【サイエンス 7days】 第95回 11月20日~11月26日

  • 2017/11/27

    • ニュース

    第95回 11月20日~11月26日
    「はやぶさ」がイトカワに着地

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第95回は今日11月20日から11月26日までの一週間をみていきましょう。

    11月20日 多摩動物公園に珍獣コアラが登場(1984年)

    この日、東京都日野市の多摩動物公園で、珍獣コアラがはじめて一般に公開され、大きな話題となりました。この日公開されたコアラは、この年の10月20日にオーストラリアのタロンガ動物園から日本に贈られた6頭のうちの2頭で、残りの4頭は名古屋市東山動物園と鹿児島市平川動物園でそれぞれ2頭ずつ飼育が開始されました。コアラは双前歯目コアラ科の動物で体長60~80cm、体重4~15kg、盲腸が哺乳類で最も長く、体長の約3倍の2.4mもあります。ユーカリ林にのみ生息し、ユーカリ約600種のうち、わずか35種の葉や芽しか食べないため、動物園で飼育する際にはエサ代が悩みのタネになることが多いのだとか。現在、コアラを見ることができる動物園は日本でたった9ヵ所だけです。

     

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    『イラスト図説「あっ!」と驚く動物の子育て』
    時に自分の身体の一部を削って子に与え、我が子の繁栄のために他者の子を殺す……。自然界では、子育ては一種の闘いです。微生物発酵で卵自動温め装置を作るクサムラツカツクリ、自分の血管から栄養を子供に吸わせて育てるコモリガエル……。死と隣り合わせの過酷な自然の中で編み出された「あっ!」と驚く子育て法の数々を、著者自らの手による豊富なイラストを交えて紹介します。

    11月21日 伊豆大島の三原山が大噴火(1986年)

    この日、伊豆半島の南東約25kmに位置する伊豆大島の三原山で、大きな噴火が始まりました。火口やカルデラの底面のほか、山の側面の割れ目からも噴火があり、溶岩流が集落に迫り、強い揺れが連続したため、島民のぼぼ全数となる約1万人が、島外に避難することになりました。209年ぶりの大噴火で、噴出物の総量は約6000万トン、噴煙は高度8000mに達しました。三原山は古くから噴火を繰り返してきた火山で「御神火(ごじんか)」と呼ばれ信仰の対象にもなってきました。この噴火の約30年前、1957年に発生した噴火では、火山弾によって1人が死亡、53人が怪我をする被害が発生しており、このときの教訓が、素早い避難指示の発令につながったとされています。

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    『Q&A 火山噴火 127の疑問』
    箱根山、口永良部島、浅間山、桜島など、つぎつぎと火山活動が活発化し日本列島に異変が起きているのでは?――東日本大震災の影響なのか、富士山は噴火しないのか、火山災害からどう身を守ればよいのか、噴火予知は可能なのか、御嶽山、箱根山、桜島はこれからどうなるのか、世界の火山の総数は、有珠山、三宅島、雲仙普賢岳はだいじょうぶか、富士山が噴火したときの災害規模は――火山にまつわるさまざまな疑問に火山学者が真摯に回答します!

    11月22日 「コンコルド」がパリ~ニューヨーク間に初就航(1977年)

    この日、イギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機「コンコルド」が、フランス・パリとアメリカ・ニューヨークの間の定期路線で運航を開始しました。通常の航空機のほぼ2倍の高さにあたる約1万8000mの高度を、マッハ2で飛行するコンコルドは、夢の超音速旅客機として注目を集めましたが、燃費や、離着陸に必要な滑走路の設備など採算面で苦戦し、2003年までにすべての機体が退役しています。ちなみに、パリ~ニューヨーク間の所要時間は約3時間半で、現在のジェット旅客機(所要時間8時間半~9時間)の半分以下の時間で大西洋を横断することができました。2017年現在、定期国際運航路線に就航している超音速民間旅客機はなく、コンコルドに続く次世代超音速旅客機の開発が各国で進められています。

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    『図解・飛行機のメカニズム』
    セスナからジャンボジェットまで、軽く丈夫な機体の構造や安全のための工夫、操縦システム、エンジンと燃料系統、機体システムなど、「より安全に速く大量に」を目指す航空技術の最先端を網羅! 仕組みと実際の作動状況を豊富なビジュアルで解説します。

    11月23日 「Windows 95 日本語版」の発売(1995年)

