【サイエンス 7days】第9回 3月28日~4月3日

  • 2016/03/28

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    【サイエンス7days】
    第9回 3月28日~4月3日

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第9回 は 今日3月28日から4月3日までの一週間をみていきましょう。

     

    3月28日 フランスの数学者ピエール・ラプラス生まれる(1749年)

    ラプラス変換やラプラス方程式にその名を残す、フランスの数理物理学者ラプラス(~1827)がこの日、ノルマンディー地方の小さな町で生まれました。ニュートン力学を初めて天体の運動に適用した『天体力学』を発表するなど、数学、物理学、天文学など幅広い分野で重要な業績を残しています。『天体力学』を献上されたナポレオンの、「この本には神について書かれていないではないか」という問いかけに対して、「私には神という仮説は必要ありません」と答えたという毅然とした態度が伝えられる一方で、内務大臣にまで抜擢してくれたポレオンが失脚すると、すばやくブルボン家の支持にまわるなど、じつは世渡り上手な人でもあったようです。

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    『高校数学でわかるフーリエ変換 フーリエ級数からラプラス変換まで』
    理工系大学生がほぼ必修として習うフーリエ変換とラプラス変換。難解なイメージがありますが、じつはどちらも、高校数学で理解できてしまいます。教科書に挫折した方にも、数式なしの科学書にはもの足りない方にも、おすすめです。

     

    3月29日 薬師寺の東塔建立(730年)

    奈良・薬師寺の東塔(三重塔)が建立されました。東塔は薬師寺で唯一、創建当時より現存している建物です。日本の古代建築で最も美しい建物のひとつともいわれますが、残念ながら、現在は解体修理中でその姿を見ることはできません。修理が完了するのは2019年の春とのこと。ぜひ見に行ってみたいものです。じつは、この東塔には、東京スカイツリーを地震から守るために使われている「芯柱制振システム」と同じものが備わっているのです(詳しくは下の関連書籍をどうぞ!)。1300年前にこんな技術があったとは驚きです。

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    『古代日本の超技術 改訂新版』
    驚異の湿度調整能力で家屋を守る古代瓦。名刀「正宗」に隠されていた半導体顔負けの多層構造。古代日本が誇る、自然を活かした匠の技に迫ります。

     

    3月30日 ガウスが正17角形の作図法を考案(1796年)

    正17角形をコンパスと定規のみで作図することは可能なのか? 古代ギリシア以来2000年ものあいだ謎だったこの難問を解決したのは、19歳のカール・フリードリヒ・ガウスでした。天才数学者といえばまっさきに名前が挙がるガウスは、この問題を解決したことで数学者を志すようになったともいわれています。
    ブルーバックスの本棚を探してみると、ちゃんとありました。これが正17角形の作図法です!


     

    (大野栄一『定木とコンパスで挑む数学』より)

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    『素数が奏でる物語』
    数学のあらゆる領域で足跡を残したガウス。素数に関しても「ガウス素数」なるものがあるとのこと(詳しくは本書で!)。ガウスは言葉が話せるようになる前から計算することができた、なんていう逸話も紹介されています。おそるべしガウス。

     

    3月31日 物理学者の朝永振一郎生まれる(1906年)

    量子電磁力学、場の量子論の研究で知られる物理学者、朝永振一郎がこの日生まれました。1943年に発表した「超多時間理論」や1946年の「くりこみ理論」は、現在の「素粒子の標準理論」の基礎となるものです。1965年には、シュウィンガー、ファインマンと共同でノーベル物理学賞を受賞。創刊3年目のブルーバックスも大いに盛り上がりました。また、同じくノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊や、南部陽一郎も教えを受けた物理学者です。

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    『超対称性理論とは何か』
    「場の量子論」や「くりこみ理論」によって拓かれた万物の理論探求への道は、自然界に存在する4つの力(弱い力、強い力、電磁力、重力)のうち、重力以外の3つを説明する「標準模型」へと結実しました。そして現在、「標準模型」を超える「超対称性理論」に物理学者は挑んでいます。

     

    4月1日 米国で初の電子顕微鏡を発表(1940年)

    ニュージャージー州にある電気機器・半導体関連の企業RCAの研究所で、電気技術者ツウォリキンらが、電子線と電子レンズを用いて物体の拡大像を得る装置を公開しました。当時の電子顕微鏡による倍率は、それまでの光学顕微鏡の50倍ほどだったそうです。電子顕微鏡は、光と同様に電子も、粒子と波、両方の性質を持ち合わせていることを利用したもので、これはアインシュタインの発見がもとになっています。

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    『光と重力 ニュートンとアインシュタインが考えたこと』
    ニュートンがレンズや光の研究をしていた時代から、量子力学・相対性理論の効果を用いてひとつの原子を見ることができるようになった現代まで、顕微鏡の進歩の様子が本書第5章でふれられています。

     

    4月2日 がん研究会が発足(1909年)

    医学者の北里柴三郎、細菌学者の志賀潔らにより、癌研究会が東京帝大病理学教室で発足しました。そののち、組織は拡大され、財界・政界からの寄付金をもとに、1934年には、日本初のがん専門の研究所とその附属病院が、東京西巣鴨に開設されました。がん研究会は現在でも公益財団法人として活動を続けています。

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    『現代免疫物語beyond 免疫が挑むがんと難病』
    いま、難病の治療においても「切り札」として期待されはじめている免疫療法。外敵退治だけではない、免疫世界の最前線が一望できる傑作ドキュメントです。

     

    4月3日 ファーブル激励会(1910年)

    フランスの博物学者ファーブルを貧窮から救おうと、哲学者ベルクソン、政治家ポアンカレ、劇作家ロスタン、作家ロラン、おなじく作家メーテルリンクなどが「感謝の会」を開きました。ファーブルは87歳となったこの年、21年間とりくんできた労作『昆虫記』の最終巻となる第10巻を完成させていました。「感謝の会」は、『昆虫記』が売れず、貧窮したファーブルを助けるために行われましたが、実はそれほど、苦しい生活を送っていたわけではなかったとも言われています。ちなみにファーブルがお金に困って生涯で一度だけ借金をした相手はイギリスの思想家ジョン・スチュアート・ミルだったそうです。すごい人たちと知り合いだったんですねえ。そういえばダーウィンも『昆虫記』を賞賛していましたが、一方でファーブルは、ダーウィンの進化論に一貫して反対していました。

    オススメ関連書籍
    『へんな虫はすごい虫』
    キノコを栽培する虫、他の虫を飼育する虫、昔のくせがぬけない虫。抱腹絶倒!奇想天外!の虫ワールドへようこそ。ユニークな本書の表紙の虫たちも、ぜひこちらからチェックしてみてください。

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