【サイエンス 7days】 第77回 7月17日~7月23日

  • 2017/07/17

    • ニュース

    第77回 7月17日~7月23日
    遺伝学者のメンデルが生まれる

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第77回は今日7月17日から7月23日までの一週間をみていきましょう。

    7月17日 シューメーカー・レヴィ第9彗星が木星に衝突(1994年)

    アメリカの天文学者シューメーカー夫妻とデイヴィッド・レヴィが発見した、21個の彗星片からなる「シューメーカー・レヴィ第9彗星」が、同年のこの日から7月22日にかけて、次々に木星に衝突しました。これは人類がはじめて目にする、惑星と彗星の衝突現象で、地上の巨大望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡によって、衝突時の閃光や、木星表面にできた衝突痕が詳しく観測されることになりました。彗星片が作り出したもっとも大きな衝突痕は、直径1万2000キロメートル(地球の直径とほぼ同じ大きさ)という巨大なものであり、惑星の環境を激変させるような天体衝突が私たちの生きている時代でも起こり得ることを実感させるものでした。これをきっかけとして、地球に衝突する可能性のある小惑星を監視する国際組織「スペースガード財団」が発足するなど、天体の衝突が人類に対する現実的なリスクとして考えられるようになったそうです。

    ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたシューメーカー・レヴィ第9彗星(画像提供:NASA)

     

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    『天体衝突』
    6550万年前の小惑星の衝突によって恐竜たちは突然絶滅し、哺乳類の時代が始まりました。いまや地球や生命の進化は、天体衝突という「突発的な事件」が、その原因と考えられるようになっています。

    7月18日 沈没したタイタニック号の全貌を確認(1986年)

    1912年に処女航海の途中で沈没したイギリスの豪華客船「タイタニック号」が、アメリカのウッズホール海洋研究所の潜水艇によって、はじめてビデオ撮影されました。タイタニック号の沈没場所は長いあいだ不明とされていましたが、1985年に、アメリカとフランスの合同調査隊が音波探知機と水中カメラを用いた調査によって、カナダのニューファンドランド島沖・水深3800メートルの海底に埋もれている船体を発見したのです。この日撮影された映像には、タイタニック号の船体が真っ二つに折れている姿も収められており、事故当時の生存者の証言が確認されることになりました。

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    『海に沈んだ大陸の謎』
    我々がよく知る6大陸のほかに、もうひとつの大陸が存在する! その名は…… 好評既刊『地球を突き動かす超巨大火山』の著者による、地球ミステリー第2弾! ミクロな物質から地球史を復元する壮大な謎解きを、地学の知識がない読者に向けて解説します。

    7月19日 日本初の予防接種(1849年)

    この日、蘭方医の楢林宗建(ならばやし・そうけん)とオランダの医師モーニッケが、長崎の出島において日本ではじめての種痘を実施しました。種痘とは、天然痘に対する免疫を人工的に獲得させるためのもので、いわゆる予防接種の一種です。1796年にイギリスのジェンナーが牛のかかる天然痘である「牛痘」のウイルスを用いて、はじめてヒトへの種痘に成功し、その後、世界中に広まっていきました。当時、日本は鎖国中だったため、諸外国から情報を得ることはとても困難でしたが、楢林宗建は幕府の通訳者としての仕事を通じて、西洋の医学の情報を少しずつ入手していました。また、海外の医学書をひそかに入手していたとも言われており、危険を冒してまで新しい知識を学ぼうとする姿勢には感服するばかりです。

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    『カラー図解 EURO版 バイオテクノロジーの教科書』
    発酵から遺伝子工学まで、現代のバイオテクノロジーのすべてがわかる! ユーロ圏をはじめとしアメリカの大学でも採用される世界標準の教科書です。

    7月20日 遺伝学者のメンデルが生まれる(1822年)

    遺伝に関するメンデルの法則で知られる植物学・遺伝学者のグレゴール・ヨハン・メンデルが、この日、オーストリアに生まれました。メンデルは修道院の司祭や学校の教員をするかたわら、修道院の庭でエンドウの人工交配による遺伝の実験を行い、有名な「メンデルの遺伝の法則」を発見しました。いまでは近代遺伝学の出発点と言われるこの歴史的な発見も、当初はその真価が認められず、発表から35年を経た1900年に複数の植物学者によってこの法則が再発見されるまで、埋もれたままだったそうです。

