【サイエンス 7days】 第57回 2月27日~3月5日

  • 2017/02/27

    • ニュース

    第57回 2月27日~3月5日
    日本初の人力飛行機が初飛行

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第57回は今日2月27日から3月5日までの一週間をみていきましょう。

    2月27日 日本初の人力飛行機が初飛行(1966年)

    この日、日本大学理工学部の人力飛行機「リネット号」が、調布飛行場で日本初の人力飛行に成功しました。リネット号は、当時、日本大学の教授だった航空機設計者の木村秀政が、学生とともに3年がかりで製作したもので、初飛行の距離は約15メートルだったそうです。人力飛行機の歴史は意外にも新しく、世界で初めて飛行に成功したのはイギリス・サザンプトン大学が製作した「サンパック号」で、1903年にライト兄弟が動力付きの飛行機で初飛行に成功してから、約半世紀後の1961年のことでした。エンジンを人間の力で代用する人力飛行機は、通常の航空機よりもはるかに高度な設計が求められるものだったのです。ちなみに、現在の人力飛行世界記録はマサチューセッツ工科大学の「ダイダロス88」が達成した、飛行距離115.11キロメートル、飛行時間3時間54分だそうです。人間が自分の力だけで4時間も空を飛んでいられるなんて、驚きですね!

    ダイダロス88号(写真提供:NASA)

     

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    2月28日 物理化学者ポーリングが生まれる(1901年)

    量子力学を化学へと応用し、化学結合のしくみを解明した化学者ライナス・ポーリングが、この日、アメリカのオレゴン州ポートランドに生まれました。ポーリングは、X線電子回析による分子と結晶の構造決定、量子力学による化学結合の記述、イオン半径の決定、原子スペクトルの研究など、現代の物理化学の基礎となる重要な業績を数多く残しており、20世紀における最も重要な化学者の一人といわれています。また、熱心な平和主義者としても知られ、1954年のノーベル化学賞に加えて、1962年には、原水爆禁止運動の世界的指導者としてノーベル平和賞も受賞しています。これらはどちらも単独での受賞となっており、異なる分野で単独でノーベル賞を受賞したのは、現在までのところポーリングただ一人です。

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    3月1日 ソ連の「ベネラ3号(金星3号)」が金星に"命中"(1966年)

    1965年11月16日に打ち上げられた、ソ連の惑星探査機「ベネラ3号」が、106日間、約3億キロメートルの飛行の末、この日、金星に衝突しました。「ベネラ3号」には、金星の表面を調べるためのロボットが搭載されていましたが、航行中に通信不能に陥り、そのまま金星の表面に激突したとみられています。探査計画は失敗に終わりましたが、この日は、人類が地球以外の惑星にはじめて人工物を送り込むことに成功した記念すべき一日です。地球以外の惑星に人類が自ら降り立つのは、いつのことになるでしょうか? 火星までみなさんがやってくる日を楽しみに待っています。

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    3月2日 X線天文衛星「あすか」が大気圏で燃え尽きる(2001年)

    この日、1993年に宇宙科学研究所が打ち上げたX線天文衛星「あすか」が、その使命を終え、大気圏に再突入しました。あすかは、宇宙のなかでも高温で激しい活動領域から放射されているエネルギーを観測するための衛星で、特にブラックホールの研究において多くの新発見をもたらしました。ブラックホールは、あらゆるものを飲み込んでしまうため、宇宙の終わりにはブラックホールしか残らないと考えられています。そして、そのブラックホール自体も、10の100乗年というとてつもなく長い時間ののちには消滅してしまうそうです。宇宙はこれからどうなっていくのか? 下記のブルーバックス最新刊をぜひ読んでみてください!

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    3月3日 昭和三陸沖地震が発生(1933年)

    この日の午前2時30分、マグニチュード8.1と推定される大地震が、岩手県上閉伊郡釜石町(現現在の釜石市)の東方沖約200キロメートルの地点を震源として発生しました。リアス式海岸のため津波の被害がひどく、家屋流失は4000棟以上、死者は3064人に上ったそうです。記録されている津波の高さは最大で28.7メートルにも達しました。三陸沖を震源とする大地震は、古くは平安時代の869年(貞観地震)から、周期的に発生しており、2011年の東日本大震災もそのひとつと考えられています。地震大国の日本に住む私たちは、過去の災害の記録・記憶からしっかりと学んでいかなければなりません。

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    3月4日 物理学者ガモフが生まれる(1904年)

    この日、ビッグバン理論の提唱者として知られるジョージ・ガモフがロシア領オデッサ(現在のウクライナ)に生まれました。ガモフは、レニングラード大学を卒業後、ヨーロッパに留学し、ニールス・ボーアやラザフォードらに師事します。1931年から母校の教授をつとめましたが、1934年にアメリカに亡命し、ジョージ・ワシントン大学やコロラド大学で研究に従事します。量子力学によるアルファ崩壊の説明や、核反応に基づいた恒星の進化の解明、宇宙の起源に関するビッグバン理論など、科学者として業績をあげるかたわら、多くのすぐれた科学解説書を執筆したことでも有名です。

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    『インフレーション宇宙論』
    宇宙のはじまりであるビッグバンの前には何が起こったのか!? 提唱者が思いきりやさしく書いた、1番わかりやすいインフレーション宇宙論の解説書です。

    3月5日 サンゴの日

    「さん(3)ご(5)」という語呂合わせから、この日は、サンゴ(珊瑚)の日とされています。この記念日は、世界自然保護基金(WWF)が1996年に呼びかけたことによって広まったものですが、3月の誕生石がサンゴであることも、この日が選ばれた理由なんだそうです。南の海に広がる珊瑚礁は、美しい海の象徴的な風景ですが、じつは、日本最大規模を誇る沖縄のサンゴ礁で今、7割超ものサンゴが死滅するという“大異変”が生じています。いったいなぜ、サンゴが死んでしまったのか? その死は、海洋の生態系にどんな影響を及ぼすのか? そして、日本列島を取り囲む四方の海に迫り来る「次なる危機」とは?

    先週から始まった新連載『サンゴ礁からの警鐘』をぜひご覧ください。

    白化現象が発生し、白っぽく変色した石西礁湖(沖縄)のサンゴ。2016年8月撮影(写真提供:環境省)

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