講談社ブルーバックスシリーズの特設ページ

謎解き・津波と波浪の物理

ブルーバックス『謎解き・津波と波浪の物理』で紹介した波のさまざまな性質を、動画で見るサイトです。

この動画は、たんなるアニメーションではありません。波を表す数式をきちんと解いてつくった本物です。

説明文中の「ページ」は、本書の「紙版」における掲載ページを示しています。「参照図」は、これらの動画に関連する本書中の図版です。

動画1 波の重ね合わせ

1-wave-collision.gif

左右から向き合って進んできた波が出合うと、合体し、また分かれていく。これが「波の独立性」だ(46ページ)。出合っているときは、それぞれの波が重ね合わされ(46ページ)、高さは2つの波の和になっている。

【参照図】47ページ図2‐3

動画2 深水波が進むときの水の動き

2-deep-wave-particles.gif

「深水波」(97ページ)が進むときの水の動き。赤い線が水面の高さを、青い点が水の動きを表している。この波の波長は50メートルで、水深も同じく50メートルまでを示した。水は、ひとところで円を描き(75、88ページ)、波の「山」の下では波の進行方向に、「谷」の下では波と逆の向きに動いている(81~85ページ)。しかも、水の動きは、水深とともに急激に小さくなる(91~92ページ)。

【参照図】75ページ図3‐1、82ページ図3‐3、86ページ図3‐4

動画3 長波が進むときの水の動き

3-shallow-wave-particles.gif

「長波」(100ページ)が進むときの水の動き。水深50メートルの平らな海底の海を、波長5000メートルの長波が進んでいる。赤い線が水面の高さを、青い点が水の動きを表している。水は、水面から海底まで、深さに関係なく、同じ振幅で行ったり来たりを繰り返している(100、169~170ページ)。

【参照図】102ページ図3‐8

動画4 波長が長いほど速く進む深水波

4-deep-waves.gif

深水波は、波長によって進むスピードが異なる。この性質を、波の「分散性」という(109ページ)。上段の深水波は波長が25メートル、下段が100メートル。深水波は、波長が長いほど速く進む(106ページ)。

【参照図】106ページ図3‐9

動画5 群速度とは

5-group-velocity.gif

波長がわずかに違う上段の波と中段の波を重ね合わせると、振幅が周期的に増減する下段の波ができる(117~119ページ)。この振幅の増減が「うなり」だ(120ページ)。「うなり」の進む速さを、「群速度」とよぶ(114ページ)。この動画は、深水波について計算したもの。上段と中段の波長の比は9対10になっている。深水波には分散性(109ページ)があるので、「位相速度」(114ページ)と群速度が異なる。群速度のほうが遅いため、振幅が増減するひとつの「波束」(119ページ)の中で、後端から波が生まれて先端で消えていく(122~124ページ)。

【参照図】118ページ図3‐11、123ページ図3‐12

動画6 だんだん浅くなる海を伝わる長波

6-slope-wave.gif

 水深がだんだん浅くなる海を伝わる長波のようす。水深が浅くなると、波の進むスピードは遅く、波高は高く、波長は短くなる(185、193~195ページ)。ほんとうは、波が高くなると、波の形は山がとがって谷は平たくなる(128ページ)が、ここでは、「波高」と「波長」の変化を強調するために、波の形はサイン・コサイン形のままにしておいた。水位と水深は、長さを示す目盛りの間隔がまったく違うことに注意。

【参照図】185ページ図4‐8

動画7 だんだん浅くなって切り立つ津波

7-coast-tsunami.gif

 波高10メートルの津波が、だんだん浅くなる海を進むようす。津波は長波なので、深いところのほうがスピードが速い。そのため、波の盛り上がった部分が前方に追いついて、先端は切りたってくる(186~189ページ)。水位と水深は、長さを示す目盛りの間隔がまったく違うことに注意。

【参照図】188ページ図4‐9