「5年後の浜辺」最終回 そして、何もいなくなった

  • 2016/04/09

    • 連載

    「5年後の浜辺」最終回
    そして、何もいなくなった

    東日本大震災から満5年の日にスタートした短期集中連載「5年後の浜辺――復旧事業は生態系をどう変えたか」は、今回で最終回となります。ご愛読いただいたみなさまに厚くお礼を申し上げます。

    あの震災には日本人のすべてがなんらかのかたちで関わりをもったはずですが、津波跡の生態系の保全を訴えるという永幡さんの取り組みは、はっきりいえば「異端」でしょう。「復興」という国家的な「正義」は、「異端」を排除することにたやすく大義名分を与えてくれます。生きものも大事だと、頭では誰もがわかっていても、あえて自分が「異端」と向き合おうという人もいない、それが「勤勉な歯車」だけでできあがった組織というものなのでしょう。そして世の中はいつのまにか、単一の方向に突き進んでいく。

    生態系の多様性が失われることは、私たちの社会から多様性が失われていることでもあるのかもしれません。今回、具体的に図で示された、「緑」を失った仙台平野の海岸線は、その象徴であるような気がしてきます。永幡さんの戦いは、これからも続きます。

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