【サイエンス 7days】 第23回 7月4日~7月10日

  • 2016/07/04

    • ニュース

    第23回 7月4日~7月10日
    クローン羊「ドリー」誕生

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第23回 は 今日7月4日から7月10日までの一週間をみていきましょう。

     

    7月4日 マーズ・パスファインダーが火星に着陸(1997年)

    NASAが1996年12月に打ち上げた無人火星探査機「マーズ・パスファインダー」が、この日火星に到着。1976年のバイキング1号・2号以来、21年ぶりに火星表面への軟着陸に成功しました。7月4日という日付はアメリカの独立記念日にあわせたものだそうです。マーズ・パスファインダーは、エアクッションに包まれた状態で地表にぶつかり、数回バウンドして静止するという新しい着陸法の最初の成功例にもなりました。着陸船は1万6000枚以上のカラー写真を撮影し、着陸船から分離した小型探査車は岩石の化学組成を分析しました。ちなみに、撮影された写真には火星の雲も写っています。火星にも雲があるということをみなさんはご存じでしたか? 故郷の空を見ていたら、わたしも久しぶりに里帰りしたくなりました。



    マーズ・パスファインダーが撮影した火星の雲(JPL/NASA)



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    『完全図解・宇宙手帳』
    旧ソ連の火星探査機マルス(1960年)からアメリカのマーズ・サイエンス・ラボラトリー(2011年)まで、人類の火星探査の全記録がこれ一冊ですべて見通せます。

     

    7月5日 世界初の哺乳類のクローン、羊の「ドリー」が生まれる(1996年)

    この日、イギリスのロスリン研究所において、世界初の体細胞からつくられたクローン羊の「ドリー」が誕生しました。この実験では、受精卵などの生殖細胞からのクローンではなく、成長した羊の(乳腺の)細胞からクローンがつくられたということで、社会的に大きな関心を呼びました。また、すでに乳腺という器官になっていた細胞に、羊まるまる一匹分の情報が含まれていることを示した決定的な証拠であり、科学的にも大きな衝撃をもたらしました。ちなみに、生殖細胞から人工的につくられた初めてのクローンはウニで、1891年のことだったそうです。意外に早い時期からクローン技術があったことに驚きです。

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    『新しい発生生物学』
    たったひとつの細胞が分裂を繰り返し、骨や筋肉、内臓ができる。生命の神秘が集約された「発生」の驚くべきメカニズムをやさしく解説します。

     

    7月6日 「対称性の破れ」証明(2001年)

    スタンフォード大学の線形加速器センター(SLAC)が、物質と反物質の不均衡の原因となる「CP対称性の破れ」が99.997%の確率で実際に起っていることを確認したと発表しました。CP対称性とは、チャージ(C)とパリティ(P)、つまり電荷と空間反転に関係する対称性のことで、素粒子物理学の最重要テーマなんだとか。説明を始めると、ちょっと長くなってしまうので、詳しい解説は「CP対称性の破れ」を理論的に示したことでノーベル賞を受賞された小林誠先生のブルーバックス『消えた反物質』にお譲りしますね。

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    『消えた反物質』
    小林誠先生による、一般書としては初めての「CP対称性の破れ」の解説。第一人者ならではの核心をつく説明で、素粒子物理の最重要テーマを攻略します。

     

    7月7日 国産タバコの箱に初の注意書き(1972年)

    「健康のため吸いすぎに注意しましょう」という注意書きが、「チェリー」と「ミニスター」のパッケージに印刷されるようになりました。最初は、関西の一部地域に限定のものでしたが、約1ヵ月後には全国に拡大されたそうです。この警告文は1990年には「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」と改められ、さらに、たばこ規制枠組条約が発効した2005年からは、より大きな面積で複数の警告文を表示することが義務づけられるようになりました。

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    『がんになる人 ならない人』
    喫煙が肺がんのリスクを高める、ということはよく知られていますが、そのメカニズムをきちんと説明できますか? 本書では、具体的な科学的データや、がんになる仕組みの解説からその危険性を考えます。

     

    7月8日 幻の最高気温(1921年)

    1921年のこの日、イラクのバスラで58.8度という観測史上最高気温が記録された……という話を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。しかし、じつはこれ、日本以外ではほとんど知られていない記録なんだそうです。近年の調査によれば、もともと53.8度だった数値が58.8度と誤って日本の書籍に記載され、それが広まったのではないかといわれています。現在信頼されている数値としては、1913年7月10日にアメリカのデスバレーで記録された56.7度が世界最高気温。いずれにしても信じられないような温度ですね。ちなみに日本では2013年8月12日に高知県四万十市の江川崎で計測された41.0度が史上最高気温です。

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    『熱とはなんだろう』
    気温や水温といった身近な数値と物理学の「温度」や「エントロピー」はどうかかわっているのか。意外と奥が深い熱について、じっくり考えるための一冊です。

     

    7月9日 ラッセル-アインシュタイン声明(1955年)

    哲学者のラッセルと物理学者のアインシュタインが中心となり、湯川秀樹ら11人の世界的科学者が連名で、核兵器戦争による人類絶滅の危機を訴える声明を発表しました。この声明は、アメリカ、ソ連、イギリス、フランスなどの各国に送られ、1968年の核拡散防止条約のきっかけとなるなど、今日まで続く核兵器根絶運動の出発点となりました。なお、アインシュタインは声明発表の3ヵ月ほど前に亡くなっており、このメッセージはアインシュタインの「遺言状」とも言われています。

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    『原子爆弾』
    量子力学や相対性理論といった現代物理学は、いかにして原子爆弾をつくりだしたのか。科学技術の側面から核兵器の歴史をたどります。

     

    7月10日 物理学者オンネスがヘリウムの液化に成功(1908年)

    この日、オランダの物理学者オンネスが、すべての元素のなかでもっとも沸点の低いヘリウム(絶対温度4.2K)の液化に成功しました。さらに、液体ヘリウムを冷却材として用いることで、オンネスは人類で初めて絶対温度1K以下の極低温を実現し、金属の電気抵抗が0になる超電導現象も発見しています。ちなみに、現代の最新技術では1億分の1Kという超低温を実現することまで可能となっているそうです。マイナス40℃ではバナナで釘が打てるといわれていますが、1億分の1Kの世界では「原子と光が絡み合ってねばねば」になるそうです。もうわけがわかりません。

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    『極限の科学』
    人類はどこまで、低い温度、高い圧力、強い磁場をつくりだすことができるのか。極限を追求する技術と、そこで見えてくる驚きの物質の振る舞いに迫ります。

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