【サイエンス 7days】 第45回 12月5日~12月11日

  • 2016/12/05

    • ニュース

    第45回 12月5日~12月11日
    マクスウェル電磁波説を発表

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第45回は今日12月5日から12月11日までの一週間をみていきましょう。

    12月5日 ドイツの物理学者ハイゼンベルクが生まれる(1901年)

    量子力学の創始者のひとり、物理学者のヴェルナー・カール・ハイゼンベルクが、この日、ドイツ南部の町ヴュルツブルクに生まれました。ミュンヘン大学でゾンマーフェルトに学んだのち、マックス・ボルンやニールス・ボーアなど前期量子論を築いた巨人たちの下で研究に従事し、1925年に量子力学のひとつの形式である「行列力学」を発表しました。行列力学における「ハイゼンベルクの運動方程式」は、古典力学におけるニュートンの運動方程式に相当するもので、量子力学をはじめて数学的に定式化したものです。また、行列力学から導かれる結論が「不確定性原理」です。これは、ある粒子の位置と運動量は同時に決定することはできないという性質を示しており、量子力学の不思議さを象徴する重要な原理です。これらの華々しい成果を20代で発表したハイゼンベルクは、31歳の若さでノーベル物理学賞を受賞しています。

    オススメ関連書籍はこちら
    『新装版 不確定性原理』
    すべてのものの未来は既に確定しているのか? あらゆるものが筋書きどおりに動いているとする因果律の絶対性を破る革命的物理理論・不確定性原理を、たとえ話やエピソードを交えてやさしく解説します。

    12月6日 音の日

    この日は、発明王のトーマス・エジソンが1877年に世界初の録音装置(円筒型蓄音機)の試作品を完成させた日とされており、これを記念して「音の日」に制定されています。スズ箔を巻いた直径8センチメートルの銅製円筒が、30センチメートルの軸に取り付けられた装置で、手でハンドルを回すと、針つきの振動板がスズ箔に音に応じた溝を刻み込んで音を記録し、この溝を針でふたたびたどらせ、再生する仕組みです。この機械は翌年には「フォノグラフ」として商品化され、評判を呼びました。音を溝の形として記録し針で読み取るという原理は、アナログレコードにも受け継がれ、その後、針をレーザー光で置き換えたものが、現在のCDやDVD、そしてブルーレイディスクとなっています。ちなみに、エジソンが最初に録音・再生した楽曲は「メリーさんの羊」だったそうです。

    エジソンと彼の発明したフォノグラフ

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『音律と音階の科学』
    あらゆる音楽に使われているドレミ……は、素数2と3を使ってピタゴラスが決めたもの!? 音楽と数学の、ちょっと意外で濃密な関係を興味深く解き明かす一冊です。

    12月7日 「アポロ計画」最後の宇宙船の打ち上げ(1972年)

    アメリカの月着陸有人飛行計画「アポロ計画」が、この日、最後の宇宙船として「アポロ17号」を打ち上げました。アポロ計画は1961年に、ケネディ大統領が1969年末までに月に人類を送り込むことを議会演説で発表したのが始まりです。アメリカの威信をかけた国家的事業として、NASAが主体となり推進されました。直接この計画に参加した人数は17万5000人、8年間に投入された費用は約9兆円にもなります。1968年12月に「アポロ8号」がはじめて月周回飛行、69年5月の「アポロ10号」では月着陸船が月面15キロメートルの高度まで降下、69年7月20日「アポロ11号」が人類初の月面着陸に成功しました。以後、アポロ17号まで6回の打ち上げと5回の月面着陸が行われ、計12人が月面に降り立っています。11号以降で唯一、月面着陸を果たせなかったのが、酸素タンクの爆発事故を起こした「アポロ13号」で、この事故の顛末は『アポロ13』という映画にもなっています。ちなみに、NASAが月を目指しているのと時を同じくして、火星からの生命体との接触に成功した日本の出版社が創刊したのが、科学新書ブルーバックスだそうです。

    オススメ関連書籍はこちら
    『世界はなぜ月をめざすのか』
    アポロ計画が終了してから40余年。いま、水面下で、月の探査・開発をめぐる激しい競争がはじまっています。世界はなぜ月をめざすのか? その答えが、本書にあります。

    12月8日 マクスウェルが光の電磁波説を発表(1864年)

    この日、イギリスの物理学者ジェームス・クラーク・マクスウェルが、電磁波の存在を予言した論文を、王立協会から発表しました。この論文のなかで、マクスウェルは電場と磁場が波として伝わっていく現象を予言し、それこそが「光」であると考えました。この電磁波の存在はマクスウェルの発表から24年後の1888年に、ハインリヒ・ヘルツによる実験で確認されることになります。携帯電話などで使われる電波、日焼けの原因となる紫外線、そして後に発見されたX線やガンマ線なども電磁波の一種です。マクスウェルの導いた「マクスウェル方程式」は、光の屈折や反射などを含めた光のあらゆる物理現象を記述する基礎方程式で、この式があったからこそアインシュタインの相対性理論も生まれたといわれています。

