【サイエンス 7days】 第67回 5月8日~5月14日

  • 2017/05/08

    • ニュース

    第67回 5月8日~5月14日
    初の熱核反応実験に成功

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第67回は今日5月8日から5月14日までの一週間をみていきましょう。

    5月8日 初の熱核反応実験に成功(1951年)

    この日、ハンガリー出身の核物理学者エドワード・テラーが、重水素を用いた熱核反応実験を世界で初めて成功させました。熱核反応は原子核融合とも呼ばれ、水素(H)、重水素(D)、三重水素(T)、ヘリウム(He)などの軽い数個の原子核がひとつに融合して、より重い別種の原子核になる現象です。太陽などの恒星が明るく輝くのも、星の内部で起こっている核融合がエネルギー源になっています。発生するエネルギーが莫大で、核分裂反応と異なり放射性廃棄物が出ないことから、将来のエネルギー源としても期待されていますが、この日のテラーによる実験は水素爆弾の開発を目的としたものでした。

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    『原子爆弾』
    原爆の巨大なエネルギーはどこからどのようにして発生するのか? 近代物理学の歩みを紹介しながら、人類の「叡知」が生み出した無差別大量殺戮兵器の原理を解説します。

    5月9日 小惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ(2003年)

    この日、小惑星イトカワの調査を目的とした探査機「はやぶさ」が、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられました。小惑星に着陸し、そこから岩石を地球まで持ち帰るという世界初のミッションに挑んだはやぶさの大冒険については、みなさんご存じですよね。はやぶさが数々の危機を乗り越えることができたのは、決して「奇跡」や「運」ではない計算しつくされた技術の裏づけがあったのです。プロジェクト関係者らがはじめて明かす立ち上げから帰還までの舞台裏を『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』でぜひお読みください。

    小惑星に接触する「はやぶさ」の想像図(画像:J.R.C. Garry)

     

    5月10日 地質の日

    1876年のこの日、日本初の本格的な地質図「日本蝦夷地質要略之図」がアメリカの地質学者ライマンらによって作成されました。これを記念して、2007年に、日本地質学会など地質関係の組織・学会が定めたのが「地質の日」です。地質学とは18紀末に生まれた"Geology"という単語の日本語訳として明治初期に作られた言葉で、もともとは地球表面の岩石や地層、化石を研究する学問でしたが、現在では地球内部の構造や地球全体での環境問題の研究なども含まれるようになってきました。

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    『三つの石で地球がわかる』(5月16日頃発売!)
    ややこしい知識は不要! 「石の名前」を三つ覚えるだけで、地球のなりたちや、岩石・鉱物の本質的なことがすらすら頭に入ってきます!

    5月11日 日本人がエベレスト初登頂(1970年)

    この日、登山家の植村直己と松浦輝夫が、日本人として初めてエベレスト登頂に成功しました。エベレストはネパールと中国の国境に位置する世界最高峰の山で、かつては独立した大陸であったインド半島がユーラシア大陸に衝突することで作られたヒマラヤ山脈の一部です。標高は8,848メートルとされることが多いのですが、近年のGPSを使った調査では8,850メートルという値も報告されています。じつは、地殻の運動や頂上部の岩石の風化によって最高点の高さは現在でも変動していると考えられているそうです。じっとして動かないように見える山も、地球の活動にあわせて刻々と変化しているものなんですねえ。

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    『山はどうしてできるのか』
    世界最高峰はエベレストではない? 現在ある山もいつかはなくなる? 生成と消滅を繰り返す山の壮大な物語を知れば、なにげなく踏んでいる大地の見え方も変わってくること間違いなしです。

    5月12日 世界最大の直径100メートルの電波望遠鏡が完成(1971年)

    この日、ドイツのボン郊外に、可動式の望遠鏡としては当時世界最大のエフェルスベルク電波望遠鏡が完成しました。電波望遠鏡は、衛星放送を受信するパラボラアンテナと同じ原理のものですが、この日完成した望遠鏡はなんと直径が100メートルもあり、重さも3200トンという巨大なものでした。ちなみに、現在地球上でもっとも大きな電波望遠鏡は直径が500メートルもある中国のFASTという望遠鏡です。ただし、この望遠鏡は山間部に自然の窪地を利用して作られたもので望遠鏡を自由に動かすことはできません。

    フェルスベルク電波望遠鏡

     

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    『巨大ブラックホールの謎』
    ブラックホールを探す仮想望遠鏡の大きさは直径が1万キロメートル!? 世界中の望遠鏡を総動員して挑む“ブラックホール直接撮像”への挑戦を詳しく解説した一冊です。

    5月13日 江戸の洋学者・江川英龍が生まれる(1801年)

    この日、江戸後期の幕臣で韮山代官だった江川英龍(えがわ・ひでたつ)が生まれました。英龍は近代的な海防術や砲術を西洋から積極的に学び、品川台場(お台場)の築造や、日本に西洋式の砲術を普及させた功績で知られています。また、鉄の精錬に使われる反射炉の研究にも取り組み、日本で唯一現存している反射高炉の韮山反射炉を建造したのも英龍です。現在のこっている韮山反射炉は英龍の死後、息子の英敏が引き継いで完成させたものですが、この炉を使って実際に製造された鉄の大砲も残っているそうです。

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    人類は鉄によって文明を作り、文化を創造してきました。数千年にわたり、人類が営々と積み上げてきた製鉄の歴史と、その技術を振り返る一冊です。

    5月14日 温度計の日

    1686年のこの日、水銀温度計を発明した物理学者ガブリエル・ファーレンハイトがドイツに生まれました。ファーレンハイトの考案した華氏(単位はF)は、食塩と雪の重量比1対3の混合物の温度を0度、ヒツジの体温を100度として定められた温度目盛です。この温度の単位は、欧米で今日も用いられており、ファーレンハイトの誕生日にちなみ、5月14日は温度計の日とされています。ファーレンハイトは、温度計の他にも、密度計や揚水ポンプなどの科学機器の製造に取り組み、沸点が気圧によって変わることをも発見しています。

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    『極限の科学』
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