    メンデルの実験ノート

    (Daniel L. Hartl and Vitezslav Orel, What Did Gregor Mendel Think He Discovered? Genetics 131: 245-253 (1992))

     

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    『エピゲノムと生命』
    同じDNAの配列を用いて柔軟で多様な表現型を生み出すしくみ「エピゲノム」。それは、生命が環境にしなやかに適応し、複雑な体を作り、記憶や認知能力を得るために欠かすことのできないものだった!? 遺伝の概念を覆す生命科学の最前線をご紹介します。

    7月21日 シベリア横断鉄道完成(1904年)

    1891年の起工式から、約13年の年月をかけて建設されたシベリア横断鉄道が、この日、世界最長の大陸横断鉄道として開通しました。ロシア連邦のシベリア南部を東西方向に横断し、ヨーロッパと極東地方を結ぶ交通路で、開通時の全長は8314キロメートルでした。その後、さらなる路線の拡大が行われ、現在ではモスクワからウラジオストクに至る9297キロメートルが、一本の鉄道としてつながっています。ソ連時代は終点のウラジオストクが軍港であることから、一般市民がこの鉄道を始点から終点まで乗り続けることはできませんでしたが、現在ではその制限も解除され、外国人旅客もすべての区間で乗車可能になっているそうです。なお、ウラジオストクからモスクワまでの所要日数は約1週間ほどです。

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    『図解・鉄道の科学』
    電車が走る・曲がる・止まるホントの理由。静かで揺れない電車を実現した意外なアイディア。安全で正確な運行を支える究極のハイテク技術。鉄道のしくみをその根本原理から解き明かします。

    7月22日 数学者のベッセルが生まれる(1784年)

    この日、ベッセル関数にその名を残す数学者フリードリヒ・ヴィルヘルム・ベッセルが、ドイツに生まれました。ベッセルは、貿易会社の経理係として働きながら、独学で数学と天文学を学び、天体力学の軌道計算から、1807年のハレー彗星の到来を正確に予言したことで科学界から注目されるようになりました。数学の分野においては、彼が分類したことにちなんで名前がつけられた「ベッセル関数」も有名です。これは、以下の微分方程式の解として定義される関数で、電磁波の伝播の計算や、量子力学のシュレーディンガー方程式を解く際など、あらゆる場面に登場する非常に重要なものです。

     

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    『関数とはなんだろう』
    関数がわかれば、数学は楽しい! 三角関数、指数関数、対数関数、複素関数……関数は数学の大きな柱です。本書は関数のさまざまな話題について楽しく読めるように書かれた入門書です。

    7月23日 ヘール・ボップ彗星の発見(1995年)

    1997年に地球に接近した観測史上最大級の彗星、「ヘール・ボップ彗星」が、2年前のこの日、アメリカの天文学者アラン・ヘールとトーマス・ボップによって、それぞれ独自に発見されました。この彗星の直径は約50キロメートルもあり、ハレー彗星の3倍もの大きさです。発見当初から、地球に近づいた際にはとても明るく見えるだろうと期待されていましたが、実際、1997年の春ごろから、予想よりもはるかに明るく輝き出し、都市部でも肉眼でその姿を確認できるほどの明るさになりました。みなさんのなかにも、この彗星をご覧になった方は多いのではないでしょうか? ちなみに、ヘール・ボップ彗星の周期は2534年で、次に地球の近くに戻ってくるのは西暦4531年頃になるそうです。はたして、その時、ブルーバックスの通巻番号は何番まで到達しているのでしょうか……、そしてシンボルキャラクターはどんな生物になっているのでしょうか……

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    『へんな星たち』
    小さな点にしか見えない夜空の星で、じつはとんでもないことが起こっている!? 観測技術と天体物理学の進歩によって、少しずつ明らかになってきている、はるか遠くの彼ら「生きざま」をぜひご覧ください!

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