    マクスウェルの示した電磁波の方程式

     

    オススメ関連書籍はこちら
    『光と電磁気 ファラデーとマクスウェルが考えたこと』
    電気と磁気の統一理論はどのように生まれたのか? ファラデーの思い描いた「すべての力を統一する理論」への歩みを辿りながら、電磁気学をわかりやすく解説します。

    12月9日 物理化学者ハーバーが生まれる(1868年)

    アンモニアを合成するハーバー・ボッシュ法で知られるドイツの物理化学者フリッツ・ハーバーが、この日、プロセイン王国ブレスラウ(現在のポーランド)に生まれました。彼のもっとも有名な業績は、カール・ボッシュと共に1906年に開発した、窒素と水素からアンモニアを生産するハーバー・ボッシュ法(N2+3H2→2NH3)です。農作物を育てるための肥料としてアンモニアは必要不可欠なものであったことから、ハーバー・ボッシュ法は「水と石炭と空気からパンを作る方法」ともいわれました。人口増加によってひきおこされた食糧難を解決できる、画期的な成果としてハーバーは賞賛されましたが、その後、第一次世界大戦中には毒ガス兵器の開発にも携わることとなり、1918年にノーベル化学賞を受賞(アンモニア合成法の開発に対して)した際には物議を醸すことになりました。じつは、ハーバー・ボッシュ法自体も、大戦中は火薬の原料を作るために使われていたそうで、科学は一歩間違えれば戦争の道具になってしまうということを思い知らされます。

    オススメ関連書籍はこちら
    『マンガ エニグマに挑んだ天才数学者 チューリング』
    科学が戦争にむすびつくのは、化学や物理だけではありません。実社会とは無縁にみえる数学者さえも戦争に巻き込まれていきます。人工知能の父とも謳われる天才数学者の42年の生涯の光と影に迫った一冊です。

    12月10日 第1回ノーベル賞授賞式(1901年)

    アルフレッド・ノーベルの5回目の命日あたるこの日、ノーベル賞の最初の授賞式がスウェーデンのストックホルムで行われました。栄えある第一回の科学三賞の受賞者は、物理学賞がヴィルヘルム・コンラート・レントゲン、化学賞がヤコブス・ヘンリクス・ファント・ホッフ、生理学医学賞がエミール・アドルフ・フォン・ベーリングです。これ以降、ノーベルの遺産によって運営されるノーベル財団が、物理学・化学・生理学医学・文学・平和の5部門について毎年授賞してきましたが、1969年にはスウェーデン銀行による経済学賞が新設されています。賞金・金メダル・賞状が贈呈され、受賞者は「ノーベル賞受賞記念講演」を行うのが慣例となっています。今年、生理学医学賞を受賞された大隅良典先生も授賞式にむけてすでに日本を出発されたそうですが、どんな講演をされるのでしょうか。とても楽しみですね。

    ノーベル賞受賞者によるブルーバックスはこちら

    2002年物理学賞受賞 小柴昌俊先生
    『ニュートリノ天体物理学入門』

    2008年物理学賞受賞 小林誠先生
    『消えた反物質』

    2008年物理学賞受賞 南部陽一郎先生
    『クオーク 第2版』

    2014年物理学賞受賞 天野浩先生
    『天野先生の「青色LEDの世界」』

    12月11日 100円硬貨が発行される(1957年)

    この日、戦後はじめての銀貨で、当時の硬貨としては最高額面だった100円銀貨が発行されました。表面に鳳凰、裏面に旭日をあしらったデザインで、60パーセントが銀、40パーセントが銅という配合で作られていました。現在の金属価格から計算すると、硬貨1枚当たり約200円の銀が使われており、硬貨としての額面価格よりも金属としての価値のほうが高くなるそうです。なお、この硬貨は1959年に、表が稲穂、裏が「100」の数字にデザイン変更され、1967年には現在も使われている桜のデザインの白銅貨に切り替えられました。現在、日本の硬貨に使われている金属は以下の通りです。
     1円、純アルミ(アルミニウム=100)、
     5円、黄銅(銅:亜鉛=6:4)、
     10円、青銅(銅:亜鉛:錫=95:4:1)、
     50円、100円、500円、白銅(銅:ニッケル=75:25)。
    時代によってさまざまに移り変わってきた硬貨の材料。そこには戦争や世界的な金属需要の動向が関わってきているそうです。詳しくは関連書籍をどうぞ↓

    オススメ関連書籍はこちら
    『金属なんでも小事典』
    鉄、銅、アルミニウムからレアメタルまで、現代生活を支える金属のすべてが一冊でわかります。

新着情報一覧

ページTOPへ