【サイエンス 7days】 第86回 9月18日~9月24日

  • 2017/09/18

    • ニュース

    第86回 9月18日~9月24日
    マゼランが世界一周航海へ出発

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第86回は今日9月18日から9月24日までの一週間をみていきましょう。

    9月18日 物理学者のフーコーが生まれる(1819年)

    光速度の測定や、地球の自転を実験的に証明したことで知られる物理学者ジャン・ベルナール・レオン・フーコーが、この日、フランスのパリに生まれました。フーコーは、物理学者のフィゾーとともに熱や光の性質を研究し、水中の光速度は空気中よりも遅くなることなどを発見しました。また、振り子の振動面が、見かけ上、時計の針と逆向きにゆっくりと回転していく現象によって、地球が自転していることを証明した業績でも有名です。このような実験装置は「フーコーの振り子」と呼ばれており、彼自らがデモンストレーションを行ったパリのパンテオン(神殿)には、当時の実験を再現した振り子が展示されています。

    パリのパンテオンに展示されている「フーコーの振り子」

     

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    『謎解き・海洋と大気の物理』
    振り子を回転させる力が、海と大気の流れを作っている!? 大海原や広大な空でおきる不思議な現象の数々を演出する「コリオリの力」の正体に迫りながら、海洋物理学から気象学、気候学までわかりやすく解説する入門書です。

    9月19日 稲荷山古墳の鉄剣に刻まれた銘文が発見される(1978年)

    この日、埼玉県行田市の稲荷山古墳から出土した鉄剣に、115文字の漢字が「金象嵌(きんぞうがん)」という手法で刻まれていたことが明らかになり、5世紀頃の日本古代史を明らかにする貴重な手がかりとして大きな注目を集めました。この鉄剣は1968年に発掘されたものでしたが、表面がサビに覆われていたため、そこに刻まれた文字の存在には当初はだれも気づいていなかったそうです。発掘から10年が経ったこの年、保存のための検査として行われたX線撮影が予想外の発見をもたらしたのです。奈良国立文化財研究所がこの文字の読解に成功し、「獲加多支鹵大王(ワカタケル大王)」の名を発見しました。この大王の名前は、熊本で出土した同年代の鉄剣からも見つかっており、この時代にすでに大王の勢力が九州から関東にまで及んでいたことを示していると見られています。

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    『逆問題の考え方』
    原因から結果を予測する――これは、順問題。結果から原因を探る――これが、逆問題です。X線の断層撮影(CT)や非破壊検査、不鮮明な画像の復元、地震波による地質構造の解析など、身近な具体例から「逆問題」の考え方を解説します。

    9月20日 マゼランが世界一周航海へ出発(1519年)

    この日、ポルトガルの航海者フェルディナンド・マゼランが、スペインの南部のサンルーカル港から世界一周の航海に出航しました。出発の際には5隻の船に合計約270名が乗り込みましたが、1522年に、無事に世界をひとまわりしてスペインに戻ってくることができたのは、そのうち一隻(ビクトリア号)だけで、生き残った乗組員はわずか18名でした。隊長のマゼランも、フィリピン諸島での現地住民との戦闘で命を落としています。マゼランは、初めて太平洋を発見・横断した人物として称えられることとなり、彼がつけた「太平洋(Pacific ocean=穏やかな大洋)」という名前がいまでも使われ続けています。

    1590年ごろの地図に描かれたビクトリア号

     

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    『海に沈んだ大陸の謎』
    南極大陸が発見される前、そこにはマゼランの名前にちなんで名づけられた、「マゼラニカ」という巨大な大陸が存在すると考えられていたそうです。未知の海に幻の大陸が存在する。そんなことが本当にあり得るのか? 科学で検証する一冊です。

    9月21日 惑星探査機「ガリレオ」が木星に突入(2003年)

    この日、NASAの惑星探査機「ガリレオ」が、約24年間にわたるミッションを終え、木星の大気に突入して消滅しました。ガリレオは、1989年10月18日に打ち上げられた、木星探査を目的とした探査機で、木星の周回軌道をまわる「オービタ」と、木星の大気圏に突入して観測を行う「プローブ」で構成されています。打ち上げから約6年をかけて木星の軌道へと到達したのち、まずは1995年にプローブが大気圏へと突入し、通信途絶まで観測を続けました。その後、オービタは、さらに7年間にわたって木星の地表や衛星の画像を地球に送り続けましたが、燃料がなくなり制御が難しくなったため、生命の存在する可能性のある衛星「エウロパ」などへの衝突を防ぐために、木星の大気圏へと突入させることとなりました。そういえば、つい先日も「カッシーニ」が土星の大気に突入したというニュースがありましたね。

