う米軍主催のカーニバルが神宮外苑で行われ、日本で初めてソフトクリームが販売されました。フリーザーと呼ばれる機械から絞り出される柔らかいアイスクリームを、コーンカップに盛ってそのまま提供するというスタイルが話題となり、有名百貨店の食堂や喫茶店で次々と販売されるようになったそうです。ちなみに、ソフトクリームの起源は4000年も前の中国。当時とても貴重な飲み物だったミルクをつかったことから、大金持ちのシンボルのような食べ物だったそうです。なお、「ソフトクリームの日」は、日本で初めて販売されたこの日を記念して、ソフトクリーム協議会が1990年に制定したものです。

    これからの季節に食べたくなるソフトクリーム

     

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    『牛乳とタマゴの科学』
    牛乳が乳白色なのはなぜ? ヨーグルトが酸っぱくなるのはなぜ? 新しいタマゴと古いタマゴの見分け方は? などなど、牛乳とタマゴに関する身近な話題が満載の一冊です。

    7月4日 女性天文学者のリービットが生まれる(1868年)

    この日、恒星の変光周期と絶対等級の間に法則性があることを発見した天文学者、ヘンリエッタ・スワン・リービットが、アメリカのマサチューセッツに生まれました。リービットは、ハーバード大学天文台でデータ整理の仕事をしていましたが、変光星(明るさを変える星)のカタログを作成するなかで、「明るい変光星ほど長い変光周期をもつ」ということに気づきました。この発見は1912年に論文として発表されましたが、当時はほとんど注目されなかったそうです。しかし、この関係性を用いて、地球から天体までの距離を測定する手法が考案されると、一躍大きな注目を集めることになりました。1920年代には、この関係によって、宇宙はたくさんの銀河からできていることが確かめられ、さらには、宇宙全体が膨張していることが確かめられることになったのです。しかし、リービットは1921年に亡くなっており、自らが発見した法則が科学を大きく発展させる時代に立ち会うことは、残念ながらできませんでした。

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    『へんな星たち』
    墨を吐いて自分の姿をくらますタコなやつ、蚊取り線香みたいな星、世界中の天文学者が推理バトルを繰り広げた謎の幽霊星、……。10個のへんな星たちに驚き笑い呆れながら、星の物理を学べる本です。

    7月5日 ニュートンの『プリンキピア』が出版される(1687年)

    この日、アイザック・ニュートンによる科学書『Philosophia Naturalis Principia Mathematica』(自然哲学の数学的諸原理、通称プリンキピア)のラテン語版初版が出版されました。「第1巻 物体の運動について」「第2巻 物体の運動について」「第3巻 世界の体系について」の全3巻からなり、運動の法則を数学的に記述し、万有引力について述べるなど、古典力学の基礎を築いた記念碑的な名著です。同書はイギリスの王立協会からの援助を得て出版される予定でしたが、協会の資金難から、最終的には天文学者のハレーが費用を出して自費出版として世に出されたそうです。ちなみに、この本で用いられている数学が非常に難解であったため、科学が一般の素人には理解できないものになってしまったという批判が当時からあったそうです。「科学」と「一般の社会」の乖離という問題が、その初めから議論されていたということには驚かされます。

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    『プリンキピアを読む』
    重力とは何か? 惑星はなぜ楕円運動をしているのか? 発表当時、「誰も理解できない」とさえ噂された歴史的名著を、現代の読者のために噛み砕いて読み解きます。

    7月6日 狂犬病ワクチンを初接種(1885年)

    この日、フランスの細菌学者ルイ・パスツールは、狂犬病ウイルスをもつ犬に咬まれた少年に、犬の唾液中のウイルスを培養して作ったワクチンを初めて接種しました。狂犬病は、恐水病とも呼ばれ、末期には水を見るだけでけいれんを起こし、呼吸困難のため死亡する病気です。現在でも、発症後の治療法は確立されておらず、致死率はほぼ100パーセントといわれています。パスツールは、狂犬病予防のためのパスツール研究所をパリに設立し、生涯そこで研究を続け、微生物学など多方面の研究分野を開拓し、近代医学創始者の1人となりました。

