【サイエンス 7days】 第76回 7月10日~7月16日

  • 2017/07/10

    • ニュース

    第76回 7月10日~7月16日
    X線天文衛星「すざく」打ち上げ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第76回は今日7月10日から7月16日までの一週間をみていきましょう。

    7月10日 X線天文衛星「すざく」打ち上げ(2005年)

    この日、日本で5番目のX線観測のための天文衛星「すざく」が、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。「すざく」は、銀河団の中にただよう高温ガスや、ブラックホールに流れ込む物質を観測することを目的とした衛星で、2015年の運用停止まで約10年間にわたってさまざまなデータを宇宙から私たちに届けてくれました。2016年に打ち上げられたX線天文衛星「ひとみ」は、この「すざく」のあとを引き継ぐ衛星となるはずでしたが、残念ながら不具合によって運用が終了してしまいました。この事故については、覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。しかしじつは、大きな成果を挙げた「すざく」も、2000年に打ち上げ失敗に終わった「ASTRO-E」と呼ばれる衛星の代替機だったのです。はたして「ひとみ」の後継プロジェクトはどうなるのでしょうか? 失敗にめげずに、これからもチャレンジを続けてほしいですね。

    打ち上げ前の「すざく」衛星

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『巨大ブラックホールの謎』
    X線天文衛星の観測ターゲットのひとつは、すべてを飲み込む宇宙の怪物「ブラックホール」です。X線天文学とともに発展してきたと言っても過言ではない、ブラックホールの最新研究を詳しく紹介します。

    7月11日 世界人口デー

    1987年7月11日に世界の人口が50億人を突破したことから、この日は「世界人口デー」と定められています。この記念日は、国連人口基金(UNFPA)の推定した全世界の人口推移にもとづいて決められており、ユーゴスラビアで生まれたマテイくんが50億人目の赤ちゃんに認定されています。ちなみに、現在の世界の人口は73億と見積もられており、30年間で約1.5倍に増加したことになります。今後、世界の人口はどこまで増えていくのでしょうか? 国連人口基金の見積もりによれば、2100年には90億人を突破しますが、その後2300年まではほぼ横ばいで推移するそうです。いったいどうやってこんな見積もりができるのか不思議だと思いませんか? じつはその背後には「統計」の考え方が隠れているんです。

    オススメ関連書籍はこちら
    『やさしい統計入門』
    何人に出口調査すれば「当落予測」できる? 要精密検査になった私はガンの可能性が高い? 子供の身長を両親の身長から予測できる? など、具体的な実例でわかりやすい画期的な統計入門書です。

    7月12日 人間ドックが初登場(1954年)

    この日、国立東京第一病院が、成人病の早期発見のために、新しい健康診断システム「人間ドック」を開設しました。全診療科の内容を網羅した5泊6日の精密検査で、費用は1万2000円。利用者第1号は、代議士の首藤新八夫妻だったそうです。当初は「短期入院精密身体検査」という名称だったそうですが、船をドック(dock)に入れて修理・点検することにちなんで「人間ドック」と呼ばれるようになりました。

    オススメ関連書籍はこちら
    『いつか罹る病気に備える本』
    人はいつか病気に罹るもの。高血圧、糖尿病、白内障から脳卒中……。いろんな病気が貴方や親しい人の身に襲いかかります。でも、日頃から気をつけていれば、避けられるものも少なくありません。本書は、よくある病気の基礎知識を身につけて、予防と早期発見に役立てるための一冊です。

    7月13日 オカルト記念日

    少女に憑依した悪魔と神父の戦いを描いた映画『エクソシスト』が1974年のこの日に日本公開されたことにちなんで、毎年7月13日は「オカルト記念日」とされています。オカルトや超常現象は科学とは真っ向から対立するものというイメージがありますが、原因が特定できない現象という意味の「超常現象」は世の中に確実に存在しており、これは科学的な研究の対象になり得ます。ブルーバックスでも『「超能力」と「気」の謎に挑む』 『霊はあるか』 『超常現象をなぜ信じるのか』など、さまざまな面からオカルトを取り上げてきました。ぜひ、オカルトなど馬鹿らしいと無視するのではなく、その背後に潜む科学について考えてみてください。

