【サイエンス 7days】 第92回 10月30日~11月5日

  • 2017/10/30

    • ニュース

    第92回 10月30日~11月5日
    ソ連のライカ犬が宇宙へ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第92回は今日10月30日から11月5日までの一週間をみていきましょう。

    10月30日 上野公園に水族館がオープン(1964年)

    この日、上野公園の開園80周年を記念した新展示施設「大水族館(水族爬虫類館)」がオープンしました。魚類のほか、両生類や爬虫類を観察することができ、これによって上野動物公園の飼育する生物の数は飛躍的に増加しました。現在、この水族館は葛西臨海公園水族館に移管され、上野公園の大水族館跡地には「両生爬虫類館」が設置されています。なお、日本初の水族館は、1882年に上野動物園に作られた「観魚室(うをのぞき)」で、トンネルの中を通りながら魚を見ることができるものだったようです。

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    『海に還った哺乳類 イルカのふしぎ』
    かつて陸上で暮らしたイルカの祖先は、なぜ海中生活に舞い戻ったのか? 海が進化させた独自のからだと「水中生物最大の脳」の秘密とは? 「ヒトと会話ができ、文字が読めるイルカ」を目指して探求してきた第一人者が、最新イルカ学のすべてを語ります。

    10月31日 有機化学者のアドルフ・フォン・バイヤーが生まれる(1835年)

    天然染料の藍の色素成分であるインディゴの合成で知られる有機化学者アドルフ・フォン・バイヤーが、この日、ドイツのベルリンに生まれました。ハイデルベルク大学でブンゼンやケクレに学んだバイヤーは、有機合成について幅広く研究しました。インディゴの合成とその分子構造の決定、香料として用いられるインドールの化学式の解明などの業績をあげ、1905年にはノーベル化学賞を受賞しています。ちなみに、インドールはオレンジやジャスミンの香りの成分のひとつで、香水にも利用されていますが、濃度が高くなると糞のような臭いに感じられるそうです(実際の糞にも含まれています!)。

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    『「香り」の科学』
    人が感じる香りとはなにか? 嗅覚の生理学的なメカニズムから、化学物質として見た香りの正体、健康に役立つ香りの豆知識まで、これ一冊で香りについての基礎が網羅できます。

    11月1日 灯台記念日

    1868年のこの日に神奈川県観音崎灯台の工事が開始されたことを記念して、海上保安庁が1949年に「灯台記念日」を制定しました。レンガ造りの観音崎灯台は、日本初の洋式灯台で、かがり火の代わりに石油を使用しました。光を遠くまで届けるための「フレネルレンズ」が搭載されており、20キロメートル以上先からもこの灯台の明りを見ることができたそうです。この灯台は、1922年の地震と、1923年の関東大震災による2度の崩壊を経て、現在はコンクリート製の3代目が運用されています。

    灯台で使用されるフレネルレンズ

     

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    『灯台の光はなぜ遠くまで届くのか』
    1800年代、海難事故が相次いでいたフランスで、暗い海を明るく照らす灯台が求められていました。小さな光を効率よく、より遠くまで届けるにはどうすればいいか――その難題に挑んだのがオーギュスタン・ジャン・フレネルでした。多くの命を救い、人々を魅了し、世界中に広まった「フレネルレンズ」とは何か。オタクで内気だった青年が、信念を貫いて築きあげた19世紀の偉大な業績に迫る一冊です。

    11月2日 数学者のロバチェフスキーが生まれる(1793年)

    非ユークリッド幾何学の一体系である双曲幾何学を発表したことで知られる数学者ニコライ・ロバチェフスキーが、この日、ロシア西部のニジニ・ノヴゴロド州に生まれました。紀元前の数学者ユークリッドによって体系づけられた「ユークリッド幾何学」では、三角形の内角の和が180度になることが知られていますが、ロバチェフスキー幾何学ともよばれる「双曲幾何学」においては、内角の和は180度よりも小さくなります。さらに、この新しい幾何学には平行な線が存在しません。そんな不思議な性質をもった幾何学は、もともとは純粋な数学の産物でしたが、じつは私たちの住む宇宙の形が非ユークリッド幾何学で表されている可能性もあるのだとか。

