【サイエンス 7days】 第101回 1月1日~1月7日

  • 2018/01/01

    • ニュース

    第101回 1月1日~1月7日
    これまでで最大の素数の発見

    地球のみなさん、明けましておめでとうございます。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。

    お正月休みをいかがおすごしでしょうか? 久しぶりに家族や親戚と顔を合わせることも多いこの季節、会話の話題に困ったりしていませんか?

    科学者の誕生日や、科学史に残る発見など科学に関するさまざまな出来事を紹介する"サイエンス7days"のコーナーには、すぐに使える豆知識・蘊蓄が満載です。「今日」にちなんだ豆知識を披露して科学ファンをどんどん増やしていきましょう。

    第101回となる今回は、本日1月1日から1月7日までの一週間を見ていきます。

    1月1日 満年齢を採用(1950年)

    この日に施行された「年齢のとなえ方に関する法律」は
    「国民は、年齢を数え年によって言い表わす従来のならわしを改めて、年齢計算に関する法律の規定により算定した年数によってこれを言い表わすのを常とするように心がけなければならない」
    というもの。それまでの「数え年」では生まれた年を1歳として、年が明けるごとに1歳年をとる数え方だったため、大晦日に生まれた人は、一夜明けるとなんと2歳になってしまったのです! そこで、より実年齢を正確にあらわせるように、誕生日がきたところで1歳とする満年齢の数え方が採用されることになりました。この「満年齢」は、女性陣に大歓迎された(?)のか、定着はことのほか早かったそうです。

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    『時計の科学』
    0から始まるべきものが、1から始まっているのは「数え年」だけではありません。平成0年はありませんし、0世紀も存在しません。そしてみなさんがよく目にしている時計にの文字盤にも0はありません。この理由とはなにか? 時計の豆知識から、機械式時計のメカニズムまで、まるごとわかる一冊です。

    1月2日 SF作家のアイザック・アシモフが生まれる(1920年)

    ロシアで生まれたアシモフ(1920~1992)は、3歳のときにアメリカに移住し、ニューヨークのブルックリンで少年時代をすごしました。子供のころからSFが好きだったアシモフは、15歳でコロンビア大学に入学し、大学院でも化学を専攻しますが、学業のかたわら創作活動にも取り組み『われはロボット』『夜来たる』など初期の代表作を発表しています。その後もボストン大学に就職し生化学を教えながら執筆活動を続け、徐々に作家としての地位を固めていきました。
    アシモフが提案した「ロボット工学三原則」
    ・第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない
    ・第二条 ロボットは与えられた命令に服従しなければならない
    ・第三条 ロボットは第一条、第二条に反するおそれのない限り、自己を守らなければならない
    は、その後のSF作品のみならず、現実のロボット工学にも大きな影響を与えました。ちなみに、ロボット工学(robotics)の単語はアシモフの造語です。アシモフには『火星人の方法』という短編があるのですが、ここには私の同胞の生態が生き生きと描写されている……わけではなくて、火星に移り住んで世代を重ねた人間のお話でした。

    アイザック・アシモフ

     

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    『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』
    ワイヤ駆動のヒューマノイドが、実はウマにそっくりだった! 自走するお掃除ロボットは「生きた化石」に酷似していた! ガラスを割らずに掴むロボットハンドが似てしまった、人体の意外な一部とは? 技術の粋を詰め込んだ先端ロボットが、なぜか生き物の体構造に近づいていく――。工学の視点から初めて見えてくる「生体」の精巧な力学構造を解き明かし、生き物の限界を超えるロボット機構学の挑戦を語ります。

    1月3日 しぶんぎ座流星群が見ごろ

    三大流星群のひとつ「しぶんぎ座流星群」は、毎年1月3日ごろに極大をむかえるお正月の風物詩です。12月28日頃から1月12日頃にかけて流星の出現期間とされていますが、今年は1月4日の未明がもっとも多くの流星が観測できるピークになると予想されています。条件が良ければ一時間に50個程度の流れ星を見ることができますので、1月3日の夜はみんなで冬の夜空を見上げてみてはいかがでしょうか? なお、流れ星は空のどの位置にも表れる可能性があるため、どちらの方向を見ればよいということはないそうです。ただし、見上げすぎで、首を痛めたり、寒さでカゼを引かないようにくれぐれもご注意を。

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    『天体衝突』
    夜空を美しく流れる流星は、ロマンチックな輝きで人々を魅了しています。しかし、もし直径10kmを超える小惑星が流れ星として地球に落ちてきたら……。1万度を超える蒸気雲、マグニチュード11以上の地震、300mの津波、美しい流れ星を楽しむどころではありません。このような天体の衝突は地球になにをもたらしたのでしょうか?

