【サイエンス 7days】 第85回 9月11日~9月17日

  • 2017/09/11

    • ニュース

    第85回 9月11日~9月17日
    「ヒエログリフ」が解読される

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第85回は今日9月11日から9月17日までの一週間をみていきましょう。

    9月11日 地質学者のナウマンが生まれる(1854年)

    かつて日本に生息していた哺乳類「ナウマンゾウ」にその名を残す、地質学者のハインリッヒ・エドムント・ナウマンが、この日、ザクセン王国(現在のドイツ・ザクセン州)に生まれました。ミュンヘン大学で地質学を学んだナウマンは、1875年に明治政府に招聘されて来日し、東京帝国大学の地質学教室初代教授として、日本の近代地質学発展に貢献した人物です。初めて本格的な日本の地質図を作成し、東北日本と西南日本の境目にあたる「フォッサ・マグナ(中央地溝帯)」や、西南日本を内帯と外帯に分ける「中央構造線」を発見・命名したことでも知られています。

    ハインリッヒ・エドムント・ナウマン

     

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    『日本列島100万年史』
    1500万年前、ユーラシア大陸の東の端から分かれて生まれた日本列島。現在、私たちが目にする風景を主に形作った100万年前以降(第四紀後半)を中心に、複雑な地形に富んだ列島の成り立ちを解き明かします。

    9月12日 国産原子炉が初の臨界(1962年)

    この日、茨城県東海村の日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構)に建設された日本初の国産原子炉「JRR-3(Japan Research Reactor-3)」が、初めての臨界に達しました。臨界とは、外からエネルギーを加えなくても核分裂が持続的に進行しはじめる状態のことです。JRR-3はおもに中性子ビームを使った実験のための原子炉で、重水減速・冷却型と呼ばれるタイプのものです。JRR-3は、1983年まで約21年間、大学や企業の研究開発に利用されましたが、より性能のよい研究炉への改造工事が行われ、1992年には軽水減速・冷却型の新しい原子炉「JRR-3M」に生まれ変わっています。現在も現役の原子炉としてさまざまな用途に使われており、たとえば癌治療に使用する医療用のラジオアイソトープの生産を行っています。

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    『日本の原子力施設全データ 完全改訂版』
    発電所だけでなく、燃料加工・再処理施設、大学や企業が持つ研究炉まで、数ある原子力施設の全データを掲載。「原子力発電所の基本を知る」「原子力事故にどう備えるか」など原理を理解するための知識も一冊で得られる定番ハンドブックです。

    9月13日 米空軍が衛星攻撃兵器(ASAT)の実験に成功(1985年)

    この日、地球周回軌道にある人工衛星を戦闘機から攻撃する実験が米空軍により行われ、実際の衛星にミサイルを命中させ破壊することに成功しました。この実験は、レーガン大統領が1983年に発表した戦略防衛構想(SDI)の一環として行われたものです。SDI計画には、大陸間弾道ミサイルを、宇宙に配備されたレーザー・粒子ビームなどの兵器で撃墜するなどのアイデアが含まれており「スターウォーズ計画」とも呼ばれたそうです。ちなみに、ミサイルによる衛星の攻撃については、破壊された衛星の破片がスペースデブリ(宇宙ごみ)を生みだし、将来の宇宙開発に深刻な影響を与えることが懸念されたため、計画自体が中止されたそうです。

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    『新しい航空管制の科学』
    研究目的の宇宙探査から軍事利用まで、人工衛星はさまざまな用途で用いられています。じつは、航空機が安全に秩序正しく運航できるのも、宇宙に展開している航空管制衛星のおかげなんだそうです。

    9月14日 「ヒエログリフ」が解読される(1822年)

    この日、フランスの言語学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンが、古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」の読解に成功しました。シャンポリオンは、幼いころから語学に才能を発揮し、20歳のときには十数の言語を習得していたそうです。彼は、ナポレオン1世のエジプト遠征で発見された、王の布告を3種類の文字で刻んだロゼッタ・ストーンに注目し、この石に刻まれた文章と、オベリスク(古代エジプトの太陽神信仰に基づく記念碑)の銘文と比較することで、「ヒエログリフ」の読解に成功したのです。ちなみに、最初に読解した文字は「クレオパトラ」だったと言われています。

    ヒエログリフ

     

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    『50ヵ国語習得法』
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    9月15日 物理学者のゲルマンが生まれる(1929年)

    原子を構成する基本粒子「クォーク」の提唱者として知られる、物理学者のマレー・ゲルマンが、この日、アメリカのニューヨークに生まれました。1950年代、加速器の発展によって次々と発見された未知の粒子に対して、ゲルマンは対称性原理に基づいた分類を提唱し、現在の素粒子論への道を拓きました。陽子や中性子を構成する素粒子につけられた「quark(クォーク)」という名称は、ジェイムズ・ジョイスの小説『フィネガンズ・ウェイク』の一節“Three quarks for Muster Mark”から取られたものです。また、素粒子の性質を表す量子数「strangeness(ストレンジネス)」や、量子色力学の「color charge(色荷)」も、ゲルマンが命名したものなんだそうです。

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    『クォーク 第2版』
    物質の究極的構造とそれを支配する基本法則を探る素粒子物理学はどう発展してきたか。2008年にノーベル物理学賞を受賞した著者・南部陽一郎が、トップクォーク発見後の視点から振り返り、将来を展望した一冊です。

    9月16日 モントリオール議定書の採択(1987年)

    この日、フロンやハロンなど、オゾン層を破壊する物質の製造、消費および貿易を規制する議定書が、カナダのモントリオールで採択されました。この議定書は、通称「モントリオール議定書」と呼ばれており、現在、日本を含む196ヵ国およびEUが締結しています。この取り組みによってフロンなどの使用が抑えられた結果、1990年代後半以降、オゾンホールの拡大は見られなくなりました。一方で、規制に含まれていない代替フロンと呼ばれる物質の使用量が、近年、世界的に急増しており、これが温暖化に悪影響を及ぼしていることが指摘されています。このため2016年には、地球温暖化対策の観点から、代替フロンの削減を盛り込んだモントリオール議定書の改定案が採択されました。

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    『地球環境を映す鏡 南極の科学』
    温暖化の懸念から南極への注目度はますます高まっています。オゾンホールが南極に現れる仕組みから基地における最新の観測方法や観測隊員の暮らしまで、“現在の南極”にまつわるエピソードを網羅した1冊です

    9月17日 最初のLinuxがリリースされる(1991年)

    この日、Linux(リナックス)カーネルのバージョン0.01が、フィンランド出身のプログラマ、リーナス・トーバルズによって公開されました。Linuxとは「Windows」や「MacOS」のような、コンピュータを動かす基本ソフトのひとつで、じつは世界で最もたくさん使われている基本ソフトです。WindowsやMacよりも多いの? と疑問に思うかもしれませんが、スマートフォンのAndroidもLinuxをベースに作られていますし、じつは、Googleの検索エンジンや、テレビやDVDレコーダーにもLinuxが使われているのです。しかもLinuxは、インターネットからダウンロードして、誰でも自由に使うことができます。Linuxが多くの人に使われている理由は? なぜ無料で使えるのか? 気になった方はぜひ『入門者のLinux』を読んでみてください。

    Linuxの起動画面 左上にいるのは公式マスコットのタックス

     

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    『入門者のLinux』
    Linuxをそれらしく使う上で欠かせないのは、一見面倒そうな「コマンド入力」。本書では、実際にコマンドを入力しながらLinuxの基礎から応用までを学び、Linuxを使いこなす上で必要な「考え方」を体得することができます。

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