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    『曲がった空間の幾何学』
    「2本の平行線が交わってしまう!?」「うらおもてのない曲面がある?」――幾何を学びはじめるときにもつ疑問点や難しい概念を、イメージで捉えられるように丁寧に解説していきます。現代数学としての幾何を習得するために必要なことがぎっしりつまった幾何入門書です。

    11月3日 スプートニク2号の打ち上げ(1957年)

    この日、宇宙空間での生物活動の問題点を探るために、観測機器と小型のライカ犬がソ連の宇宙船「スプートニク2号」で打ち上げられました。宇宙船は地球のまわりを約100分かけて一周する周回軌道に投入され、ライカ犬は地球の生命として最初の周回飛行を成し遂げました。しかし宇宙船には地球へ帰還する設備が備えられていなかったため、衛星は回収されず、ライカ犬は睡眠薬によって宇宙で死亡しました。なお、「スプートニク1号」は同年の10月4日に打ち上げられた世界初の人工衛星です。また、最終の「3号」は、1958年5月15日に打ち上げられ、大気組成、地球磁場、太陽放射能などを測定しました。重量は1327キログラムまで増え、「空飛ぶ実験室」と呼ばれたそうです。

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    『死なないやつら』
    人は宇宙空間では生きられませんが、生物のなかには人の致死量の1000倍以上の放射線に耐えるやつ、地球上に存在しない強烈な重力に耐えるやつ……思わず「その能力、いらんやろ?」とツッコみたくなるような「極限生物」たちが存在します。世界中の極限環境を歩いた「科学界のインディ・ジョーンズ」の面目躍如、文句なしに面白くてエキサイティングな生命論をぜひご一読ください。

    11月4日 安政東海地震が発生(1854年)

    この日、規模M8.4の巨大地震が東海道沖で発生し、九州西部から近畿地方にかけて強い揺れが観測されました。この約32時間後に発生した安政南海地震とともに安政地震、あるいは安政大地震とも呼ばれています。安政大地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界にある沈み込み帯が震源で、この場所で100~200年周期で発生する「南海トラフ大地震」のひとつだと考えられています。この地震による津波・火災・家屋倒壊で数千人の死者が出たと伝えられています。また、翌年の1955年に発生した江戸地震(死者1万人以上)とあわせて「安政の三大地震」と呼ばれることもあります。

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    『活断層地震はどこまで予測できるか』
    熊本、鳥取、福島沖──なぜ、大地震が頻発するのか? 活断層の動きが活発化する「地震の活動期」に入ったのか? 日本列島に走る活断層の数は2000以上。活断層とは何か? 直下型地震はどうして起きるのか? 今知りたい疑問に答えます。

    11月5日 イタイプダムの完成(1982年)

    この日、ブラジル・パラグアイ国境のパラナ川に建設されたイタイプ水力発電所のダムが、1975年の建設開始から16年の年月をかけて完成しました。出力は1260万キロワットで、2009年に中国の三峡ダム発電所(出力2250万キロワット)が完成するまで世界最大のダムとして知られていました。ダムの長さは1400メートルもあり、満水時の貯水湖は琵琶湖の面積の2倍にもなります。ちなみに、このダムの下流には世界三大瀑布のひとつとされるイグアスの滝があり、このダムも観光名所として知られています。

    イタイプ発電所のダム 画像提供:International Hydropower Association

     

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    『分散型エネルギー入門』
    水力、風力、太陽光、地熱などにくわえ、潮力、波力、海洋温度差や熱電、圧電、燃料電池など、新しいエネルギー技術の最前線を紹介。大容量集中型発電と自然エネルギーなどを組み合わせたエネルギーの分散化など、新しい発電技術を網羅した一冊です。

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