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    『地球外生命9の論点』
    木星の衛星エウロパには、地球外生命が存在している可能性があると言われています。宇宙に「第二の地球」はたくさんあるとする天文学者、「生命」は地球だけの奇跡だという生物学者、各分野のトップランナーが最新成果をもとに地球外生命を考える「論点」を呈示します。

    9月22日 フランスの高速鉄道TGVの開通式(1981年)

    この日、フランスの新幹線TGV(Train aà Grande Vitesse〔=高速鉄道〕の頭文字をとったもの)の開通式典が開かれ、当時のフランス大統領ミッテランを運転席に乗せた車両が、パリ~リヨン間の約400キロメートルを2時間40分で走行しました。TGVは当時の鉄輪式列車の最高速度記録である、時速380キロメートルを試験走行で記録しており、営業列車の平均速度としても時速260キロメートルという、まさに世界一速い高速鉄道でした。TGVの速度への挑戦はその後も続き、2007年には時速574.8キロメートルという記録を試験走行で叩き出しています。ちなみに、日本の新幹線の最高速度記録は、1996年の試験走行で達成された時速443キロメートルです。一方、リニア新幹線の最高速度記録は時速600キロメートルを超えており、これまでの鉄道とはまさに一線を画す乗り物であることがわかります。

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    『図解 TGV vs. 新幹線』
    日仏高速鉄道はこんなに違う! 両国が鉄道技術の粋を集めて完成させたTGVと新幹線。一見似ているようで、技術的思想が全く異なる両システムを、全角度から比較分析したはじめての本です。

    9月23日 太陽観測衛星「ひので」の打ち上げ(2006年)

    この日、太陽表面の活動や、太陽から生じる磁場を観測するための天文衛星「ひので」が、内之浦宇宙観測所から打ち上げられました。「ひので」には、可視光、X線、紫外線の3種類の望遠鏡が搭載され、従来にない精密な観測が可能となりました。「ひので」が解き明かそうとしている太陽の謎のひとつが、「コロナ加熱問題」という数十年にわたって論争が続けられてきた大問題です。太陽は表面の温度が6000度程度にもかかわらず、その上空の太陽大気コロナの温度は約100万度にも達します。6000度の表面が、どのようにしてコロナをその数百倍の温度にまで加熱しているのでしょうか? 「ひので」の観測から、太陽表面から出た磁力線を伝わる波動のエネルギーが重要な役割をはたしていることが明らかになってきたそうです。今年で10周年を迎えた「ひので」は、この謎を解くために、これからも太陽の観測を続けます。

    「ひので」が撮影した、部分日食中の太陽のX線写真(画像提供:JAXA/国立天文台)

     

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    『太陽と地球のふしぎな関係』
    「生命の誕生」を可能にし、生きとし生けるものすべてに恵みを与える。──「母なる星」のイメージは、間違いだった!? コロナ質量放出、磁気嵐、高エネルギー粒子線……。絶え間なく攻め手を繰り出す太陽と、生命を守る地球の関係を解説します。

    9月24日 数学者のカルダノが生まれる(1501年)

    三次方程式の解法を初めて発表し、虚数の概念を提唱した数学者ジェロラモ・カルダノが、この日、イタリアのミラノに生まれました。カルダノは、数学の他にも医学や哲学にも広く通じた万能の人として知られており、ギャンブルに関する確率論から、はては占星術についてまで研究していたそうです。カルダノの著した『アルス・マグナ(偉大なる術)』には、三次方程式の根の公式、四次方程式の解法が紹介されており、のちの数学に大きな影響を残したことから、コペルニクスの『天体の回転について』、ヴェサリウスの『人体の構造』とならんで、ルネッサンス期の三大科学書と言われています。また、同書では、「和が10に等しく、積が40に等しい2つの数を見つけよ」という問題についても考察されおり、この過程で虚数iの概念が登場しています。

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    『複素数とはなにか』
    複素数や虚数はなぜ必要なのでしょうか? 人類があたらしい「数」を考え出した過程を知ることで、虚数の誕生からオイラーの公式までの数学の発展を理解する一冊です。

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