    7月14日 静止気象衛星「ひまわり1号」打ち上げ(1977年)

    この日、宇宙開発事業団が、アメリカ・フロリダ州にあるケープカナベラル空軍基地から、日本初の本格的な実用気象衛星「ひまわり」を打ち上げました。軌道への投入は成功し、9月8日には「ひまわり」が撮影した台風の目と渦巻く雲の写真が公開されました。その後、天気図の作成、台風の早期発見などに活躍しましたが、軌道や姿勢を制御するための燃料が残り少なくなり、1981年8月に後継の「ひまわり2号」が打ち上げられました。2号からは、日本の種子島宇宙センターでの打ち上げとなり、2017年現在「8号」と「9号」が日本の上空で活躍しています。

    「ひまわり」が撮影した最初の画像(気象衛星センターホームページより)

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『図解・気象学入門』
    ジェット気流って何? 高気圧や低気圧はなぜできるの? 気象と天気のしくみを原理から詳しく丁寧に解説した「わかる」入門書。やさしい語り口ながらも気象学用語の多くを網羅。気象予報士を目指すスタートにも最適です。

    7月15日 ロゼッタ・ストーンの発見(1799年)

    フランスのナポレオン軍がエジプトに遠征した際に、ナイル川河口のロゼッタで、古代の文字が刻まれた石碑の断片を発見しました。この石碑は紀元前196年に作られた、プトレマイオス五世の勅命を記したもので、古代エジプトの聖刻文字(ヒエログリフ)と、民衆文字(デモティック)、そしてギリシア文字が記されていました。同一の文章が3つの異なる文字を使って書かれており、これらの比較からヒエログリフの研究が飛躍的に進展することになった歴史的な発見です。なお、古代エジプト文字の完全な読解は、この発見から約20年後、フランスの考古学者シャンポリオによって成し遂げられました。

    ロゼッタ・ストーンに刻まれた文字(画像提供:ESA)

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『改訂新版 暗号の数理』
    古代文字の解読にも暗号学が活躍? 軍事用暗号の解読を巡る競争から、IT時代のセキュリティを支える暗号技術、さらに量子暗号の技術まで。暗号のしくみと「解き方」が理解できます。

    7月16日 探検家のアムンゼンが生まれる(1872年)

    この日、人類で初めて南極点に到達した探検家ロワール・アムンゼンが、ノルウェーに生まれました。アムンゼンは、少年時代から探検家に憧れていましたが、両親の希望で医学を学びました。しかし21歳の時に母親が亡くなったことをきっかけに、探検家としての道を歩み始めます。1910年8月にノルウェーを出航したアムンゼンの探検隊は、イギリスのスコット隊との激しい競争の末、1911年12月14日に、4人の隊員とともにはじめて南極点に到達しました。さらに、1926年には飛行船「ノルゲ号」で北極横断飛行に成功し、人類初の両極点到達を成し遂げています。ちなみに、アムンゼンは当初、北極点への初到達を目指して計画を立てていましたが、1909年にピアリーに先を越されてしまうと、出資者や同行者にも告げずに目的地を南極へと変更し、しかもそのことを出航後まで秘密にしていたそうです。さらに、出資者に対しては「南極点を経由して北極点にも向かうので約束違反ではない」という旨の言い訳をしていたとも言われています。なんとも大胆な人物ですねぇ。

    オススメ関連書籍はこちら
    『地球環境を映す鏡 南極の科学』
    「氷床」の厚さは富士山の高さを超え、隕石が大量に見つかるポイントがあったり、氷の下には“幻の巨大湖”が存在していたりする。知っているようで知らない南極大陸のふしぎを紹介する一冊です。

新着情報一覧

ページTOPへ