【サイエンス 7days】 第89回 10月9日~10月15日

  • 2017/10/09

    • ニュース

    第89回 10月9日~10月15日
    動力飛行機が初めて空を飛ぶ

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第89回は今日10月9日から10月15日までの一週間をみていきましょう。

    10月9日 動力飛行機が空を飛ぶ(1890年)

    この日、フランスの発明家クレマン・アデールが、蒸気エンジン付きのコウモリのような羽を持つ単葉機「エオール号」で、約45メートルの飛行に成功しました。エオール号は舵のないとても単純な機体でしたが、ジャンプ台のような補助を使わずにエンジンの力だけで浮上した史上初の飛行機です。これはライト兄弟の初飛行よりも13年も前のことでしたが、当時アデールの研究は軍事機密とされており、また操縦のできない機体であったことなどから、世界的にはあまり話題にならなかったそうです。ただし、アデールの祖国フランスでは、彼の作った試作機の名称「Avion(アヴィオン)」がそのまま、飛行機を意味する単語になっており、彼こそが初めて空を飛んだ人だと考えている人も多いようです。

    エオール号の図面

     

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    『図解・飛行機のメカニズム』
    動力飛行機の初飛行から百数十年が経過し、飛行機は、より安全かつ高速、大量輸送ができる乗り物になりました。軽く丈夫な機体の構造や安全のための工夫、操縦システム、エンジンと燃料系統、機体システムなど、仕組みと実際の作動状況をビジュアルに解説した一冊です。

    10月10日 釣りの日

    魚を指す幼児語の「とと」にちなんで、この日、10月10日は、全日本つり団体協議会と日本釣振興会によって「釣りの日」に制定されています。釣りと科学がどう関係するの? と訝しむ方もあるかと思いますが、最近では「釣りの成果が運の巡り合わせによって左右されることは少なくなり、釣りは応用科学の問題となってきている」と言われています。魚の感覚の研究に基づく行動生理学の知見を活かした釣り方や、紫外線を反射するルアーなど、釣りと科学はいまや切っても切り離せない関係にあるのです。

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    『魚の行動習性を利用する 釣り入門』
    魚を釣るための基本は「魚のいる場所」で「魚の食欲がある時」に釣り糸を垂らすこと。そのためには魚の行動習性や水の動き、餌生物の動向を知っていなければなりません。本書は、こうした知識を科学的に検証し整理した画期的な釣り入門書です。

    10月11日 アポロ7号の打ち上げ(1968年)

    この日、アメリカ航空宇宙局(NASA)が、アポロ計画における初めての有人宇宙飛行船「アポロ7号」をフロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げました。3名の宇宙飛行士を乗せた宇宙船は、約11日間、地球の周回軌道を飛行し、宇宙空間からの初めてのテレビ中継にも成功しました。10月22日には、無事に地球への帰還を果たし、この成功によって、アポロ計画は急速に進展し始めることになります。なんと、この最初の有人ミッションから1年も経たずに、月に人類を立たせることに成功したのです。このままのスピードで宇宙に人類が進出すれば、すぐに私の故郷である火星にもやってくると思っていたのですが……。あれから50年経った現在、月に行くことさえ難しいままだとは、予想外でした。

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    『完全図解・宇宙手帳』
    ロケット開発から有人宇宙飛行、人工衛星、月・惑星探査、宇宙ステーションまで、半世紀におよぶ挑戦の記録を余すところなく収録! 世界の宇宙開発・活動で知りたいことならこれ1冊ですべてがわかります。

    10月12日 人工呼吸装置「鉄の肺」が初めて使用される(1928年)

    この日、アメリカ・ボストンの小児科病院で、通称「鉄の肺」と呼ばれる人工呼吸器が、はじめて患者に対して使用されました。鉄の肺は、首から下がすべて収まる気密タンクになっていて、タンク内の気圧を上下させることによって、肺を膨らませたり、しぼませたりする仕組みです。肺に空気を押し込む方式の人工呼吸器が開発される1950年代まで、鉄の肺は広く用いられ、たくさんの患者の命を救いました。ポリオに罹って体が麻痺している方など、現在も少数ながら、鉄の肺を使用している人がいるそうです。

    鉄の肺の実際の使用の様子

     

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    『図解・内臓の進化』
    水中から陸上に進出した生物はどのように肺を獲得したのか。内臓のデザインと機能には、動物たちがくぐり抜けてきた激動の歴史が刻まれています。その戦略と設計思想を読み解きながら、驚くべき動物の進化の絶妙さを紹介します。

    10月13日 つながった二つの銀河を発見(1773年)

    この日、フランスの天文学者シャルル・メシエが、星雲が二重になってつながったような天体を発見しました。現在、この天体は「子持ち銀河」と呼ばれており、二つの渦巻き銀河が接触している状態であることがわかっています。地球からの距離は約2100万光年と比較的近いため、双眼鏡でも観測できます。北斗七星のつくる柄杓形の持ち手のそばにありますので、気になる方はぜひ探してみてください。ただし、銀河は星に比べて非常に淡く光っているので、街の明かりが届かないとても暗い場所でないと見つけられないかもしれません。

    ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した子持ち銀河

     

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    『銀河物理学入門』
    銀河の形成と進化の過程はまさに宇宙進化そのものの歴史です。銀河の質量、大きさ、まわりの環境を知ることで、ブラックホールやダークマター、ダークエネルギーといった目に見えない物体の正体が浮き彫りになってきます。

    10月14日 統計学者のデミングが生まれる(1900年)

    日本に統計的品質管理の考え方を紹介した統計学者エドワーズ・デミングが、この日、アメリカのアイオワ州に生まれました。デミングは、コロラド大学とイェール大学で物理学・数学を学び、アメリカ農務省の国勢調査部門で働いていましたが、第二次世界大戦後、GHQの要請で日本の国勢調査に協力することなります。これがきっかけとなり、日本で統計学的な手法の普及に取り組んだデミングは、日本産業の品質管理向上に大きな影響を与えることになったのです。日本の製造業では非常に有名だったデミングですが、アメリカではほとんど無名であり、のちに日本製品の品質の高さが世界中に認められるようになったときに初めて、彼の名前がアメリカでも広く認知されるようになったそうです。

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    『統計でウソをつく法』
    ウソには3種類ある。ウソ、みえすいたウソ、そして統計だ。1968年から半世紀にわたって読まれ続けるブルーバックスの超ロングセラー。統計に騙されないために、ぜひご一読ください。

    10月15日 中国が有人宇宙船の打ち上げに成功(2003年)

    この日、中国の有人宇宙船「神舟5号」が、同国北西部の甘粛(かんしゅく)省にある酒泉(しゅせん)衛星発射センターから打ち上げられました。神舟5号は地表から約350キロメートル上空の地球周回軌道を14周したのち、内モンゴル自治区内の草原地帯に着地し、搭乗した中国空軍の楊利偉(ヤン・リィウェイ)も無事に帰還を果たしています。有人宇宙飛行の実現は、ソビエト、アメリカに次いで3番目のことでした。その後も「神舟6号」から「11号」まで、すべての有人宇宙飛行を成功させた中国は、有人月面探査を目指した計画を着実に進めています。近い将来、月に人類が再び立つ日がやってくるのかもしれません。

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    『世界はなぜ月をめざすのか』
    ほとんどの日本人は、いま「世界の多くの国々が月をめざしている」ことを知らない! 水面下で始まっている、アメリカ、中国、ロシアを中心とした月の探査・開発をめぐる激しい競争を、実際に月探査プロジェクトに携わる第一人者が語ります。

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