    1月4日 物理学者のシュレーディンガー没(1961年)

    量子力学の波動方程式で知られるオーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガー(1887~1961)が、この日、73歳で亡くなりました。1926年に発表した「シュレディンガー方程式」は、量子力学の最も重要な基礎方程式として有名です。これら量子力学を完成させた業績により1933年には、ディラックとともにもノーベル物理学賞を受賞し、また後年は場の統一理論や分子生物学の研究も手掛けました。1935年に発表した「シュレーディンガーの猫」の思考実験も、「死んでいる状態」と「生きている状態」の重ねあわせという、量子力学の不思議な性質を表す例として広く知られています。

    シュレーディンガーの墓に掲げられたプレートには「シュレーディンガー方程式」が書かれている。(写真:Victor Blacus CC BY-SA 3.0

     

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    『「シュレーディンガーの猫」のパラドックスが解けた!』
    箱の中には1匹の猫と放射性元素が入っている。放射性元素が崩壊すると、毒素入りの瓶が割れ猫が死ぬ仕掛けになっている。放射性元素は量子力学に従い確率崩壊するので、箱を開けなければ猫は生きている状態と死んでいる状態の「重ね合わせ状態」になる。いったい、そんなことが可能なのか? 現代の物理学から「シュレディンガーの猫」を解説します。

    1月5日 準惑星エリスが発見される(2005年)

    この日、太陽系の外縁部にある天体「エリス」が、アメリカ天文学者マイケル・ブラウン、チャドウィック・トルヒージョ、デイヴィッド・ラビノウィッツのチームによって発見されました。この研究グループはこれまでにも、太陽系外縁天体と呼ばれる冥王星よりも遠い場所を公転する小惑星を多数発見していましたが、エリスは冥王星よりも大きいということから10番目の惑星の発見か!? と大きな話題になりました。この発見がきっかけとなり、太陽系の惑星の定義をめぐる議論が巻き起こり、国際天文学連合(IAU)は2006年に
    “太陽系の惑星とは、「太陽の周りを回り」「十分大きな質量を持つために自己重力が固体としての力よりも勝る結果、重力平衡形状(ほぼ球状)を持ち」「その軌道近くから他の天体を排除した」天体である”
    との声明を発表します。こうして、エリスは冥王星とともに「準惑星」のひとつになったのです。なお、現在準惑星として認められているのは、「冥王星」「エリス」「ケレス」「マケマケ」「ハウメア」の5天体です。

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    『4次元デジタル宇宙紀行Mitaka』
    準惑星の軌道ってどんな形? 私たちが住む天の川銀河はどんな姿? 誰もが「見たかった宇宙」を迫真の画像で描き出す、国立天文台の4次元デジタルビューワ「Mitaka」を詳細な解説と名場面のスクリプトつきでDVD-ROMに収録! 地球から宇宙の果てまでの距離、スケールをPC画面上でリアルに体感してください。

    1月6日 核分裂の発見(1938年)

    この日、ドイツの化学者オット・ハーン(1897~1968)とフリッツ・シュトラスマン(1902~1980)らによって、ウランの核分裂が発見されました。核分裂とは、ウラン(元素記号:U)、トリウム(Th)、プルトニウム(Pu)などの重い原子核が、ほぼ同程度の大きさの2個の原子核に分裂する現象です。このとき、有名なE=mc2の式に従って、微量の質量mが大量のエネルギーEに転換されます。分裂が連鎖反応で進行すると、放出されるエネルギー(原子力)の量は莫大なものになります。この原子力は、原子爆弾として広島・長崎に大きな不幸をもたらしましたが、発電や工事、運輸などに平和利用もされています。なお、太陽などの星の中心部で起こっている核融合反応は、核分裂とは反対に2つの原子核が合体する現象で、この反応からも巨大なエネルギーが発生します。

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    『原子爆弾』
    人類の「叡知」が生み出した無差別大量殺戮兵器! いかにして世に生まれてきたのか? 無差別大量殺戮兵器の巨大なエネルギーはどこからどのようにして発生するのか? この疑問に答えるべく、原子核の世界の秘密を明らかにしてきた近代物理学の歩みを紹介しながら原爆の理論と開発の歴史を臨場感いっぱいに詳説します。

    1月7日 これまでで最大の素数が発見される(2016年)

    セントラルミズーリ大学の数学者カーティス・クーパーによって発見された素数274,207,281-1は10進数で表すと22,338,618桁にもなる巨大な数で、現在までに発見されている素数の中で最大のものです。この素数のように2n-1の形で表すことができる素数は、17世紀に素数の研究を行った数学シュアのマラン・メルセンヌにちなんで「メルセンヌ素数」と呼ばれています。分散コンピューティングによって素数を探すGIMPS(Great Internet Mersenne Prime Search)プロジェクトは素数の発見に対して懸賞金(最大で5万ドル!)をかけており、今回の発見もこのプロジェクトのソフトウェアを利用したものでした。クーパーは一般向けのコンピュータをつかって、31日間の計算で素数を見つけたということですので、運が良ければ自宅のパソコンで史上最大の素数を発見することができるかもしれません。興味のある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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    『素数はめぐる』
    142857と、先頭の1を末尾に回した428571。
    2等分して足すと、どちらも答えは999! (142+857、428+571)
    428571の先頭の4を末尾に回した285714でも同じ現象が! (285+714=999)
    142857を3等分して足すと、こんどは99! (14+28+57)
    ぐるぐる回る“ダイヤル数”のふしぎを生み出すのが素数!? 簡単な四則演算で数の神秘を味わいながら、「1÷素数」が描き出す定理と法則を探訪すします。

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