【サイエンス 7days】 第40回 10月31日~11月6日

  • 2016/10/31

    • ニュース

    第40回 10月31日~11月6日
    ツタンカーメン王の墓発見

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第40回は今日10月31日から11月6日までの一週間をみていきましょう。

    10月31日 ガス記念日

    1872年のこの日、横浜の神奈川県庁から本町通りにかけての馬車道に、十数基の日本初のガス灯が設置・点灯され、文明開化のシンボルとして、大勢の人が見物に訪れました。それから100周年にあたる1972年に、この日を日本ガス協会が「ガス記念日」と定めています。ちなみに、日本初の電気の街灯(アーク灯)が点灯されたのは1882年11月1日の銀座でのこと。ガス灯の点灯からちょうど10年後のことでした。電球と電送網が普及するにつれて、ガス灯は街から姿を消していくことになりますが、横浜の馬車道街道には、発祥の地であることを記念していまでもガス灯が並んでおり、夕方から深夜0時までそのやわらかな光を楽しむことができます。

    オススメ関連書籍はこちら
    『光と色彩の科学』
    ガス灯の橙色と、蛍光灯の白色光は、なにが違うのか? 色を認識する視覚と脳の関係、色と光の物理的・化学的関係、光を使った最先端技術などなど、光と色彩のさまざまな話題が満載です。

    11月1日 気象・地球物理学者ウェゲナーが生まれる(1880年)

    この日、「大陸移動説」で知られる地球物理学者アルフレッド・ウェゲナーが、ドイツのベルリンに生まれました。もともとは気象学を研究していたウェゲナーですが、世界地図を見て、大西洋で隔てられた南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線がよく似た形をしていることに気がつきます。この発見をもとに考え出されたのが、大西洋を挟む四大陸はもともとひとつであり、大陸が移動することで大西洋がつくられたという「大陸移動説」です。現在では広く受け入れられている学説ですが、発表当時は、大陸が移動するはずがないという先入観から、正しい評価を得られませんでした。なんとか自説を証明しようとしたウェゲナーは、現在では孤立しているグリーンランドが他の大陸とつながっていたことを示すために、何度も現地調査に赴きましたが、ついに決定的な証拠は得られず、4度目の探検の帰途で命を落としました。


    ウェゲナー『大陸と海洋の起源』(Die Entstehung der Kontinente und Ozeane, 1929)より

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『地球はどうしてできたのか』
    大陸はなぜ動くのか? 超大陸はどのように誕生し、分裂したのか? マントル対流と大陸移動からひもとく、ダイナミックな地球科学の入門書です。

    11月2日 国際宇宙ステーションへの居住開始(2000年)

    前々日の10月31日に打ち上げられたソユーズ宇宙船が、国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、この日から人類の長期宇宙滞在がスタートしました。第1次長期滞在チームのメンバーは、アメリカ人のウィリアム・シェパード、ロシア人のユーリー・ギジェンコとセルゲイ・クリカレフの3人で、2001年3月19日までの4ヵ月にわたり、ISSに滞在しました。それからの16年間、ISSには途切れることなく人が住み続けており、そのなかには、先日地球へと帰還した大西卓哉さんをはじめ、6名の日本人が含まれています。地上から約400キロメートルの高さを、約90分で地球一周というスピードで飛んでいるISSですが、じつは肉眼で見ることができるのをご存じでしょうか? JAXAのこちらのページ(http://kibo.tksc.jaxa.jp/)から、見られる時間や方向などが確認できますので、ぜひチャレンジしてみてください。

    オススメ関連書籍はこちら
    『国際宇宙ステーションとはなにか』
    ブルーバックスで唯一、宇宙に行ったことのある著者・若田光一さんによる一冊です。ISSのしくみ、滞在者の衣食住や、訓練などを、自らの体験を通して興味深く語ります。

    11月3日 特撮映画『ゴジラ』第1作封切り(1954年)

    現在、映画館では『シン・ゴジラ』が公開されていますが、シリーズの記念すべき第1作『ゴジラ』が、1954年のこの日、全国で公開されました。水爆実験で目覚めた凶暴な怪獣ゴジラが、口から高熱放射線を吐きながら東京を襲うこの作品は、画期的なSF映画の原点として知られています。人間の核実験によって生まれたゴジラが、人間を放射線の炎で襲うという物語は、終戦からわずか9年後の日本に大きな衝撃を与えました。3・11を経験した現在の日本人にとっても、ゴジラはさまざまなことを考えさせる存在なのだと、『シン・ゴジラ』のヒットをみていると感じます。