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    『新しいウイルス入門』
    ウイルスは単なる病原体ではなく、生物進化の立役者だった!? インフルエンザやノロウイルスといった身近な存在に触れながら、新しいウイルス像を解説する一冊です。

    7月7日 レーザー光線の発明(1960年)

    この日、アメリカの物理学者セオドア・メイマンが、レーザー光線を放射する装置の発明を世界で初めて発表しました。円筒形のルビー結晶を用いた個体レーザーで、放射されたレーザー光線は、わずか3億分の1秒しか持続しなかったそうです。なお、レーザー(laser)は、light amplification by stimulated emission of radiation(誘導放射による光の増幅)を略したもので、いまでは、CDやDVDの読み取り装置から、レーザープリンタまで、私たちの生活のなかで広く役立てられています。ちなみに、レーザーの論理的な基礎は、アインシュタインの1917年の論文で導かれたものなんだそうです。GPSからレーザーまで、あらゆるところに足跡を残す、アインシュタイン恐るべしです。

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    『放射光が解き明かす驚異のナノ世界』
    加速器を使って作られる極端に波長が短く高輝度の光=放射光が、新たな材料開発や、人工光合成、創薬といったさまざまな研究に威力を発揮しています。魔法の光が拓く、まったく新しい物質世界をぜひご覧ください。

    7月8日 世界初のジェット旅客機が羽田に着陸(1952年)

    イギリスのデ・ハビランド社が開発した世界初のジェット旅客機「コメット号」が、ロンドン~東京間を従来の約半分の27時間30分で飛行し、この日、羽田の東京国際空港に着陸しました。この飛行は、イギリスの航空会社BOACが、新規の定期航路を検討するためのテストフライトとして行ったものです。登場したばかりのジェット旅客機を一目見ようと、空港には見物人が殺到したそうです。2017年現在、ロンドン~東京間のフライト時間は11時間半ほどとなっており、当時からさらに半分以下まで所要時間は短縮されています。現在、超音速旅客機の計画も進められているそうですが、それが実現したら、さらなる時間短縮が可能になるのでしょうか? これから楽しみです。そしていつの日か、私の故郷である火星にも、今の海外旅行の感覚で行けるようになれば最高ですね。

    デ・ハビランド社のジェット機(試作初号機)

     

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    『ジェット・エンジンの仕組み』
    560トンの機体を、高度1万メートルの上空でマッハ0.85で飛ばすことができる究極の内燃機関ジェット・エンジン。このジェット・エンジンの原理と仕組みを工学的にわかりやすく解説するとともに、最新のエンジン開発の過程も紹介した一冊です。

    7月9日 日本発のジェットコースター(1955年)

    この日、東京に後楽園遊園地がオープンし、日本初の本格的なジェットコースターが登場しました。全長1500メートル、最高時速55キロメートル、所要時間は2分10秒ほどだったそうです。ちなみに、「ジェットコースター」という名前もこのときに考案されたもので、日本以外では「jet coaster」と言っても通用しません。アメリカでは「ローラーコースター」、イギリスでは「スイッチバック」と呼ばれているそうですが、とあるブルーバックスのなかでは、もっと科学的に「起伏やカーブのある高架レールを設け、出発点まで無蓋の台車を引き上げ、重力と慣性によってレールを高速滑降させてスリルを味わう娯楽乗り物」と呼ばれていました。

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    『大人のための高校物理復習帳』
    いまさら公式!? いえいえ、そこがミソなんです。一見複雑な物理の世界をシンプルに表したのが公式。放り投げたボールの着地点の予測から、ジェットコースターの速度が計算できるすごい法則まで、高校物理で理解できてしまうのです!

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