【サイエンス 7days】 第79回 7月31日~8月6日

  • 2017/07/31

    • ニュース

    第79回 7月31日~8月6日
    数学者ハミルトンが生まれる

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第79回は今日7月31日から8月6日までの一週間をみていきましょう。

    7月31日 パラグライダーの日

    1988年のこの日、北九州市の皿倉山で日本初のパラグライダー選手権が開催されました。これを記念して、7月31日はパラグライダーの日とされています。大きな布で空気をあつめて、ただ空に浮いているよう見えるパラグライダーですが、じつはその飛行原理は飛行機と同じものなんだそうです。布が主翼の役割を果たし、飛行機が飛ぶ理由として有名な「ベルヌーイの原理」が働いているのです。実際、パラグライダーの最長飛行記録は500キロメートルにも達し、最高到達高度は4500メートルを超えるそうです。あんな単純な装備で飛行機と同じように空を飛ぶことができるなんて不思議ですよね。

    滑空するパラグライダー

     

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    『紙ヒコーキで知る飛行の原理』
    パラグライダーも、ジャンボジェットも、紙ヒコーキも飛ぶ原理はすべて同じです。(紙の)飛行機の設計技師兼パイロットになって、航空力学を実験しながら学んでみましょう。

    8月1日 博物学者のラマルクが生まれる(1744年)

    ダーウィンにさきがけて進化論を発表したことで知られる博物学者ジャン=バティスト・ラマルクが、この日、フランスに生まれました。ラマルクはフランス自然誌博物館で無脊椎動物の分類を研究するなかで、「生物の複雑な体の仕組みは、簡単なものから高度なものへ次第に変化することで獲得された」という進化論の発想に至りました。彼がこの説を発表したのは1809年のことで、ダーウィンの進化論よりも50年も前のことでしたが、当時はまったく注目されることがなかったそうです。ちなみに、ラマルクの進化論は「用不用説」と呼ばれ、生物が生活の中で身につけた形質が、その子孫に遺伝するというものでした。たとえば、キリンは高い所にあるものを食べようとするうちに、すこしずつ首が発達して長くなり、それが子供に遺伝することで徐々に長い首を持つ種が出来上がったというものです。一方で、ダーウィンの進化論は、親が獲得した形質とは無関係に首の長い個体が偶然生まれ、その特徴が生存するうえで有利であったために子孫を残せる確率が高くなり、結果として首の長い特徴を持つ種が出来上がったというものです。これは「自然選択」と呼ばれています。

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    『カラー図解 進化の教科書』
    ハーバード大学、プリンストン大学他全米の200校以上の大学で採用され、世界中でもっとも読まれている進化の教科書の決定版がブルーバックスで登場! 現在『第1巻 進化の歴史』『第2巻 進化の理論』が好評発売中、最終巻の『第3巻 系統樹や生態から見た進化』は8月17日ごろ発売予定です。

    8月2日 人工衛星「おおすみ」が大気圏に突入(2003年)

    この日、1970年に打ち上げられた日本初の人工衛星「おおすみ」が、大気圏に再突入し、エジプトとリビアの国境付近の上空で燃え尽きました。「おおすみ」は、衛星打ち上げロケットの技術開発を目的として開発され、L-4Sと呼ばれるロケットの最上段が、そのまま衛星本体として軌道に投入されたものです。全長は約1メール、重さは全体で23.8キログラムと小型でしたが、加速度センサー、温度計、各種の送信機が搭載されていました。ロケットが風に流された影響で、当初の計画とは異なる軌道に投入されることになりましたが、無事、地球をまわる楕円軌道に投入され、搭載された電池から供給された電力によって約15時間地上に向けて信号を発信し続けました。運用終了後も衛星は軌道を周回し続けましたが、地球の大気による抵抗で高度が徐々に低下し、打ち上げから33年後のこの日に、地球の大気圏へと再突入してその生涯を終えることとなりました。

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    『完全図解・宇宙手帳』
    世界初の人工衛星「スプートニク1号」から始まる半世紀におよぶ人類の宇宙への挑戦。その歩みを網羅するとともに、豊富な図解で宇宙開発の技術と基礎知識を解説した決定版のデータ集です。

    8月3日 物理学者のフィッツジェラルドが生まれる(1851年)

