【サイエンス 7days】 第107回 2月12日~2月18日

  • 2018/02/12

    • ニュース

    第107回 2月12日~2月18日
    京都議定書が発効

    地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今週も "サイエンス7days" のコーナーをお届けします。

    "サイエンス7days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介する「この日なんの日」のコーナーです。

    第107回は今日2月12日から2月18日までの一週間をみていきましょう。

    2月12日 ペニシリンを人体に初投与(1941年)

    ペニシリンはイギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミング(1881~1955)が1929年に発見した世界初の抗生物質です。1940年に、同じくイギリスの生理学者ハワード・フローリー(1898~1968)とエルンスト・ボリス・チェーン(1906~1979)らがペニシリンを粉末状に分離することに成功し、その翌年1941年のこの日に、初めて人体への投与試験が行われました。この臨床試験からペニシリンが人の感染症に治療効果をもたらすことが確かめられ、以降、世界中で多くの感染症患者を救うことになりました。これを記念して、2月12日は「ペニシリン記念日」に制定されています。

    ペニシリンの化学構造式

     

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    『新しい薬をどう創るか』
    薬は、何万人もの医師に匹敵する! 1つの薬が、1人の医師が生涯で診る患者数の何万倍もの人間を救うかもしれない―― 創薬の発想、研究過程、製造過程、そして未来の薬まで、「新薬創製」のすべてを、第一線で活躍する研究者達が語ります。

    2月13日 探査機「ニア」が小惑星「エロス」に着陸(2001年)

    1996年2月に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局(NASA)の探査機「ニア」が、この日、火星と木星の軌道の間にある小惑星「エロス」に初着陸しました。世界で初めての小惑星への軟着陸でした。エロスは長さ約30キロメートルのジャガイモ形の小惑星で、ニアによってはじめて詳細な地形図が作成されました。なお、エロスへの軟着陸は当初の予定にはなかった試験的なミッションで、その成功率は1パーセント以下であると考えられていたそうです。結果としては探査機の機能を維持したままの軟着陸に成功し、地表の成分分析という追加ミッションまでこなしたというから驚きです。

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    『小惑星探査機「はやぶさ」の超技術』
    打ち上げから帰還に至るまでの約7年にわたる宇宙の旅で、何度も絶対絶命と思われた状況を切り抜けプロジェクトを遂行できた本当の理由とは? 企画立案時から開発、運用に携わってきたプロジェクトリーダーと技術者、研究者たちがその時何を考え、どう行動してきたのか、その舞台裏がはじめて明かされます。

    2月14日 電波天文学の創始者のカール・ジャンスキー没(1950年)

    この日、世界で初めて宇宙からの電波を観測したアメリカの物理学者カール・ジャンスキー(1905~1950)が45歳で亡くなりました。ベル電話研究所で無線技士として働いていたジャンスキーは、通信障害の研究中に、銀河の中心方向からほぼ24時間周期で到来する弱い電波雑音を発見し、1933年に論文に発表します。これが電波天文学の始まりでした。この発見は大きな驚きをもって受け入れられましたが、当時、電波で宇宙を観測しようとする科学者は現われず、ジャンスキー自身も宇宙の観測に取り組むことはなかったそうです。電波天文学を開拓したのは、1937年に自宅の庭に直径約9メートルのパラボラ型電波望遠鏡をつくって観測を開始したアメリカの天文学者グロート・リーバー(1911~2002)で、数年の間、彼は世界で唯一の「電波天文学者」でした。

    リーバーが自宅に製作した電波望遠鏡

     

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    『巨大ブラックホールの謎』
    電波望遠鏡は、数ある望遠鏡中でも最も細かい物を見分けることができる能力を持っています。月面に置かれた一円玉まで見分けるという驚異の視力を使って、いま天文学者が見ようとしているのはジャンスキーが電波を観測した銀河中心に存在する「ブラックホール」です。これまで誰も見たことのなかった時空の穴は、はたして本当に存在しているのでしょうか!?