    オススメ関連書籍はこちら
    『放射線利用の基礎知識』
    表紙にいるのはあの怪獣!? 診断と治療、食物の品種改良、ジャガイモの発芽防止など、私たちの身近で使われている放射線のメリットとデメリットをやさしく解説します。

    11月4日 レジスターが発明される(1854年)

    この日、アメリカのレストラン経営者のジェームズ・リッティが、世界初の機械式「キャッシュ・レジスター」の特許を取得しました。リッティはバーテンダーが売り上げをごまかすのを防ぐため、船のスクリュー回転数を記録する機械をヒントに、最初のレジスターを発明しました。リッティの機械は、ただ売り上げ金額を記録しておくだけで、受け取ったお金はあいかわらず別のところで保管されていたため、バーテンダーのごまかしを防ぐ効果はあまりなかったそうですが、のちに、入金と出金の両方が記録でき、金庫も一体化されたレジが開発されると、小売店に広く普及することとなりました。現在のレジは売り上げの管理にとどまらず、領収書の発行から、商品在庫の管理までをこなすことができるようになっています。ちなみに、みなさんが書店でブルーバックスをお買い上げくださった際に、その情報がわたしの頭のアンテナに即座に伝わってくるしくみも導入間近という噂です。

    オススメ関連書籍はこちら
    『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』
    クレジットカード決済や、ICカードによる電子マネーの利用など、ここ数年でレジの機能は大きく変化しました。そして、さらなる変化をもたらすのがビットコインに代表される「ブロック・チェーン」の技術です。いったいそれはなんなのか? どうやって使われるのか? 初歩の初歩からやさしく解説します。

    11月5日 ツタンカーメン王の墓発見(1922年)

    イギリスの考古学者ハワード・カーターが、この日、エジプト・ルクソールの近くにある「王家の谷」で、ツタンカーメン王の墓を発見しました。エジプトに残る遺跡は研究者が発見する前に盗掘されていることが多いのですが、この墓はしっかりと壁で封印されており、またその入り口の装飾などから、位の高い人物の墓であることが明らかになりました。同月の26日、イギリスからやってきた発掘隊によってその壁が壊されると、黄金の棺に納められ、黄金のマスクをつけたファラオのミイラや、多数の副葬品が発見されたのです。ここまで完全な状態の墓が発掘されるのは非常にまれなことで、大きなニュースとなりました。近年では、ミイラに残っていたDNAを使った王族の血縁関係の調査が進められており、ツタンカーメンの父が、おなじくミイラが発見されているアメンホテプ4世であることなどがわかっているそうです。3000年以上前の王族の家系が、いま明らかになりつつあるというのはなんとも心躍る話です。

    オススメWeb連載はこちら
    『ぼくたちはなぜぼくたちだけなのだろう』
    人類の祖先はどこからきたのか? 発掘された骨からみえてくる人類の歴史とは? アジアの化石発掘現場から始まる壮大な謎解きが、本サイトで好評連載中です。

    11月6日 ポラロイドカメラの登場(1948年)

    アメリカの発明家エドウィン・ランドが開発したインスタントカメラ「ポラロイドランド95型」が、この日、全米カメラ展に出品されました。シャッターを押してから1分間でモノクロ写真ができるすぐれもので、同じ月の28日に販売が開始されると初日で売り切れとなるほどの人気だったそうです。ちなみに、ランドがこのカメラを開発したのは、3歳の娘から「なぜ写真はすぐに見られないの?」と聞かれたのがきっかけだったとか。現像には時間がかかるという常識にとらわれない、まさに子供ならではの発想から生まれた発明です。ブルーバックスの編集部員にもそんな柔らかい頭で本の企画を考えてほしいものですねえ。

    オススメ関連書籍はこちら
    『図解・カメラの歴史』
    一瞬を切り取り、永遠に残す。カメラは19世紀を代表する発明です。ダゲールから始まり、万能カメラ一眼レフの誕生まで、フィルムカメラを中心に、その歴史と原理を紹介します。

新着情報一覧

ページTOPへ