    相対性理論の提唱者の一人として知られる物理学者ジョージ・フィッツジェラルドが、この日、アイルランドのダブリンに生まれました。フィッツジェラルドは、光の電磁理論を専門に研究し、交流電流から放射される電磁波や、光の反射・屈折の理論を確立した人物です。「エーテル」に対する地球の運動を計測しようとした、マイケルソン‐モーリーの実験の結果から、運動する物体の長さが縮む(ローレンツ収縮)というアイデア提唱したことで知られています。「エーテル」とは、光を伝える媒質として宇宙空間に充満していると考えられていた仮想物質で、後にその存在は否定されることになりましたが、この実験が相対性理論の足掛かりとなるなど、その後の科学の発展に大きな影響を与えました。

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    『高校数学でわかる相対性理論』
    時空の概念を大きく変えた特殊相対性理論は、「光速一定」というただ一つの原理から導き出されマイケルソン‐モーレーの実験の矛盾をみごとに解決しました。本書では、その導出から電磁気学との関係まで大学学部レベルの理解を目指します。

    8月4日 数学者のハミルトンが生まれる(1805年)

    「四元数」と呼ばれる高次複素数の提唱者、あるいは解析力学の創始者として知られる数学者のウィリアム・ローワン・ハミルトンが、この日、アイルランドのダブリンに生まれました。ハミルトンは若いころから天才として注目されており、10歳で十数ヵ国語を身につける、大学在学中に教授就任のオファーを受けるなど、数々の伝説を残しています。「四元数」の発見の経緯についても、妻といっしょに散歩にでかけた際に、突然、四元数の公式が頭に思い浮かび、その場で、石でできた橋の欄干に数式を刻み込んだという逸話が残っています。四元数は現代数学において非常に重要な概念であり、また3Dコンピュータグラフィックスにおける回転を計算する際にも使われています。しかし、発表当時その重要性は誰からも理解されず、晩年のハミルトンはアルコール依存症になってしまったのだとか。あまりに時代を先取りしすぎた天才だったんですねえ。

    ダブリンのブルーム橋に設置された、ハミルトンの四元数発見を記念するプレート。下から2行目にi2=j2=k2=ijk=-1という数式が見える。

     

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    『複素数とはなにか』
    人類がなにかを数えた時、「数」が誕生しました。そして、足し算、引き算、掛け算、割り算と計算が広がるとともに、自然数、整数、有理数、無理数と「数」も広がってきました。さらに想像上の数「虚数」を加え、究極の数「複素数」が誕生しました。複素数はどんな数で、なぜ究極の数なのか、易しく解説した一冊です。

    8月5日 郵便貯金制度の開始(1874年)

    この日、日本で『郵便預規則』が公布され、世界で4番目となる郵便貯金制度がスタートしました。すべての国民に安全で便利な銀行を提供するという、イギリスの郵便貯金制度を手本として、日本に導入されたものです。制度がスタートした当時、まだ一般の国民には「貯金」という概念が根付いていなかったそうですが、小学校で貯蓄が生活を豊かにするという考え方を教えるなど、貯蓄の道徳を広める活動が積極的に行われ、徐々に貯金制度は普及していくこととなりました。1990年頃になると民間の銀行サービスの発展によって、国が運営する郵便貯金制度はその役目を終えたと考えられるようになり、世界各地で郵便貯金が民営化されていきます。日本の郵便貯金制度も、郵便事業とあわせて2007年に民営化されました。

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    『暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり』
    為替リスクを抑え、送金手数料も安い暗号通貨は、「欠点だらけの現行通貨」を革新する可能性を秘めています。シンプルな暗号が、なぜおカネになるのか? 電子マネーやクレジットカードとどうちがうのか? ビットコインの背後に潜む数学や暗号技術と、経済へのインパクトをくわしく語ります。

    8月6日 広島に原子爆弾投下(1945年)

    午前8時15分、上空9600メートルから、アメリカの爆撃機B29「エノラ・ゲイ号」が、ウラン型原子爆弾「リトルボーイ」を投下。爆弾の威力はTNT火薬20キロトンに相当し、犠牲者の数は約14万人といわれています。爆風や熱線による被害にくわえて、原子爆弾に特有の、放射線被曝による後遺症に多くの人が苦しめられることになりました。また3日後の8月9日には長崎がプルトニウム型原子爆弾の犠牲になりました。

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    『原子爆弾』
    輝かしい近代ノーベル賞の歴史は、原爆開発の歴史と深くつながっていた!? 科学と戦争、科学者と社会のかかわりについて考えながら読んでほしい一冊です。

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