    2月15日 初の人工ダイヤ製造に成功(1955年)

    この日、アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社が、世界で初めて人工ダイヤモンドの合成に成功したことを発表しました。人工合成は、ダイヤモンドが炭素のみでできていることが明らかになった18世紀末以降、多くの科学者や発明家が挑戦してきた夢の技術でした。GE社の製造方法は、黒鉛のチューブ内に種となるダイヤモンドと、炭素、硫化鉄を入れて、タンタルの金属板で蓋をしたカプセルを封入し、約10万気圧、1600℃で数分間処理するというもの。当初は、ごく小さな工業用のダイヤモンドしか製造できませんでしたが、現在では数十カラットの大きなダイヤも技術的にはつくることが可能となっているそうです。

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    『三つの石で地球がわかる』
    ブルーバックスの読者のみなさんは、ダイヤより、河原や山肌で見つける岩石や鉱物のほうに興味があるという人も多いのでは? 地球を知り尽くした著者が、石の世界のしくみやなりたち、地球の進化と石の濃密なかかわりなどを、三つの石の物語にのせてみごとに描ききりました。

    2月16日 京都議定書が発効(2005年)

    この日、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素などの温室効果ガスを削減することを先進国に義務付けた「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」が発効されました。日本については、2008年から2012年の温室効果ガスの排出量を1990年に比べて6%削減することが目標とされ、植林などの活動の評価や排出量取引によってこの目標は達成されたことになっています。しかし実際の日本の温室効果ガスの排出量は基準年に対して1.4パーセント増加し、またアメリカとカナダが議定書から離脱するなど、議定書の目的が達成されているとは言い難いようです。現在でも「ポスト京都議定書」と呼ばれる新たな枠組みで各国が温室効果ガス削減に取り組んでいます。

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    『人類と気候の10万年史』
    福井県の水月湖に堆積する「年縞」は何万年も前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界標準となっています。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遙かにしのぐ「激変する気候」です。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす一冊です。

    2月17日 中部国際空港が開港(2005年)

    この日、日本初の本格的な24時間運用の国際空港・中部国際空港(愛称「セントレア」)が、愛知県の知多半島沖約1.5kmの人工島に開港しました。国際線の利用者数は、成田国際空港、関西国際空港、羽田空港に次ぐ、第4位。さらなる利便性向上のために、現在は1本しかない滑走路をもう1本あらたに建設する計画もあるそうです。ちなみに、空港の住所は「愛知県常滑市セントレア1丁目1番地」と愛称がそのまま地名にもなっています。

    中部国際空港(写真:Behbeh CC-BY-SA-3.0

     

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    『新しい航空管制の科学』
    GPSをはじめとする測位衛星と、インマルサットや日本の『MTSAT』などの航法衛星、あわせて100機以上の人工衛星を使って飛行ラッシュの「空の道」を管制官はどうさばいていくのか? 知られざる空の「交通整理」に迫る一冊です。

    2月18日 第1回東京マラソン開催(2007年)

    東京都庁舎前をスタートし、東京タワーや浅草雷門など観光名所を巡る、市民参加型の「東京マラソン」がこの日に開催されました。第1回大会では、2万5000人の定員に対して、7万7000人を超える参加申し込みがあり、現在のマラソンブームのきっかけになったとも言われています。現在はさらに人気が高まり抽選倍率は10倍を超えるほどになっています。ちなみに、今年2018年の東京マラソンは2月25日(日)に開催予定です。もちろん申し込みは間に合いませんが、来年に向けてランニングをはじめてみるのもいいかもしれませんね。

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    『ランニングする前に読む本』
    今から始めても、3ヵ月でフルマラソンは完走できる! 運動生理学から導かれたもっとも身体にやさしい走り方「スロージョギング」とは? 初心者から、サブスリーを目指す上級者まで、ランナーの弱点を克服し、確実に結果を出す「科学的なノウハウ」を徹底解説します。

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