    この日、マイクロソフト社のGUIオペレーションシステム(OS)、「Microsoft Windows 95」の日本語版が発売されました。発売日(11月23日)になった瞬間に販売を始める店も多く、深夜にもかかわらず販売店にはいち早く製品を手に入れようとする人が行列を作りました。発売から4日間で販売数は20万本を超え、翌年の4月までに約380万本が出荷されたそうです。ちなみに、「Windows 95」の全世界での売り上げは、1999年までで1億9000万本以上にも達するそうです。このOSの発売によって、パソコンブームが巻き起こり、またインターネットが一般家庭に普及するきっかけになったと言われています。

    「Windows 95」のスクリーンショット

     

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    『入門者のLinux』
    パソコンのOSと言えば「Windows」と「Mac」が思い浮かびますが、じつは専門家の間では「Linux」というOSもよく使われています。スパコンのなかで使われているのはほとんどが「Linux」です。本書では、Linuxをそれらしく使う上で欠かせないコマンド入力を使いながらLinuxの基礎から応用までを学び、「なぜコマンドが便利なのか?」を理解します。Linuxを使いこなす上で必要な「考え方」を体得できる一冊です。

    11月24日 タスマニア島発見(1642年)

    この日、オランダの探検家アベル・タスマン(1603~1659)が、オーストラリア南東にある大きな島を発見しました。この島は、タスマンの探検のスポンサーであったオランダ東インド会社総督アントニオ・ヴァン・ディーメンにちなんで「ヴァン・ディーメンズ・ランド」と名づけられましたが、後に「タスマニア島」と改名されています。タスマンは、1642~1643年にかけての探検航海でタスマニア島のほか、ニュージーランド、トンガ諸島、フィジー諸島などにヨーロッパ人として初めて到達しました。タスマニア島は隔離された環境下で進化した特異な動植物が数多く見られ、なかでも夜行性の大型肉食獣タスマニアデビルが有名です。

    タスマンが1642年と1643年の航海を元に作成したオーストラリア付近の地図
    中央下にあるのがタスマニア島で左下にはニュージーランドの一部が描かれている

     

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    『海に沈んだ大陸の謎』
    我々がよく知る6大陸のほかに、もうひとつの大陸が存在する!? その名は……。好評既刊『地球を突き動かす超巨大火山』の著者による、地球ミステリー第2弾! ミクロな物質から地球史を復元する壮大な謎解きを、地学の知識がない読者に向けて解説します。

    11月25日 物理学者の李政道が生まれる(1926年)

    素粒子の「弱い相互作用」は空間反転に対して不変でないという「パリティ対称性の破れ」の理論を楊振寧(ヤン・ヂェンニン)とともに提唱し、1957年にノーベル賞を受賞した李政道(リー・ヂョンダオ)が、この日、中国東部の江蘇省に生まれました。李は中国で大学を卒業したのち、シカゴ大でフェルミに学び、1956年には29歳の若さでコロンビア大学の教授に就任しています。「パリティ対称性の破れ」は1956年の発表後すぐに実証され、翌年の1957年にノーベル賞が授与されています。理論の提唱から実証までに長い時間がかかることもある物理学賞のなかでは、驚くべきスピード受賞です。ちなみに、2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎の研究は1960年代に行われたものだったそうですから、受賞までに40年もの歳月が必要だったことになります。

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    『超対称性理論とは何か』
    標準理論に残された「階層性問題」を解決し、謎だった「暗黒物質」の正体をつきとめ、さらに「力の大統一」が達成される。素粒子と時空を結びつけ「なぜこの宇宙が存在するのか」という根源的な問いに答える究極の理論に迫ります。

    11月26日 「はやぶさ」が小惑星イトカワに着地(2005年)

    この日、日本の小惑星探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」に着地し、表面の岩石の採取を行いました。「はやぶさ」は2003年に宇宙科学研究所が打ち上げた探査機で、小惑星からのサンプルリターンに初めて成功したことは、みなさんもご存じかと思います。地球から3億km離れた場所で行われたイトカワでのサンプル採取は困難を極め、無事にサンプルがカプセルに入ったのかどうかも不明なまま、地球への帰路へとついたハヤブサですが、その道のりも平坦なものではありませんでした。しかしハヤブサは、エンジンの不調や、姿勢制御の喪失などさまざまなトラブルを乗り越えて、2010年6月13日に奇跡の帰還を果たします。このプロジェクトによって得られた知見は、その後の日本の宇宙開発にとってかけがえのない財産になっているはずです。

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    『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』
    どうやって「はやぶさ」プロジェクトを成功に導くことができたのか。打ち上げから帰還に至るまでの約7年にわたる宇宙の旅で何度も絶体絶命と思われた状況を切り抜けプロジェクトを遂行できた本当の理由とは? 企画立案時から開発、運用に携わってきたプロジェクトリーダーと技術者、研究者たちがその時何を考え、どう行動してきたのか、その舞台裏がはじめて明かされます。

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